和泉市職員労働組合blog~地域住民と働くなかまの幸せを願って~

憲法違反の「有識者会議」報告書は撤回せよ-憲法会議が声明

声明 我が国の防衛戦略の基本的姿勢を表わす「専守防衛」を根本的に否定し、「戦争する国」・「軍事大国」へと突き進ませようとする憲法違反の「有識者会議」報告書は撤回せよ

防衛力強化のあり方を提起する「国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議」は11月22日、岸田首相への提言となる報告書を提出しました。戦後の日本の防衛政策の抜本的な転換を求める報告書は、9月30日からわずか2カ月、4回の議論の結果、取りまとめられました。わずかな審議で、我が国の防衛戦略の基本的姿勢を表わす「専守防衛」をも、根本的に転換させ、「戦争する国」・「軍事大国」へと突き進ませようとするものです。憲法9条が謳う「戦争の放棄」「戦力不保持・交戦権否認」とは真逆な方向に、我が国の軍事態勢を転換させようとするもので、憲法に反する暴論を、国会での議論さえ行わず、政府が主導して述べることは断じて許されません。

しかも報告書には「平和外交」等の重要性についての論究は全くありません。軍拡では他国との緊張を高め、更なる軍拡の連鎖を生むことになります。軍拡で平和な世界を築くことはできません。日本に求められていることは、憲法9条を持つ国として徹底した平和外交に取り組むことです。

報告書は、日本を取り巻く安保環境の厳しさを殊更に強調し、防衛力の5年以内の抜本的強化を何度も強調しています。そして、相手のミサイル発射基地などをたたく敵基地攻撃能力=「反撃能力」の保有は不可欠だとして、敵の射程圏外から攻撃できる国産の「スタンド・オフ・ミサイル」や外国製ミサイルによって、今後5年を念頭にできるかぎり早期に十分な数のミサイル配備を求めています。もし「敵基地攻撃能力」を行使することになれば、それは憲法違反・国際法違反の「先制攻撃」であり、全面戦争の危険性も生じます。多くの国民が不安に思っていますが、その危険性の指摘は全く見当たりません。報告書全体でも国民の様々な疑問と懸念に応える議論の跡は全くうかがえません。一方で、外国製のミサイルの購入を含め、政府が見切り発車で米政府に打診した、巡航ミサイル「トマホーク」の導入にお墨付きを与えるものでしかありません。

また、報告書では、「防衛産業は防衛力そのもの」として、防衛産業の育成と強化を強調しています。「防衛装備品の海外移転と一体で考えていく必要がある」と、防衛産業が投資を回収できるようにするために「防衛装備移転三原則及び同運用方針等による制約をできる限り取り除き」と武器輸出を求めています。

さらに、防衛力強化を支える財源の確保策について、報告書は、他の予算を削る歳出改革を優先したうえで、「足らざる部分を国民全体で」、「幅広い税目による負担が必要なことを明確にして理解を得る努力を行うべきだ」として、増税を含めた国民負担の必要性を盛り込んでいます。個別の税目はあげなかったものの、法人税以外の増税の必要性を明確に打ち出したものです。しかし、この防衛力強化は、米国の国際戦略に追従して戦争するために打ち出されたものであり、物価高で苦しむ国民に「軍事費のための増税」の押し付けは到底許されるものではあれません。

「先制攻撃」ができるようにする危険なこの報告書を撤回し、また年末の安保3文書の改定に向けた議論を中止し、日本国憲法に基づく「平和外交」を踏まえた安全保障政策を国会の場で検討することを強く要求します。武力対武力でなく、外交と対話によってこそ平和が実現するという立場から、この問題でも憲法蹂躙に反対し守り生かすことを強く主張するものです。

2022年11月29日 憲法会議(憲法改悪阻止各界連絡会議

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℡03 3261 9007 Fax03 3261 5453 メールアドレス: mail@kenpoukaigi.gr.jp
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