みなとニュース(そろばん)

みなとは神戸市兵庫区で1951年に誕生し、現在神戸市兵庫区に2教場、神戸市北区、篠山市住吉台に教室があります。

なぜパソコンを使って練習するか

2005年04月16日 | 教育について
 よく「なぜそろばんなのにパソコンを使って練習するんですか」という質問を受かることがあります。そのつどいろいろと説明をするんですが、このことに関してすばらしい記事を発見しました。教育界のコンピュータ情報誌である{NEW教育とコンピュータ」2005年5月号に100マス計算でおなじみの広島県尾道市立土堂小学校校長の陰山英男先生が書かれている文章です。
 「進め!」教師道というシリーズの中でのコラムですが、その中で陰山先生がそろばんを絶賛しています。以下に抜粋してみます。

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圧倒的な計算力をつける「そろばん」はパソコンと相性抜群
 今、土堂小学校では1年生にかなりの時間をとってそろばんの指導をしています。「え?、1年生にそろばんなんてやらせるの?」と言われそうですが、これが効果抜群なんですよ。
 僕は自分の講演会で、よく参加者に「百ます計算」をやってもらうんですが、必ずなぜか数人、ものすごく早く終わってしまう人たちがいました。聞いてみると、その方たちは皆さん、そろばん経験者だったんです。子どもでも、そろばん教室に通っている子は、やっぱり速い。圧倒的な計算力です。そういう子どもは、ほかの子どもよりも落ち着いているというか、しっとりしています。自分に自信があって、成長しているということが何かオーラみたいなものになって出てきている、そんな感じでした。そろばんには他の教具にはないシンプルさがあります。十進法というものを、非常にうまく体現した道具で、迷いのない道具なんですね。そして何より、そろばんの計算力は、「百ます計算」よりも上です。取り入れないのはもったいない。
 そこで先日、横浜のそろばん塾と土堂小学校をテレビ会議システムでつなぎ、そろばん塾の先生に1年生を指導してもらう、という授業を行いました。
 この実践で一番面白かったのは。そろばん指導が僕たちの時代から確実に進歩しているということです。そろばんが停滞・低迷してきた原因は、実はそろばん界全体が旧態依然としたものから、時代に合わせた進歩というものをやって来なかったことにあるんじゃないかと思います。
 というのも、今、確実に塾生を集めて効果的な指導をしているそろばん塾というのは、どこもみんなパソコンを使って指導をしているんです。映像やイメージそのものを自在にコントロールし、繰り返し学習ができるというパソコンの特性が、そろばん指導と極めて相性がよいということを早くから見抜いていたのでしょう。
 教員にもそろばん経験者がどんどん少なくなっています。でも、パソコンを活用することによって、今まで公立小学校でうまく教えられなかったそろばん指導の可能性が生まれてきました。そして、そのことにより、そろばんが本来持っている、イメージや圧倒的な計算力、そういうものをどの子どもにも身につけさせる可能性が見えてきたと思います。
 そろばんという非常に古典的でアナログな教具が、パソコンという最新鋭の道具によって、その輝きを再び帯びてきた。その驚きと感激をとても強く感じます。
(以上NEW教育とコンピュータ2005年5月号より)

 どうです、塾ではなく小学校の校長先生、しかも最近ではマスコミに取り上げられる回数も多く、教育界のカリスマ的な存在の先生がそろばん+パソコンを絶賛しています。この通りだと思います。私も同様のことを常に言い続けてきました。
 私は阪神大震災よりもはるか前、20年以上前からそろばん塾にパソコンを導入してきました。今となってはパソコンのないそろばん教室など考えられません。そろばんだけで指導する古典が悪いとは言いません、しかし、それにしがみついていては進歩がありません。子どもだってかわっているんです。そろばんも変わらなければ。

ゆとり教育のせいにしないで下さい

2005年04月14日 | 教育について
 子どもの学力低下が言われてもうずいぶんになります。その責任は「ゆとり教育」だということをよく言われますが、本当にそうでしょうか、私はそれも一つの原因ではありますが、そんなことよりなにより親の責任のほうが大きいのではないかと思っています。
 私が子どものころ(40年前くらい)はほとんどの子どもが小学校時代には学習塾には行っていませんでした。行っていたのはお習字とソロバンくらいのものでした。でも今の子どもたちってかなりの子どもたちが学習塾に行っています。高学年になって行っていない子の方がはるかに少ないのではないでしょうか、子どもにかける学習費用という点から考えても昔と今では比較にならないぐらいに今の方が高くなっているのです。、それなのになぜ学力低下が起こっているのか、学校での学習時間は確かに減ってはいますが、学習塾などとのトータルの学習時間は増えています。なのになぜ学力低下がおきているのでしょうか、これは「たし、ひき、かけ、わり」などの基礎となる計算の練習時間の大幅な減少がもたらしていると思います。これらは本来学校だけではなく、家庭学習の基本であったはずです。学校でやったことの反復を家庭でやることにより伸びたのです。その仲にはそろばん塾の存在というのもありますが、まず家庭でした。それを放棄して「塾にいれたら勉強できるようになる」という安易な考えでとにかく塾に入れようとすることが子どもをだめにしているのではないでしょうか。
 学力低下の元凶は親の責任です。

級をとることが目的ではありません

2005年04月11日 | 教育について
 ソロバンをがんばっていて3級や2級、もっと上の1級に合格するととてもうれしいものです。でも級に合格することが目的ではないのです。級は「自分がどれぐらいがんばったか」を知るための目安です。私は毎月の塾内試験のあとで「試験は点数だけをみてはだめ、たとえ合格点あったとしても、間違った問題はどのような問題で、どうしたらもっと良い点数になるか、なぜ不合格だったか、それを自分で発見することで上手になるんです」といいます。「次の試験で合格するためにはどうしたらいいのか、なにを勉強するのか」これを学ぶことが学習だと思います。こうしてできた力はソロバンだけではなくほかのことでも生かせます。イチローが子どもの時にソロバンを習っていて良かったというのもこのような理由からだと思います。

神戸珠算協会会員として

2005年04月01日 | 教育について
 私は神戸珠算協会の会員です。神戸珠算協会というのは創始100年を越えた日本でも屈指の歴史と実績を誇るそろばん団体です。会員は研修を重ね、ソロバンの普及促進に努力しています。神戸商工会議所の珠算検定の検定委員を務めたり、小学校におけるソロバン指導講師として学校でソロバンを指導なども行います。
 ソロバンは誰でもできる、だからこそ、指導者は勉強していくことが大切であると考えています。私たちは努力を怠りません。