■就任36年 三度目の正直
優勝を告げる笛を聞いた瞬間、前橋育英の山田監督は両肩の力をすっと抜いた。「ほっとした」。就任36年目、3度目の決勝で手にした初めての選手権の戴冠(たいかん)。直後のお立ち台では、安堵(あんど)の末に湧き上がってきた喜びに声を詰まらせた。「選手が一生懸命やってくれた」。感涙にむせんだ。
指導の根幹を「サッカーを通しての人間形成。いい選手は人間的にも素晴らしい」という。
県外からの進学者が増えたここ10年は、家族と離れて生徒とともに寮生活し、「怒るのはサッカー以外がほとんど」と、生活の乱れに目を光らせる。
長崎・島原商で、選手権を6度制した小嶺監督(現長崎総合科学大付監督)の指導を受けた。一人一人の選手と真摯(しんし)に全力で向き合う姿は、師と重なる。今回の優勝で一歩近づいたが、「偉大すぎて背中も見えない」。常におごらない姿勢が、生徒に慕われる一因だ。
昨年4月から校長に就任。練習に顔を出せる時間が減った一方、「選手が自立してきた」と精神面の成長に目を細めた。過去に50人以上のJリーガーを輩出してきた名将が、初めて宙を舞った。(小川寛太)
「産経新聞 2018年1月9日掲載」
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180109-00000059-san-socc
優勝を告げる笛を聞いた瞬間、前橋育英の山田監督は両肩の力をすっと抜いた。「ほっとした」。就任36年目、3度目の決勝で手にした初めての選手権の戴冠(たいかん)。直後のお立ち台では、安堵(あんど)の末に湧き上がってきた喜びに声を詰まらせた。「選手が一生懸命やってくれた」。感涙にむせんだ。
指導の根幹を「サッカーを通しての人間形成。いい選手は人間的にも素晴らしい」という。
県外からの進学者が増えたここ10年は、家族と離れて生徒とともに寮生活し、「怒るのはサッカー以外がほとんど」と、生活の乱れに目を光らせる。
長崎・島原商で、選手権を6度制した小嶺監督(現長崎総合科学大付監督)の指導を受けた。一人一人の選手と真摯(しんし)に全力で向き合う姿は、師と重なる。今回の優勝で一歩近づいたが、「偉大すぎて背中も見えない」。常におごらない姿勢が、生徒に慕われる一因だ。
昨年4月から校長に就任。練習に顔を出せる時間が減った一方、「選手が自立してきた」と精神面の成長に目を細めた。過去に50人以上のJリーガーを輩出してきた名将が、初めて宙を舞った。(小川寛太)
「産経新聞 2018年1月9日掲載」
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180109-00000059-san-socc