幻の銘酒

「荷物で～す」
慌てて出る、「ん？」
酒だった、送り主は「おいらより３年後輩なのにおいらと一緒に卒業した」変な後輩
なぜかＵＨＦハンディートランシーバーが同梱「？」

昼休み時期を狙い電話
「銘酒が送られてきたぞ」
「ああ、下仁田ネギのお礼です」
「なるほど、ところでトランシーバーは？」
「はい、４３０のハンディーです」
「還暦を迎えた貧しい自営業者へのプレゼントってか？」
「まあ、そんなとこです」

「越之寒梅」飲んでみた
「美味い」・・・気がする
だが、寒梅を見ると思い出す

かつて数十年昔、新潟営業所勤務のころ
営業担当者と客を接待した時の事だ

「ま、どうぞ」
「おお、寒梅ですか」
「あ、わかります？」
「いやあ、この透明感が、何とも」
「やっぱり違うでしょ、寒梅？」
順調な席だった、あのオバカ仲居の一言までは

「あ、すいません、さっきの寒梅、間違いでした、あれ正宗でした・・」
何とかフォローした

だが、あの一件以降トラウマ、利き酒には全く自信がなくなった

soWhatだ・・・美味い、気がする、とだけ言っておこう・・・over