何も習わずにCyber Planeを操縦すると、おそらくほとんどの人はなんらかのかたちでストールを経験すると思います。
私自身、FSXでよく経験したのは、ランディングアプローチでスピードを落としすぎて失速するパターンです。このようなストールは、Power-off stallと呼ばれます。特にボーイング747のランディングでは、慣れるまでとても苦労しました。飛行機の操縦がクルマと決定的に異なり、初心者にとって難しく感じるのは、まさにこの点においてだと思います。
もうひとつ多く経験したパターンは、IL-2で空戦をしているときの、急激な旋回操作による失速です。これは、Accelerated Stallと言われます。戦闘機におけるドッグファイトのような強いGがかかるマニューバをパイロットが意図した時、それが機体の強度限界を超えるような場合には、この失速特性があるからこそ、空中分解を逃れることができます。したがって安全上はとても重要な特性です。しかしパイロットが、操縦する機体における運動特性を把握できずに自ら失速していては、ドッグファイト以前の問題ですねヾ(ーー )。
最後は、Power-on stallと呼ばれるストールです。これは、テイクオフ時に発生しやすいことからDeparture stallとも言われます。例えばIL-2で空母からテイクオフをした際に、まだ十分スピードがつかないうちにうっかり右旋回をした時に経験することが多いパターンです。単発プロペラ機は右旋回と左旋回で運動特性が異なり、コクピットから見て右にプロペラが回る場合は右旋回の方がバンクが深くなる傾向にあります。その結果、横滑りを起こし、左の翼がボディの陰となって失速を起こすものです。Cyber Planeにおいても、左旋回では明らかに起き難いことが体感できます。
ストールには、これら3つのパターン以外にも、Gliding turn stallやCross control stall等、さらに細かい種類があるようですが、基本的にはPower-off stallの一種であり、経験的にもCyber Planeにおいては上記の3つのパターンによるストールがほとんどだと思います。
それぞれのパターンをIL-2 Seafireで再現してみました。
ご覧のように、3つめのDeparture stallは高度が低いところで発生する場合が多いので、リカバリーが困難になります。離陸時には、不用意に右旋回をしないことが大切です。また1つめのPower-off stallも、ランディングアプローチ中に起こすと、リカバリーのための高度が不足している場合が多く、やはりたいへん危険です。だからこそ、ランディングは難しいのですね。
また、WW2の単発レシプロ戦闘機では、ほとんどストール≒スピンと言ってもよいくらい、ストールからスピンへの移行が速いことが分かると思います。スピンが始まると、さらに回復の困難なフラットスピンに移行していきますので、リカバリーできずに墜落するリスクが高まります。
次回は、スピンに移行してしまう前に、これらのストールから回復させるための方法について共有したいと思います。
私自身、FSXでよく経験したのは、ランディングアプローチでスピードを落としすぎて失速するパターンです。このようなストールは、Power-off stallと呼ばれます。特にボーイング747のランディングでは、慣れるまでとても苦労しました。飛行機の操縦がクルマと決定的に異なり、初心者にとって難しく感じるのは、まさにこの点においてだと思います。
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YouTube: IL-2 Seafire power-off stall
もうひとつ多く経験したパターンは、IL-2で空戦をしているときの、急激な旋回操作による失速です。これは、Accelerated Stallと言われます。戦闘機におけるドッグファイトのような強いGがかかるマニューバをパイロットが意図した時、それが機体の強度限界を超えるような場合には、この失速特性があるからこそ、空中分解を逃れることができます。したがって安全上はとても重要な特性です。しかしパイロットが、操縦する機体における運動特性を把握できずに自ら失速していては、ドッグファイト以前の問題ですねヾ(ーー )。
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YouTube: IL-2 Seafire accelerated stall
最後は、Power-on stallと呼ばれるストールです。これは、テイクオフ時に発生しやすいことからDeparture stallとも言われます。例えばIL-2で空母からテイクオフをした際に、まだ十分スピードがつかないうちにうっかり右旋回をした時に経験することが多いパターンです。単発プロペラ機は右旋回と左旋回で運動特性が異なり、コクピットから見て右にプロペラが回る場合は右旋回の方がバンクが深くなる傾向にあります。その結果、横滑りを起こし、左の翼がボディの陰となって失速を起こすものです。Cyber Planeにおいても、左旋回では明らかに起き難いことが体感できます。
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YouTube: IL-2 Seafire departure stall
ストールには、これら3つのパターン以外にも、Gliding turn stallやCross control stall等、さらに細かい種類があるようですが、基本的にはPower-off stallの一種であり、経験的にもCyber Planeにおいては上記の3つのパターンによるストールがほとんどだと思います。
それぞれのパターンをIL-2 Seafireで再現してみました。
ご覧のように、3つめのDeparture stallは高度が低いところで発生する場合が多いので、リカバリーが困難になります。離陸時には、不用意に右旋回をしないことが大切です。また1つめのPower-off stallも、ランディングアプローチ中に起こすと、リカバリーのための高度が不足している場合が多く、やはりたいへん危険です。だからこそ、ランディングは難しいのですね。
また、WW2の単発レシプロ戦闘機では、ほとんどストール≒スピンと言ってもよいくらい、ストールからスピンへの移行が速いことが分かると思います。スピンが始まると、さらに回復の困難なフラットスピンに移行していきますので、リカバリーできずに墜落するリスクが高まります。
次回は、スピンに移行してしまう前に、これらのストールから回復させるための方法について共有したいと思います。