吹く風ネット

冬怪談

この時期に幽霊が出てきたのであります。
頬にホクロの二つ並んだ
青黒い顔の女幽霊でありまして
彼女がトイレとか部屋の中とかを
浮かぬ顔をして往き来しているのです。
そこでぼくは除霊しようと思い立ち
伝家の宝刀である般若心経を唱えたわけです。

ところが、現実のぼくは寝ているので、
口が機能しないのでしょうね
はっきりとした言葉になって出てこない。
「マーカハンニャーハーラー」が
「ファーファーファーファー」と
なるのでありまして、それが実にもどかしく
つい意地になって何度も何度もやってみるのです。

だけど、相変わらず言葉にならず
女幽霊はいつまで経っても消えようとしない。
幽霊の横には嫁さんがいるのでありますが
きっと見えてないのでしょうね
『何やってんだ?』みたいな顔をして
ジーッとこちらを見ているのです。
その時でした。

誰かがぼくの肩をポンポンと叩くのです。
『エッ?』と振り向くと
そこには幽霊の横にいるはずの
嫁さんがいるではないですか。
『何でここに・・』と思っていると
「変な夢でも見たの?うなされてたよ」と言う。
「はぁっ?」何が何だかわからない。

それまでのことはすべて夢だった
ということがわかるまでに
ぼくの中で一分くらい、実際は一秒くらい
かかったのであります。
しかし何だったのだろう、あの女幽霊は。
もしかしたら本当にこの家に居座る
ヌシ的存在の幽霊なのかもしれない。

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