2013年5月13日
大阪自治体労働組合総連合
婦人部長 松元 佐智子
「日本維新の会」共同代表の橋下徹大阪市長は5月13日の記者レクチャーにおいて、旧日本軍「慰安婦」問題について「銃弾が雨嵐のごとく飛び交う中で命をかけて走っていくときに、精神的にも高ぶっている猛者集団をどこかで休息させてあげようと思ったら、慰安婦制度は必要なのは誰だってわかる」などと述べ、さらに踏み込んで女性の人権を踏みにじる発言をしたことに対し、真の男女平等をめざし運動をすすめている大阪自治労連婦人部として驚きと強い怒りを感じ、強く抗議します。
橋下市長は、「なぜ、日本の慰安婦だけが世界的に取り上げられるのか」「2007年(第一次安倍内閣の)閣議決定ではそういう証拠がないとなっている」とし、日本が不当に侮辱を受けている、とまで言い放ちました。
日本軍「慰安婦」問題の真の解決は、元「慰安婦」にされた女性たちの勇気ある訴えに対して日本政府が過去の歴史に目をそむけることなく、謝罪・補償することです。国内でも運動が広がり地方議会からも国に向けての意見書の採択が上がり、2010年の9月議会で大阪市会は、日本政府にたいして「慰安婦問題の早期解決を求める決議」をあげています。それが大阪市会の総意であり、市民の良識です。私たち自治体に働く女性たちは、医療労働者として住民の命を守り、保育・学童保育労働者として子どもの成長をねがい、住民の悩みや要望を聞きながら人権の保障を行うことを業務として、それに働きがいを見出しています。だからこそ、今回の橋下市長の暴言は決して許せるものではありません。
「反省とお詫びを」と言う一方で「戦時における性暴力」を「時代が時代だった」と肯定する橋下市長の度重なる暴言は、大阪市政の先頭に立つ市長として、また、日本の政治家としても、根本からその資格が問われています。府政・大阪市政の首長として、この間、男女共同参画施策を後景に追いやってきたことと軌を一にしています。橋下市長には、男女平等の視点がなく、「女性の権利は人権」と謳った第4回世界女性会議の宣言を真っ向から否定するものです。人権を踏みにじられ、一生を台無しにされた元「慰安婦」の方たちの声にも耳をふさぎ、持論の展開に終始している橋下市長の暴言に強く抗議し、撤回を求めます。
また、歴史認識を真摯にただすとともに、旧日本軍「慰安婦」とされたみなさんの人権を二重にも、三重にも踏みにじったことへの謝罪を強く求めます。
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