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record 119

2010年12月02日 01時32分27秒 | Weblog
 梅崎春生に初めて触れた(読んだ)。「なに、これ?」と思った。今まで嗅いだことのない、においをもっている。

 ――落ちたって何が落ちたんだい。
 奥の方でそんなのんびりした声が聞えた。
 ――人間だよ。
 と誰かが応じた。誰だ、誰が落ちたというんだ、ざわめく声の中で、
 ――誰だっていいじゃねえか。明日の新聞読めば判るよ。
 あののんびりした声だった。どっと笑い声が起った。俺の近くでも皆笑った。なかんずくあの女は(おっさんに代ってもらったあの娘だ)キイキイという金属的な笑い声を立てて笑いこけたのだ。あの白い腿が笑いのために艶めかしく痙攣するのを俺ははっきり見た。
 お前はその言葉をユウモアだと思うか。
 俺は思わん。思わんが俺も笑い出していたのだ。俺は可笑しくはなかった。しかし笑いがしゃっくりのように発作的にこみあげて来るのだ。俺は扉口にしがみつき、全身をわななかせながらヒステリイのように笑いこけていたのだ。俺は涙を流しながら、ヒイヒイと笑いつづけた。終点につくまで俺は腹の皮の痛くなるほど笑いつづけていた。俺の外套から釦がひとつなくなっているじゃないか。おっさんがむしり取ったのに違いないのだ。あの善良な義侠心あふるるおっさんが、あれほどの努力の後、あの黄色い釦をひとつ握りしめて芋虫のように転げ落ち、線路脇に冷たくなって横たわっているところを思った時、俺はなぜか笑いが止度もなくこみあげて来るのを辛抱できなかったのだ。(梅崎春夫「蜆」より)

 このような緊張した文章で、人間の核心(のような場所)へズズッと迫った、滑り込んでいくのかと思うと、とんぼ返り、ふわふわと無感動な縁へ、スッと戻ってしまう・・・というような気がしないでもない。風景と心が接続されたり、されなかったり。んー、つまり、まだ触れたばっかでよく分からんのだけど、弱気なのだけど、とにかく頭の中がぐるぐるする。



record 118

2010年12月01日 01時46分03秒 | Weblog
ここ最近、本を読むことがおもしろくてしょーがない。
バリバリ読んでしまう。
いつもの三倍は読んでいる。
活字が恋しくて、なかなか眠れぬ。
今、そんなモード。



record 116

2010年11月29日 01時08分15秒 | Weblog
今のカメラで、9999回以上シャッターを押してることがわかった。
一ヶ月でだいたい2000回くらいだ。
やっぱデジタルやとバシバシ押しちゃう。
フィルムやとこうはいかん。
心もちが、なんか、ぜんぜん違う。
取り返しつかんとか、フィルム代とか、フィルム交換のリズムとか、太陽ないと写し難いとか、撮った時とプリントされる時との時差とか、とか、とか、とか。



record 112

2010年11月22日 01時52分03秒 | Weblog
クリスマス衣装なチャーリー・ブラウンのストラップが欲しくてBOSSのレインボーマウンテン六本セットを缶コーヒーそんな好きじゃないのに買ってしまったわず。わず!
今年の夏の唯一の残念は、チャーリー・ブラウン少年のプリントされたTシャツを着れなかったことであるといっても過言でない。



record 106

2010年11月11日 02時07分29秒 | Weblog
寒いときの、熱燗。
ムードだけは最高。
これで酒に弱くなければ、そのムードの中、たゆたってしまいたい。
ぬる~いゼリー状の水をはった流水プールの中を毛布に包まって流れてるイメージ。
おいしそうに酒を飲める人は、好きだ。
僕はその人を眺めながらジンジャエールとか飲んでるだろう。