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サウサンプトンVSアーセナル 『ドプラドの正体』

2013-01-04 21:47:08 | 12-13 プレミアリーグ
        

サウサンプトン(以下、セインツ)対アーセナル(以下、ガナーズ)のプレミアリーグ第21節である。セインツは一ヶ月前くらいに見たので間が空いてしまった。この日のスタメンを見て一番思ったのはチームの生え抜きでキャプテンであり、さらにはイングランド代表にも選出されたララーナが怪我で欠場している所である。

そのポジションを埋めたのはドプラドである。果たして最近少なくなってきている生粋のサイドアタッカーララーナの穴を生めることができるのだろうかと未知数に思った。加えてこちら側のサイドを担当するのは17歳のルーク・ショー。まだ17歳の選手なのだがプレーを見ていて慌てることもビビることもなく確実なプレーをするなといった選手である。若い選手は良くも悪くも力んでしまってプレーに影響が出ることがよくあるが、彼は何年も前からプロでしたみたいな雰囲気がある。

でもそれを悪く言えば特徴のない選手なんですよね。加えて大人っぽく見えるにしろ絶対的に経験値は足りないわけで不安定なプレーをすることもしばしば。そんな二人が担当するセインツの左サイドは攻守に機能するのか不安だった。

対するガナーズは中盤のトライアングルを起点にパスサッカーを展開したいのだろうがそれがなかなか上手くいかないという噂を耳にした。だが、前節はニューカッスルに7-3と圧勝しており歯車が再びかみ合い始めたかどうかを見てみたいと思った。ウォルコットが本人の希望もあってCFを任されているってのも興味深い。今までは192cmでためが作れるタイプのジルーだったので。

さて、前置きが長くなってしまったが始めたいと思う。立ち上がりの構図は後ろから組み立てを試みるガナーズとブロックを作ってショートカウンターを目指すセインツといった模様。セインツの守り方からするとハーフラインくらいからランバートとラミレスがプレスをかけ始める。彼らのタスクはバックラインに圧力をかけつつ、中盤底のアルテタへのパスコースを切ることにある。また、ウィルシャーが降りてきて受けようとする場合はシュナイデルランがきっちりマークして対応していた。

やはりアルテタ、ウィルシャーにいい形でボールが入ってしまうとガナーズにリズムが生まれてしまう。だが反対にそこを抑えてしまえば彼らの最大の武器をただのお飾りにしてしまうことができるし事実それが成功していたように思う。

ただ、ガナーズには質の高いCBがいるので他の形で打開を試みようとした。ランバートとラミレスの前プレは中央のアルテタを切るような形なので二人の横のスペースは空きやすい。そのスペースにコシエルニやフェルメーレンがボールを運んでは正確なロングパスを前線に送る場面が何回か見られた。まぁセインツの寄せが早くてさっさと数的優位を作ってしまうのであまり有効ではなかったけど…やっぱりボールが浮いてる間はどうしても時間がかかりますしね。

【ドプラドの正体】

ドプラドの動きなのですがこれは最近見られる守備のときと攻撃のときのポジションが異なる選手でした。最初疑問に思ったのはいつもはほとんどオーバーラップしない左SBのショーがドリブルで持ち上がる場面があったとき。「ショーも積極的になってきたんだなー」なんて思ったんだけどショーがいくら前進してもドプラドはいない。彼はサイドの持ち場を離れてランバートの付近をうろうろとしていた。

セインツの攻撃の強みはランバートの高い位置でのポストプレーとラミレスのキープ力とパスセンスである。でも二人がきっちりマークされると大変だ。だったら欠場しているララーナほどサイドの攻撃力のないドプラドを攻撃時だけ中央にもってきてランバートとラミレスを助ける役をやってもらおうという意図だった。

守備時は左サイドに帰陣しブロックの一部になりマイボールのときはランバートのフォローをしに中央へサイドのスペースを空けたままポジションチェンジをしていた。そして先制点のきっかけはドプラドだった。

右サイドでポドルスキのことを四人で囲んだセインツが苦し紛れのパスを中央に出させる。そのちょっとルーズになったボールをすでにランバート付近にいたドプラドがパスカット。シュナイデルランがそれを持ち込んで最後はウルグアイの若き司令塔ガストン・ラミレスが決めて奪ったものだった。

あの場面でドプラドが常識どおりに左サイドで待機していたらこの得点は生まれなかったはずだし、出足のいい値千金のパスカットだった。

【一方、ガナーズは…】

後ろからの組み立てに対策を講じられたガナーズも攻撃を仕掛けてゆくが、セインツの距離感のいい守備網をなかなか崩せないでいた。ミドルサードに侵入したとしても中央にはなかなかスペースがない。

だからもっとサイドから攻めればいいのだけれどアルテタ、ウィルシャー、カソルラのボール持ちたがりの三人が揃って中にいるため中央突破を試みようとする。たまに中でためを作ってサイドに展開する場面もあったんだけどPA外のゴールライン15mくらいの位置からだから脅威にはなっていなかった。

せめてもう5m前進してからか中に抉ってからクロスを送れば可能性が高まったと思うんだけどチェンバレンにしろサーニャにしろ同じ位置から同じボールばかり送っていた。

ガナーズのやりたいであろう中盤のトライアングルを軸にしたサッカーならリヴァプールやスウォンジーを見習ってSBをぐっと押し上げてそれによって居場所を失ったSHが中に入って行きバイタルエリアでの数的優位を確保し相手のマークを混乱させるみたいなやり方を参考にすれば良いのにと思う。

【その他の感想】

最近のサッカーを観ていると攻撃の時と守備の時とでポジションがよく変わるなーと感じる。サイドならサイド、中なら中という具合じゃなくて攻撃のときは守備の基本布陣から脱却して攻撃のときのポジションを取るっていう感じ。そこの切り替えのところを突かれたらやばい気がするんだけど今のとこは発見できていないっす。


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