3月24日。遂に日本での劇場公開が始まりました。
Twitterのタイムラインに流れてくる「いよいよ劇場公開!」という予告ムービーを眺めながら、大音響の方がライブ会場にいるように感じられる、という前情報もあり、それを見越して初IMAXにするかDolby Atmosにするか…と、ぼんやり考えている間に、熱烈ファンの友人は、トークショー付きの先行上映や、初日舞台挨拶などにも足を運んでいて、周辺ではそれなりに盛り上がっている様子が伝わって来ていました。
そこに、「初日に行くんじゃないの?!」と長年の友(特にBowieファンというわけではない)に言われ、「いや、全然、初日でなくても良いので…」と答えたところ、「ええ?!」と驚かれつつ、幸運なことに友人が行きなれた劇場のIMAX上映で観るならと、サクサクっと座席予約をしてくれたのである。
私にとっては久しぶりの映画館。
そして、初のIMAXシアターで、鑑賞して来ました。
画面が近い。音が大きい(のでちょっと耳をやられた)。
画面の大きさや解像度については、映画館自体が久しぶりすぎたので昔の映画館(のスクリーン)との比較ですが、印象としては色がくっきりしていていわゆるコントラストが強いと感じました。普段からPCモニタもスマホ画面も輝度をかなり下げているので、それと比べて強いと感じるだけで、常日頃から明るい画面を見ている人にとっては大した違いはないのかもしれません。
劇場全体を包み込むような音響設備と、目の前に迫り来るように映し出される大画面は、想像以上に集中力を高めてくれるように思います。
冒頭に登場するリンゼイ・ケンプや、おそらく初出し映像のジェフ・ベック(でも顔はあまり映らないのは、許可がおりるギリギリだったのか…)とか、ハンザスタジオの写真では端にひっそりロバート・フリップが写っていたり、わかる人にはわかるものの、わからない人にはわからない写真や映像が盛りだくさん。数々のインタビューやライブの映像が音源が、時間軸も話題もバラバラに複雑にコラージュされ、それを脳内でつなぎ合わせる作業をし続ける二時間強。
映画館という空間で、目の前の映像と場内に響き渡る音楽に集中しているからこそ、どうにかなるものの、しかし、それはそれでとても疲れる時間でもありました。
最後の最後のクレジットまでも集中力が切れなかったのは、あまり前情報を入れないまま初IMAXでの鑑賞を選んだおかげだろうか。
本当に、これだけの権利関係をクリアするのは大変だったことだろう…
と、今はそういうことも気に掛かる。
映画館という空間で、目の前の映像と場内に響き渡る音楽に集中しているからこそ、どうにかなるものの、しかし、それはそれでとても疲れる時間でもありました。
最後の最後のクレジットまでも集中力が切れなかったのは、あまり前情報を入れないまま初IMAXでの鑑賞を選んだおかげだろうか。
本当に、これだけの権利関係をクリアするのは大変だったことだろう…
と、今はそういうことも気に掛かる。
非常に丁寧に、そして、一方的な理解を押し付ける感じもなく、ドキュメンタリーとして本当によくできていると思いました。全く興味がない人が見たら、David Bowieに興味をもってくれるんじゃないかなと、そんな気がしました。
ライブ会場にいるかのような音楽(sound)と、David Bowieという人がこれまで、どんなことをしてきたのか、ということを、David Bowieがその時々にどう思いながら、どう表現してきたのか、どんな言葉で語ってきたのかを、インタビュー音源と絵や彫刻や映像とコラージュし、それをDavid Bowieの楽曲で包み込む。David Bowieの宇宙(世界よりもっと広い感じ…)がそこにある。
そんな映画でした。
そんな映画でした。
そして…
1回目からほどなく、Bowieファンの友人に誘われ、別の映画館のIMAXシアターにて2度目鑑賞。
1度目に見逃したところをチェックしたり、逆に、うっかり音に聞き入って見逃したりと、これは、自宅でテレビや配信などで観るのは至難の技かもしれない、と感じました。
2度目で思ったのは、インタビュー音源に映像が被っているところとライブがコラージュされているところの字幕が、歌詞だったりインタビューだったりがつぎはぎになるので、(歌詞なのかインタビューの声なのか)分かっていないと混乱するのではないだろうか…、ということでした…。
むしろよく分かってない人の感想を聞いてみたい…。
と、いうわけで、2度の鑑賞でかなーり満足しました。
欲を言えばDolby Atmosでも観てみたいかなぁ、とは思いますが。
そして、映画を見てから、監督のインタビューや初日舞台挨拶やトークイベントの情報を調べてみたところ、(評論家などの)第三者が語るドキュメンタリーは作りたくない、と、生前の本人との打ち合わせで言われていたという話をしていらっしゃったようです。
使われている音楽も、映像も、絵や彫刻、そして語りも、全てDavid Bowie本人、という、かなーり特殊なドキュメンタリー映画。
ライブ会場にいるような、体感する映画を作りたかった、とそのような表現をされていたのですが、劇場での大画面と大音響はライブを体験したことがある者にはその通りに感じられ、改めて、素晴らしい映画だなと思いました。
IMAX上映は終了してしまったところが多いようですが、まだ、一部映画館では上映されているようですので、未見の方、ぜひとも映画館での鑑賞をオススメします。
目の前の画面に集中し、全体に包み込まれるような大音響で、David Bowieの声や音楽に包まれる時間を過ごしてみてください。
そうそう。
「日本での劇場公開」も契約に入っていた、というお話もされていました。
日本での劇場公開時期が遅れたのは、日本語字幕をつける必要があったからだろうと思います。「吹き替え」という手段は、David Bowie本人の声である意味が損なわれてしまうのでありえないですし、字幕なしではとうてい理解がおいつきません…(英語に堪能な方なら問題ないのでしょうけれど)。
これは…、やはり字幕付きのパッケージ版が欲しいところ。…