先日、散歩中にふと立ち止まった木で、夏らしい光景を見つけました。木の幹にしっかりと貼り付いているのは、抜け殻です。
この写真に写っているのは、セミの抜け殻でしょう。鮮やかなオレンジ色がかった茶色で、まだ新しさを感じさせます。幹の表面に生えた苔や地衣類とは対照的に、生命の営みの痕跡をくっきりと示しています。
セミは土の中で長い幼虫時代を過ごし、夏のわずかな期間だけ地上に出てきます。そして、成虫になるために脱皮をします。この抜け殻は、まさにその劇的な変化の証。ここから飛び立ち、あの賑やかな鳴き声を響かせているのかと思うと、生命の力強さに感動を覚えます。
夏本番、セミの声が一段と大きくなる季節です。私たちの目には見えないけれど、こうして着実に命が循環していることを教えてくれる、小さな夏の足跡でした。皆さんも、ぜひ周りの木々に目を向けてみてください。もしかしたら、そんな夏の足跡を見つけることができるかもしれませんよ。