吹く風ネット

記憶違い

 仕事中に聞いているラジオ番組は、いつも昔の歌を流してくれている。そういう歌を聴くと、つい気持ちがその時代に戻ってしまい、曲が終わると何か忘れ物を取り戻したような気がして、得したような気分に浸れるものだ。

 その一方で、ちょっとした記憶違いに気づき、愕然とすることもある。
 ある時その番組のDJが、これまでぼくが小六の頃に流行ったと思っていたある歌を、中一の年に発表された歌だと紹介したことがあった。
 ぼくはその歌に関する思い出やイメージを、数十年も半ズボンの小学六年生のものとしていたので、学生服の中一時代の発表と聞かされた時には、「それは違っとるやろ」という言葉が思わず口を突いて出たのだった。
 しかしネットや資料などで調べてみても、DJの言う年代のほうが正しいではないか。これはショックだった。
「ぼくはいったいどの歌のイメージを、その曲のものとすり替えたのだろう」と思い、そのイメージ修正を余儀なくされたものだった。

 年を取るごとにこういうことが多くなっているような気がする。ぼくは現在六十代だが、もしかしたら十数年後には今流行っている歌が五十代の頃に流行ったのだと思い込み、今の状態を四十代のものとイメージするかもしれない。ということは、これを書いている今日の記憶も五十代の記憶になるということだ。

ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「日記」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事