別に『しんぶん赤旗』など読まなくても、世情に詳しい人はたくさんいるし、『しんぶん赤旗』を読んでいる人すべてが世情に詳しいわけではない。
高校の頃、よく郵便受けに『赤旗新聞日曜版』が入っていた。ぼくは、それを毎週読んでいたのだが、世情に詳しくなんかならなかった。
もっとも、ぼくが読んでいたのは板井れんたろうのマンガ『六助くん』だけだったが。
共産党で思い出したが、ぼくの義理の伯父は、筋金入りの共産主義者だった。戦前は治安維持法に引っかかって逮捕され、戦後はレッドパージで八幡製鉄をクビになった。その後も共産党員として活動していたようだ。
昔、伯父の家に行くと、当然のように赤旗新聞が置いてあった。だが、先の人みたいに、それを読んでいることを自慢するようなことはしなかったし、ぼくに「それを読め」などと言ったこともなかった。
たまに議論を闘わすこともあった。そのたびに伯父はぼくに、「おまえは右寄りやなあ」と言っていた。が、それを非難するようなことはなかった。
祖父の法事の時だった。
法要を終えた後宴会になったのだが、その折に坊さんが「先日、ソ連に行ってきましてねえ」という話をしていた。
坊さんはやや非難口調でソ連を語っていたのだが、伯父はそれにカチンと来たのだろう、
「いいや、ソ連に限ってそんなことはない。あんたはそういう見方をするから、そう見えるだけだ」といちいち反論していた。
そこにいた人たちは、みな
「兄さん、ご住職はそんな意味で言ってるんじゃないでしょ」と言って諫めた。
しかし、聞くような人ではなかった。さんざんソ連を賛美したあげく、持論を吐き、横になって寝てしまった。きっと若い頃に憧れたソ連に、夢や希望を託していたのだろう。
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