黒崎一護の狂気
黒崎家といえば、知らぬ者はいないほど高貴で裕福な貴族であり、数年前にまだ初老にも及ばない年齢であった当主が亡くなり、たった一人残された息子の一護がその後を継いだというのは世間一般に知られている。
しかし、まだ20歳ならない若年の当主が、社交界に姿を見せたのは家督を継いだお披露目の席、ただ一度だけで、それ以降は成人に満たぬことを理由に、貴族の嗜みであるはずのパーティから遠ざかっていた。
街からいささか外れた位置に建つ、広大な敷地を誇る屋敷、というより城は、それで本当に維持が可能なのかと首を傾げたくなる10人ばかりの召使と、先々代から仕えているという、至極有能な朽木という執事が三代、今も一護の元に控え、黒崎家のすべてを取り仕切っているという。
彼らがいれば、以下に愚鈍な当主であろうとも、落ちぶれるなどあり得ないと噂されるほどであり、引き抜こうとした者は数知れなかったが、どれほどの金額にも好条件にも、首を縦に振ることはなかった。
どこまでも続いているように思われる、美しく整えられた庭を抜け、たどり着いた荘厳な館に入ってすぐにある広大なホールの正面には、広く優雅な階段があり、その踊り場の壁に大きな一枚の肖像画が掲げてある。
重厚な額縁に彩られたその絵は、比較的最近に描かれたものらしく、まだ絵の具の匂いがしそうであった。
そこには、豪華な一人掛けの椅子に不遜な態度で足組み、不敵に微笑む当主の黒崎一護と、彼を守護する騎士のように取り囲む、3人の執事の姿が描かれていた。
朽木家の家長である銀嶺は一護の後ろに立ち、右側にはその息子の蒼純が、左側やや手前に、孫で一護より数歳年上の白哉が立っている。
一護のたっての願いで描かれたというこの絵は、だがもう一枚、同じ構図で描かれた、もう少し小振りなものが主寝室に飾られていることを知っているのは、召使にさえいなかった。
そちらの絵は、同じ椅子に座っている一護の衣服が酷く乱されて半裸の状態となっており、左手前で傅く白哉は、一護の右手を舌で舐め、その手は太腿の内側のきわどい部分を撫でている。
右側に控える蒼純は、腰近くまで伸ばしている一護の髪を一房とらえ、それに唇を落としつつ、肌蹴られたシャツからのぞく、淡く色づいた胸の頂を指で悪戯していた。
背後に立つ銀嶺は、右手を一護の顎下に回して、少し顔を捻るように上げさせ、露わになった左耳を甘噛している。
三人の愛撫を受ける一護は、その快感に頬を紅潮させ、期待に瞳を潤ませて、恍惚とした表情を浮かべていた。
あまりにも淫靡で、退廃的な美しさのその絵を目にする者あらば、誰もが一護の妖艶さに喉を鳴らさずにはいられないだろう。
だが、見ることができるのは、広大な屋敷でも、この部屋に入ることのできる4人だけであった。
その内の2人、白哉と一護は、天蓋の付いた広大で豪奢なベッドの上で睦み合っていた。
夜は、白哉の時間である。
衣服のすべてを剥ぎ取られた一護は足を大きく開き、その間に白哉を迎え入れ、突きあげられていた。
スプリングがその荒々しい動きに軋みを上げ、甲高いが甘い一護の嬌声と相まって、魅惑のハーモニーを奏でている。
「…ベッドの中のマナーは、すべて私が教えよう」
体内を逞しいモノに擦られる悦楽に溺れる一護に、掠れる白哉の声が聞こえているかどうか。
「だが、それを私以外に見せることは、許さない」
傲慢な言葉が、ちろりと舐め上げられた、紅い唇からもれた。
白磁のバスタブには、温かい湯が満たされていた。
日が昇ってからは、蒼純の時間である。
夜の間に散々そそぎこまれた白哉の熱情を洗い流すのも蒼純であり、けして白哉には許されない。
たおやかな手が、一護の身体を隅々まで清め、体内にまで入ってくる。
奥まで躊躇なく侵入してくる指に、一護は切ない声を上げた。
「…お湯が…入ってくるぅ…!」
違和感に身震いする一護の腰を引き上げ、白く濁った湯をこぼす秘められた場所に、ためらいなく舌を這わせる。
快楽のすすり泣きが、バスルームに響き渡った。
「これは、僕だけの特権だからね」
優しく囁かれた声が、シャワーとともにバスタブに波紋を描いて落ちた。
緩やかな音楽が、ダンスホールに流れていた。
昼食が済んでからは、銀嶺の時間である。
ダンスの練習をしているのだが、銀嶺の流れるような動きに対し、一護の足付きはどこかおぼつかない。
身体に入れられた、卑猥は器具のせいだ。
しかも、前も戒められているので、熱だけがこもってしまう。
「…もう…イきたい……イかせて…!」
熱っぽい瞳に涙を浮かべて懇願すれば、銀嶺は涼しげな表情で答えた。
「もう少しで終わりではありませんか、一護さま。そうすればいつもの通り、もっと気持ちよくして差し上げますよ」
腰を支える手を滑らせて、狭間を突けば、一護の口から感極まった小さな喘ぎがもれる。
身体の疼きに堪えかねて身悶えする一護を見やり、銀嶺は静かに微笑んだ。
3人の執事によって、一護の身体は躾けられ、磨きあげられ、匂い立つような色香を、大輪の花のごとく放っていく。
だがその魅力に魅かれ、誘蛾灯の蛾のごとくふらふらと近寄ってくる男達は、王侯貴族、富豪を問わずに後を絶たない。
妾に、愛人にと、一護自身を所望する輩を撃退するのも、執事の仕事であり、一番に重きを置かれているといっても過言ではなかった。
そして、3人の愛を一身に受ける一護はといえば、淫らに体を濡らしながら妖しく微笑むのだ。
「俺から離れるなんて、絶対に許さない」
さて、捕まったのは、どちらだったのか?
THE END
『VOICE OF MOON』様のサイトで、フリーという事でしたので頂いて来てしまいました~\(^o^)/
もー、素敵過ぎです
最高です
黒崎家といえば、知らぬ者はいないほど高貴で裕福な貴族であり、数年前にまだ初老にも及ばない年齢であった当主が亡くなり、たった一人残された息子の一護がその後を継いだというのは世間一般に知られている。
しかし、まだ20歳ならない若年の当主が、社交界に姿を見せたのは家督を継いだお披露目の席、ただ一度だけで、それ以降は成人に満たぬことを理由に、貴族の嗜みであるはずのパーティから遠ざかっていた。
街からいささか外れた位置に建つ、広大な敷地を誇る屋敷、というより城は、それで本当に維持が可能なのかと首を傾げたくなる10人ばかりの召使と、先々代から仕えているという、至極有能な朽木という執事が三代、今も一護の元に控え、黒崎家のすべてを取り仕切っているという。
彼らがいれば、以下に愚鈍な当主であろうとも、落ちぶれるなどあり得ないと噂されるほどであり、引き抜こうとした者は数知れなかったが、どれほどの金額にも好条件にも、首を縦に振ることはなかった。
どこまでも続いているように思われる、美しく整えられた庭を抜け、たどり着いた荘厳な館に入ってすぐにある広大なホールの正面には、広く優雅な階段があり、その踊り場の壁に大きな一枚の肖像画が掲げてある。
重厚な額縁に彩られたその絵は、比較的最近に描かれたものらしく、まだ絵の具の匂いがしそうであった。
そこには、豪華な一人掛けの椅子に不遜な態度で足組み、不敵に微笑む当主の黒崎一護と、彼を守護する騎士のように取り囲む、3人の執事の姿が描かれていた。
朽木家の家長である銀嶺は一護の後ろに立ち、右側にはその息子の蒼純が、左側やや手前に、孫で一護より数歳年上の白哉が立っている。
一護のたっての願いで描かれたというこの絵は、だがもう一枚、同じ構図で描かれた、もう少し小振りなものが主寝室に飾られていることを知っているのは、召使にさえいなかった。
そちらの絵は、同じ椅子に座っている一護の衣服が酷く乱されて半裸の状態となっており、左手前で傅く白哉は、一護の右手を舌で舐め、その手は太腿の内側のきわどい部分を撫でている。
右側に控える蒼純は、腰近くまで伸ばしている一護の髪を一房とらえ、それに唇を落としつつ、肌蹴られたシャツからのぞく、淡く色づいた胸の頂を指で悪戯していた。
背後に立つ銀嶺は、右手を一護の顎下に回して、少し顔を捻るように上げさせ、露わになった左耳を甘噛している。
三人の愛撫を受ける一護は、その快感に頬を紅潮させ、期待に瞳を潤ませて、恍惚とした表情を浮かべていた。
あまりにも淫靡で、退廃的な美しさのその絵を目にする者あらば、誰もが一護の妖艶さに喉を鳴らさずにはいられないだろう。
だが、見ることができるのは、広大な屋敷でも、この部屋に入ることのできる4人だけであった。
その内の2人、白哉と一護は、天蓋の付いた広大で豪奢なベッドの上で睦み合っていた。
夜は、白哉の時間である。
衣服のすべてを剥ぎ取られた一護は足を大きく開き、その間に白哉を迎え入れ、突きあげられていた。
スプリングがその荒々しい動きに軋みを上げ、甲高いが甘い一護の嬌声と相まって、魅惑のハーモニーを奏でている。
「…ベッドの中のマナーは、すべて私が教えよう」
体内を逞しいモノに擦られる悦楽に溺れる一護に、掠れる白哉の声が聞こえているかどうか。
「だが、それを私以外に見せることは、許さない」
傲慢な言葉が、ちろりと舐め上げられた、紅い唇からもれた。
白磁のバスタブには、温かい湯が満たされていた。
日が昇ってからは、蒼純の時間である。
夜の間に散々そそぎこまれた白哉の熱情を洗い流すのも蒼純であり、けして白哉には許されない。
たおやかな手が、一護の身体を隅々まで清め、体内にまで入ってくる。
奥まで躊躇なく侵入してくる指に、一護は切ない声を上げた。
「…お湯が…入ってくるぅ…!」
違和感に身震いする一護の腰を引き上げ、白く濁った湯をこぼす秘められた場所に、ためらいなく舌を這わせる。
快楽のすすり泣きが、バスルームに響き渡った。
「これは、僕だけの特権だからね」
優しく囁かれた声が、シャワーとともにバスタブに波紋を描いて落ちた。
緩やかな音楽が、ダンスホールに流れていた。
昼食が済んでからは、銀嶺の時間である。
ダンスの練習をしているのだが、銀嶺の流れるような動きに対し、一護の足付きはどこかおぼつかない。
身体に入れられた、卑猥は器具のせいだ。
しかも、前も戒められているので、熱だけがこもってしまう。
「…もう…イきたい……イかせて…!」
熱っぽい瞳に涙を浮かべて懇願すれば、銀嶺は涼しげな表情で答えた。
「もう少しで終わりではありませんか、一護さま。そうすればいつもの通り、もっと気持ちよくして差し上げますよ」
腰を支える手を滑らせて、狭間を突けば、一護の口から感極まった小さな喘ぎがもれる。
身体の疼きに堪えかねて身悶えする一護を見やり、銀嶺は静かに微笑んだ。
3人の執事によって、一護の身体は躾けられ、磨きあげられ、匂い立つような色香を、大輪の花のごとく放っていく。
だがその魅力に魅かれ、誘蛾灯の蛾のごとくふらふらと近寄ってくる男達は、王侯貴族、富豪を問わずに後を絶たない。
妾に、愛人にと、一護自身を所望する輩を撃退するのも、執事の仕事であり、一番に重きを置かれているといっても過言ではなかった。
そして、3人の愛を一身に受ける一護はといえば、淫らに体を濡らしながら妖しく微笑むのだ。
「俺から離れるなんて、絶対に許さない」
さて、捕まったのは、どちらだったのか?
THE END
『VOICE OF MOON』様のサイトで、フリーという事でしたので頂いて来てしまいました~\(^o^)/
もー、素敵過ぎです
最高です
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