R2:8話後
「残念だったな、ゼロを捕まえられなくて」
パイロットスーツを脱ぎかけたスザクに、ジノが声をかけてきた。
いつもと変わらぬ明るい口調にスザクは軽く苛立ちを覚えた。
「そうだね」
抑揚を押さえた声で、返事を返すと、ジノはどうも勘違いしたらしい。
スザクに歩み寄り、慰めるようにポン、と肩に手を置いた。
「まあ、お前は優しいからな。あの選択は仕方ないさ」
スザクの苛立ちは怒りへと変わった。
(俺の何を知っている)
優しい声、肩に添えられた手、覗き込む瞳、大らかな笑顔、全てがスザクの心情を逆撫でる。
顔を上げ、感情を押さえた瞳で、ジノの目を見つめ返す。
空色の澄んだ瞳に戸惑いの色が浮かぶ。
肩に置かれたジノの手首を掴み、軽く力を込める。
「スザク?」
(知らしめてやろうか、俺がどんな人間か)
「怒ってるのか?」
(その目を汚してやろうか)
暗い情動が腹の内から沸き上がってくるのを感じたスザクは。
フッと溜め息を吐いた。
手を下ろし、ジノから目を背ける。
(何をやってるんだ、僕は)
「…ジノ、次は必ずゼロを捕らえる」
「あ、ああ。そうだな、私も本気出すから!」
再び明るい声に戻ったジノを軽く見やり、スザクは着替えに戻った。
(そうだ…、わかってもらおうなんて、もういいんだ。)
自分のすべきことは他にあるのだから。
END
どうにもすれ違う友情。
スザクはジノが認識してないところでは友情を示していると思います。
ルルロロに一年間があったように、スザクとジノにも一年間があったのだから、その間になんらかのつながりが生まれてたのではないかと思う。
「残念だったな、ゼロを捕まえられなくて」
パイロットスーツを脱ぎかけたスザクに、ジノが声をかけてきた。
いつもと変わらぬ明るい口調にスザクは軽く苛立ちを覚えた。
「そうだね」
抑揚を押さえた声で、返事を返すと、ジノはどうも勘違いしたらしい。
スザクに歩み寄り、慰めるようにポン、と肩に手を置いた。
「まあ、お前は優しいからな。あの選択は仕方ないさ」
スザクの苛立ちは怒りへと変わった。
(俺の何を知っている)
優しい声、肩に添えられた手、覗き込む瞳、大らかな笑顔、全てがスザクの心情を逆撫でる。
顔を上げ、感情を押さえた瞳で、ジノの目を見つめ返す。
空色の澄んだ瞳に戸惑いの色が浮かぶ。
肩に置かれたジノの手首を掴み、軽く力を込める。
「スザク?」
(知らしめてやろうか、俺がどんな人間か)
「怒ってるのか?」
(その目を汚してやろうか)
暗い情動が腹の内から沸き上がってくるのを感じたスザクは。
フッと溜め息を吐いた。
手を下ろし、ジノから目を背ける。
(何をやってるんだ、僕は)
「…ジノ、次は必ずゼロを捕らえる」
「あ、ああ。そうだな、私も本気出すから!」
再び明るい声に戻ったジノを軽く見やり、スザクは着替えに戻った。
(そうだ…、わかってもらおうなんて、もういいんだ。)
自分のすべきことは他にあるのだから。
END
どうにもすれ違う友情。
スザクはジノが認識してないところでは友情を示していると思います。
ルルロロに一年間があったように、スザクとジノにも一年間があったのだから、その間になんらかのつながりが生まれてたのではないかと思う。