前回までのルート:
1日目 (静岡→戸田公園→高崎→越後湯沢→石打)
2日目 (石打→青海川→新潟→新発田→新津→新潟→(府屋往復+村上往復)→新潟)
3日目 (新潟→)直江津→新潟

T17編成の「くびき野」で新潟まで戻ってきました。
時刻は12時を少し回ったところですが、これから札幌に戻らなければなりません。次の列車で新潟を離れます。
次に乗る列車の名前は、「いなほ5号」――新潟~秋田をフルで駆け抜ける、1日3本しかないうちの一本です。車両はもちろん485系。485系めぐりの最後を締めくくるにはこれ以上なくふさわしい列車です。
さて、ここでもう一度、「いなほ」「北越」に使われる485系について整理しておきましょう。
『新ニイ』こと新潟車両センターにいる485系は、リニューアル車3000番台で構成されるR編成が7本(R21~R28・R24編成は欠番)、1000番台を中心として原形を残すT編成8本(T11~T18)とK編成2本(K1・K2)。全て6両編成で、新潟駅基準で東側の先頭車は半室グリーン車のクロハ481となっています。このほか、R編成の増結ユニット2両と、「きらきらうえつ」(4両1本)「NO.DO.KA」(3両1本)という2つのジョイフルトレインがあります。
特急の「いなほ」「北越」は、基本的にR編成とT11~T15編成がその任に当たります。T16・T17編成は快速「くびき野」専属、T18編成とK編成2本は定期運用には入らず、臨時や団体輸送に入ります。「いなほ」「北越」の予備編成としても機能しています。
「いなほ」「北越」は方向は違うものの、編成が同じなため共通の運用が組まれています。12編成(T18・K1・K2編成を含めれば15編成)あるうち、「らくらくトレイン信越」「らくらくトレイン村上」「おはよう信越」の間合い運用も含めて10編成を使用します。「いなほ」で最も距離が長い列車は新潟~秋田(営業キロ273.0km)を約3時間半、「北越」も新潟~金沢(営業キロ313.5km)を約3時間半で結んでいるため、数日がかりの大きな運用が組まれています。
しかし、9月末から元「フレッシュひたち」のE653系が「いなほ」に投入されることが決定。「白鳥」のダイヤを継ぐ「いなほ7号」(新潟15:33→秋田19:14)・「いなほ8号」(秋田9:10→新潟12:57)から置き換えが始まることになりました。現在は2編成しかないので1往復だけですが、8本あるE653系7両編成が順次「いなほ」から485系を追い出す予定です。「北越」に至っては列車廃止の可能性もあります。いずれにしろ485系の廃車は避けられません。
さしあたって廃車になるのはT編成でしょう。本数もE653系と同じですし、原型車だけに(R編成に比べると)リニューアルもあまり進んでいません。K編成も同じ条件ですが、首都圏乗り入れ用のATS-Pとデジタル無線が付いているので、T編成より先に廃車される可能性は低いです。これは、K編成が青森にいた元「はつかり」用車両で、「ムーンライトえちご」で使用するために転属してきたからです。T18編成も「ムーンライトえちご」に使われることがあるため、ATS-Pとデジタル無線が付いています。この3編成はともに国鉄色で人気も高く、すぐに廃車とはならないでしょう。
というわけで、今回の旅行での優先度は、T11~15編成(特急運用離脱が間近)>T18・K1・K2編成(乗れることすらレアだが、廃車の可能性はT編成に比べると低い)>T16・T17編成(「くびき野」専属なのでエンカウント率は高い)>>>(越えられない壁)>>>R編成(E653系全投入後も絶対残る)という順となっていました。
12時9分。時間的には、12時29分発の「いなほ7号」に使用される編成が到着してもおかしくないころです。

完全共通運用の「いなほ」は、13編成のどの編成が来てもおかしくありませんが、先程「くびき野」で新潟まで来る途中、上沼垂でT編成が大量にとまっているのを見かけました。これらのどれかである確率は高いでしょう。

一方、白山側にある留置線には国鉄色の485系が停車していました……って、もしかしてこっちに近づいてきてる?

ホームに差し掛かったあたりで、ようやくT18編成だとわかります。ヘッドマークは既に「いなほ」の幕に切り替わっています。

……ということは。

なんと、定期運用で入るはずのないT18編成が、485系の旅の最後を飾ることになりました!

国鉄色で、唯一の1500番台(原型)車両をもつT18編成。その貴重度は今更言うまでもないでしょう。うれしい反面、T12・T13・T17編成以外のT編成には出会えず、旅の目的を考えれば一抹の寂しさを覚えます。R編成じゃなくてよかったとだけ思いましょう。

「いなほ5号」は2番線。T18編成で間違いないようです。






先頭のクロハ481-1029から側面外観。

床下も撮影(写真はモハ484-1082)。『走る変電所』の別名を持つ485系は屋根上も床下も機器でいっぱいです。特に床下の重厚さは国鉄型ならではのものです。

新潟駅万代口駅舎と並ぶT18編成。

6両と短いものの、国鉄の面影を大きく残します。

国鉄フォントの「特急いなほ 秋田」。E653系の置き換えで、あと2・3年で見られなくなります。(R編成はLED表示)


2つ目ライトが目立つ6号車・クハ481-1508。





5号車から1号車までホーム側の側面外観。ホームの柱の都合で、3号車のみ逆方向からの撮影です。

クロハ481-1029の普通車とグリーン車の境。右側がグリーン車、左側が普通車(指定席)です。窓配置は左右で変わりませんが、室内の雰囲気の違いは外からでもわかります。
最後の485系なので、室内もしっかり見ておきましょう。



まずは1号車・クロハ481-1029の半室グリーン車。16席のうち半分ほどが埋まっていました。


続いて1号車後方の半室普通車。ここから3号車までが指定席です。いい乗車率です。


2号車・モハ484-1082。1号車に比べると全室なせいか空いて見えます。


3号車・モハ485-1082も同様です。

4号車からは6号車までは自由席です。


4号車・モハ484-1074。5割ほどが埋まっています。


5号車・モハ485-1074。座席は簡易リクライニングを残したタイプですが、4号車より乗車率は高めです。

最後尾のクハ481-1508は、入口の扉がピンク色に塗装されています。これは、「ムーンライトえちご」(K編成が入るのが普通で、T18編成は予備扱い)として運用されるときに女性専用車となるからです。


1500番台といえど、中は1000番台と変わることはありません。最後尾なせいか乗車率も低めです。
写真を撮った後、「いなほ7号」に接続する最後の新幹線・「Maxとき317号」(新潟12:17着)が到着したため、乗客模様は大分変化しました。最終的には指定席が5割前後・自由席は7割前後となりました。

ドアステップ。485系は床下に機器を詰め込んだ関係で床面高さが1235mm(普通の電車で1100mm)となっていますが、485系の投入された地域ではまだ普通列車に客車列車が残っていた(特に北陸と東北)ため、ホームの高さが客車に合わせた920mmとなっていました。そのため、485系もその高さに合わせたステップをつけることで対応しています。最近は新型車両に合わせて底上げするケースも少なくありませんが、「いなほ」の走る羽越本線ではそういった工事はしていません。
……そういえば、新潟駅が高架化したらホームは920mmになるのか?

「ムーンライトえちご」用に残る案内表示……だと思うのですが、剥がれすぎて全く読めません。

「Maxとき317号」からの客の流れも落ち着き、12時29分の発車を待つのみとなりました。

今回券が取れた場所は3号車10番A席。つまりは日本海側! 心置きなく「いなほ7号」の3時間半を楽しめそうです。

12時29分。私を乗せた「いなほ7号」は定刻通り、新潟駅を後にしたのでした。
写真が多かったため、乗車パートは次回に回します。
長かったシリーズも、あと2回の予定です。
1日目 (静岡→戸田公園→高崎→越後湯沢→石打)
2日目 (石打→青海川→新潟→新発田→新津→新潟→(府屋往復+村上往復)→新潟)
3日目 (新潟→)直江津→新潟

T17編成の「くびき野」で新潟まで戻ってきました。
時刻は12時を少し回ったところですが、これから札幌に戻らなければなりません。次の列車で新潟を離れます。
次に乗る列車の名前は、「いなほ5号」――新潟~秋田をフルで駆け抜ける、1日3本しかないうちの一本です。車両はもちろん485系。485系めぐりの最後を締めくくるにはこれ以上なくふさわしい列車です。
さて、ここでもう一度、「いなほ」「北越」に使われる485系について整理しておきましょう。
『新ニイ』こと新潟車両センターにいる485系は、リニューアル車3000番台で構成されるR編成が7本(R21~R28・R24編成は欠番)、1000番台を中心として原形を残すT編成8本(T11~T18)とK編成2本(K1・K2)。全て6両編成で、新潟駅基準で東側の先頭車は半室グリーン車のクロハ481となっています。このほか、R編成の増結ユニット2両と、「きらきらうえつ」(4両1本)「NO.DO.KA」(3両1本)という2つのジョイフルトレインがあります。
特急の「いなほ」「北越」は、基本的にR編成とT11~T15編成がその任に当たります。T16・T17編成は快速「くびき野」専属、T18編成とK編成2本は定期運用には入らず、臨時や団体輸送に入ります。「いなほ」「北越」の予備編成としても機能しています。
「いなほ」「北越」は方向は違うものの、編成が同じなため共通の運用が組まれています。12編成(T18・K1・K2編成を含めれば15編成)あるうち、「らくらくトレイン信越」「らくらくトレイン村上」「おはよう信越」の間合い運用も含めて10編成を使用します。「いなほ」で最も距離が長い列車は新潟~秋田(営業キロ273.0km)を約3時間半、「北越」も新潟~金沢(営業キロ313.5km)を約3時間半で結んでいるため、数日がかりの大きな運用が組まれています。
しかし、9月末から元「フレッシュひたち」のE653系が「いなほ」に投入されることが決定。「白鳥」のダイヤを継ぐ「いなほ7号」(新潟15:33→秋田19:14)・「いなほ8号」(秋田9:10→新潟12:57)から置き換えが始まることになりました。現在は2編成しかないので1往復だけですが、8本あるE653系7両編成が順次「いなほ」から485系を追い出す予定です。「北越」に至っては列車廃止の可能性もあります。いずれにしろ485系の廃車は避けられません。
さしあたって廃車になるのはT編成でしょう。本数もE653系と同じですし、原型車だけに(R編成に比べると)リニューアルもあまり進んでいません。K編成も同じ条件ですが、首都圏乗り入れ用のATS-Pとデジタル無線が付いているので、T編成より先に廃車される可能性は低いです。これは、K編成が青森にいた元「はつかり」用車両で、「ムーンライトえちご」で使用するために転属してきたからです。T18編成も「ムーンライトえちご」に使われることがあるため、ATS-Pとデジタル無線が付いています。この3編成はともに国鉄色で人気も高く、すぐに廃車とはならないでしょう。
というわけで、今回の旅行での優先度は、T11~15編成(特急運用離脱が間近)>T18・K1・K2編成(乗れることすらレアだが、廃車の可能性はT編成に比べると低い)>T16・T17編成(「くびき野」専属なのでエンカウント率は高い)>>>(越えられない壁)>>>R編成(E653系全投入後も絶対残る)という順となっていました。
12時9分。時間的には、12時29分発の「いなほ7号」に使用される編成が到着してもおかしくないころです。

完全共通運用の「いなほ」は、13編成のどの編成が来てもおかしくありませんが、先程「くびき野」で新潟まで来る途中、上沼垂でT編成が大量にとまっているのを見かけました。これらのどれかである確率は高いでしょう。

一方、白山側にある留置線には国鉄色の485系が停車していました……って、もしかしてこっちに近づいてきてる?

ホームに差し掛かったあたりで、ようやくT18編成だとわかります。ヘッドマークは既に「いなほ」の幕に切り替わっています。

……ということは。

なんと、定期運用で入るはずのないT18編成が、485系の旅の最後を飾ることになりました!

国鉄色で、唯一の1500番台(原型)車両をもつT18編成。その貴重度は今更言うまでもないでしょう。うれしい反面、T12・T13・T17編成以外のT編成には出会えず、旅の目的を考えれば一抹の寂しさを覚えます。R編成じゃなくてよかったとだけ思いましょう。

「いなほ5号」は2番線。T18編成で間違いないようです。






先頭のクロハ481-1029から側面外観。

床下も撮影(写真はモハ484-1082)。『走る変電所』の別名を持つ485系は屋根上も床下も機器でいっぱいです。特に床下の重厚さは国鉄型ならではのものです。

新潟駅万代口駅舎と並ぶT18編成。

6両と短いものの、国鉄の面影を大きく残します。

国鉄フォントの「特急いなほ 秋田」。E653系の置き換えで、あと2・3年で見られなくなります。(R編成はLED表示)


2つ目ライトが目立つ6号車・クハ481-1508。





5号車から1号車までホーム側の側面外観。ホームの柱の都合で、3号車のみ逆方向からの撮影です。

クロハ481-1029の普通車とグリーン車の境。右側がグリーン車、左側が普通車(指定席)です。窓配置は左右で変わりませんが、室内の雰囲気の違いは外からでもわかります。
最後の485系なので、室内もしっかり見ておきましょう。



まずは1号車・クロハ481-1029の半室グリーン車。16席のうち半分ほどが埋まっていました。


続いて1号車後方の半室普通車。ここから3号車までが指定席です。いい乗車率です。


2号車・モハ484-1082。1号車に比べると全室なせいか空いて見えます。


3号車・モハ485-1082も同様です。

4号車からは6号車までは自由席です。


4号車・モハ484-1074。5割ほどが埋まっています。


5号車・モハ485-1074。座席は簡易リクライニングを残したタイプですが、4号車より乗車率は高めです。

最後尾のクハ481-1508は、入口の扉がピンク色に塗装されています。これは、「ムーンライトえちご」(K編成が入るのが普通で、T18編成は予備扱い)として運用されるときに女性専用車となるからです。


1500番台といえど、中は1000番台と変わることはありません。最後尾なせいか乗車率も低めです。
写真を撮った後、「いなほ7号」に接続する最後の新幹線・「Maxとき317号」(新潟12:17着)が到着したため、乗客模様は大分変化しました。最終的には指定席が5割前後・自由席は7割前後となりました。

ドアステップ。485系は床下に機器を詰め込んだ関係で床面高さが1235mm(普通の電車で1100mm)となっていますが、485系の投入された地域ではまだ普通列車に客車列車が残っていた(特に北陸と東北)ため、ホームの高さが客車に合わせた920mmとなっていました。そのため、485系もその高さに合わせたステップをつけることで対応しています。最近は新型車両に合わせて底上げするケースも少なくありませんが、「いなほ」の走る羽越本線ではそういった工事はしていません。
……そういえば、新潟駅が高架化したらホームは920mmになるのか?

「ムーンライトえちご」用に残る案内表示……だと思うのですが、剥がれすぎて全く読めません。

「Maxとき317号」からの客の流れも落ち着き、12時29分の発車を待つのみとなりました。

今回券が取れた場所は3号車10番A席。つまりは日本海側! 心置きなく「いなほ7号」の3時間半を楽しめそうです。

12時29分。私を乗せた「いなほ7号」は定刻通り、新潟駅を後にしたのでした。
写真が多かったため、乗車パートは次回に回します。
長かったシリーズも、あと2回の予定です。
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