1 「租税債権と私債権の優先関係」の関係条文
(1) 国税徴収法
第8条 (国税優先の原則)
「国税は、納税者の総財産について、この章に別段の定がある場合を除き、すべての公課その他の債権に先だつて徴収する。」
第9条(強制換価手続の費用の優先)
「納税者の財産につき強制換価手続が行われた場合において、国税の交付要求をしたときは、その国税は、その手続により配当すべき金銭(以下この章において「換価代金」という。) につき、その手続に係る費用に次いで徴収する。」
第16条(法定納期限等以前に設定された抵当権の優先)
「納税者が国税の法定納期限等以前にその財産上に抵当権を設定しているときは、その国税は、その換価代金につき、その抵当権により担保される債権に次いで徴収する。」
(2) 地方税法
第14条 (地方税優先の原則)
「地方団体の徴収金は、納税者又は特別徴収義務者の総財産について、本節に別段の定がある場合を除き、すべての公課(滞納処分の例により徴収することができる債権に限り、かつ、地方団体の徴収金並びに国税及びその滞納処分費(以下本章において「国税」という。) を除く。以下本章において同じ。) その他の債権に先だつて徴収する。」(2015.5.16追記)
第14条の2(強制換価手続の費用の優先)
「納税者又は特別徴収義務者の財産につき強制換価手続が行われた場合において、地方団体の徴収金の交付要求をしたときは、その地方団体の徴収金は、その手続により配当すべき金銭(以下本章において「換価代金」という。) につき、当該強制換価手続に係る費用に次いで徴収する。」
第14条の10 (法定納期限等以前に設定された抵当権の優先)
「納税者又は特別徴収義務者が地方団体の徴収金の法定納期限等以前にその財産上に抵当権を設定しているときは、その地方団体の徴収金は、その換価代金につき、その抵当権により担保される債権に次いで徴収する。」
2 私債権が、租税債権に優先する場合の限度額
最近までの、「租税債権と私債権の優先関係」の法律解釈は、関係条文を見ていても、よく、読んでいなかったのです。
私が、大阪高等裁判所の滞納処分関係判例を、最高裁判所のホームページで見かけて、この判例は、どこかおかしいと感じて、「ブログ」と「ホームページ」を立ち上げて、広く、一般に、公開する形で、検討を進めてきましたが、その「OCNブログ人」及び「page on」は、廃止され、「goo ブログ」へ引っ越しをする作業まで、することとなり、かなり、手間のかかる作業も、強いられたのですが、やっと、ゴールに、近づいたようです。
関係条文をよく読んでみると、「私債権が、租税債権に優先する場合の限度額」が、「換価代金」つまり、その手続により配当すべき金銭(以下この章において「換価代金」という。)が、限度額であることが、明確になったことにより、法律解釈が、非常に、わかりやすくなったのです。
ところが、このことは、常識で、考えてもわかることだったのです。
「換価代金」、つまり、その手続により配当すべき金銭を超えて配当できないことは、常識で考えてもわかることでした。(2015.5.18追記)
そこが、「租税法律主義」であることの難しいところです。
条文として、明確な規定が、必要なのです。
3 「私債権優先の規定」に該当する私債権が、優先し、「換価代金」に、残りが、あれば、「租税債権」優先の原則により、「租税債権」に、順番が回ってくることになるのです。
このことが、わかれば、「租税債権と私債権の優先関係」を「わかりやすく理解することが、できるのです。
租税債権優先の規定は、納税者のすべての財産についての優先規定ですが、私債権優先の規定の方が、強い規定なのです。(2015.5.18追記)
関係条文をよく読んでいただくと、このことが、わかります。(2015.5.18追記)
矛盾は、ないのです。(2015.5.18追記)
「換価代金」の用語の定義が、その謎を解くカギなのです。(2015.5.18追記)
よくわからない方は、ほかのブログも参考にして、考えてください。(2015.5.18追記)
そのブログの一つを紹介しておきます。(2015.5.19追記)
私の次のブログです。
ブログとホームページの出発点である地方税法第14条の10の法律解釈について
http://blog.goo.ne.jp/shiotsusan/e/2fc7eb338935ac2143f1d8d096ba71aa
私の「page on」も、参考にしてください。(2015.5.18追記)
「page on」は、廃止されましたが、現在も、閲覧は、可能になっているようです。
参考のため、アドレスを掲載しておきます。
「最近の滞納処分判例から」
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます