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打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?感想

【ネタバレ】

◎「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」

総合評価2.5点(5点満点)

2017年8月18日公開、総監督 新房昭之、監督 武内宣之、企画・プロデュース 川村元気、原作 岩井俊二、90分。

全体として今一つでしたが、アニメファンなら、「君の名は。」っぽいCM(少なくとも2本のうちの、少なくとも1本。)も含めて、むしろ見ておくべき1本かも知れません。
いろいろな映画といろいろと比較して、なんでこうなる、なんでこうなった、という感じを味わってみるのも一興(いっきょう)かと。良いところもありましたし。

なお、一般の人は、ラストの曖昧さが気に入らないから低評価のようだという話しも聞こえてきますが、それが主な理由で低評価なら、これのような深夜アニメ系の映画ではなく、朝アニメ系や夕方アニメ系の映画を見るべきでしょう。


及川なずな(cv広瀬すず)、島田典道(cv菅田将暉)、安曇祐介(cv宮野真守)、純一(cv浅沼晋太郎)、和弘(cv豊永利行)、稔(cv梶裕貴)、なずな母(cv松たか子)、なずな母の再婚相手(cv三木眞一郎)、三浦先生(cv花澤香菜)、光石先生(cv櫻井孝宏)など。




映画館にて。


前売り特典のクリアアイルと、ムビチケ。


○ 広瀬さんと菅田さんの演技が今一つで、それでも菅田さんについては女子や突然の出来事に慣れていない中1男子のぎこちなさとでも思えばギリギリ許容範囲ですが、中1のなずなは外見(顔と体)が高校生に見えますし、母が離婚・再婚(3回目の結婚を予定。なずなは浮気相手(2番目の夫。)の子。)を繰り返しているからか、体の成長が早いからか、考え方が少し大人びていますし(とは言え、年相応のところも結構ある。)、話し方が落ち着いているので、落ち着いた話し方は難しいので、今一つが今一つとしか聞こえないので・・・声優が上手ければ、あるいは、ある程度魅力的な声であれば、映画全体も少し良いものになるのに。

声優として上手い俳優や歌手がやる分には、文句を言うアニメファンはほとんどいないはずですが、それでも、こういうものばかりだから、ひとまとめにして、俳優や歌手に声優をやらせるな、と言うアニメファンがけっこう多いのです。
2017年夏はTVアニメでもそういう下手な人が多く、この映画もその典型例です。

・シャフト社らしい演出は多くありましたが、物語シリーズのような、もっと大げさな演出が多ければもう少し飽きなかったことでしょうが、それだと深夜アニメをあまり知らない一般の人は付いてこられないかも。

物語上の意味があまりないところで、なずなのセクシーシーンがそこそこあって、これも深夜アニメっぽいのですが、これも一般の人はどうかと思ったかも。

主演2人が人気俳優であることや、宣伝量や、上映館数が多いことからして、一般向けに作った映画なのでしょうから。

・CMが「君の名は。」っぽく作られていますが、内容はそんなことはなく。

プロデューサーが「君の名は。」(2016年公開アニメ映画)と同じ川村元気さんだからなのか、営業上の理由と推測し、それは仕方ないとしますが。
「君の名は。」っぽいものを見せられても、あれと同じ土俵で勝負しても質で並ぶのも難しいでしょうから、やめておけ、と思ってPVを見ていたので、青春と恋愛というところは同じですが、全体としては本編は違うものでホッとしました。

音楽と映像はうまく合っていましたから、PVとでも思えばかなり良いものと判断できるかも。

好みはあれど雰囲気は良いです。

心象風景は想像の余地が少し多いかもしれませんが、深夜アニメからすればそんなものですし、うまく描かれていたと思います。



○ 地名が「茂下」(もしも)というのは「if」のことでしょうから、どこまでが現実でどこからが幻想世界なのか、わかりにくくしています。


○ 夏休みの登校日、1年前に海で水死した、なずな実父が持っていた「もしも玉」を海でなずなが発見(1年後になずなの手に渡った理由は謎。)。アレコレあって、駆け落ちを止めに来たなずな母(と再婚予定の男)に対し、典道は、泣いて嫌がるなずなをどうにもできず、イラついてもしも玉を投げたら、こうだったらよかったのにと思ったようにタイムリープしてやり直せると。それを何度か繰り返し。

タイムリープもそれほど分かりにくくはないです。

なお、「時間が巻き戻されていた」「何度も繰り返される一日の果てに」「繰り返す、夏のある一日」と公式HPにあるのでタイムリープという前提で見ましたが、繰り返すたびに花火が丸く見えたり平べったく見えたりするということは物理法則が変わっているということですから、別の世界線に枝分かれしていくという方が理解しやすいのですが、タイムリープで時間が戻ると物理法則が変わる場合がある世界観だという設定なら、フィクションですからそういうことで。

典道が捕まらないためにささいなお願いをして少しだけ時間が戻るというのも、リアルな中1だと思えば十分あり得るとは思えますが、とは言え、それが物語を小さくしていて、抑揚に欠けるので飽きてきます。


○ 中1なので、花火を横から見るために灯台まで行く道中というのはたいした冒険には思えないですし、自転車で行けばいいのに徒歩でしたし。

冒頭でスケボーなど、自転車以外で通学する者がいたので自転車を持っていない者がいると言いたいのかも知れませんが、都心でもないので、自転車がないとかなり不便なはずです。まして、中学校であれば少学校よりも遠いところにあるのが普通だからこそメインキャラは徒歩通学ではなかったのでしょうし。

でも、道交法の関係で2人乗りを映画にするのは外から文句を言われるのかもしれませんが、それでも2人乗りをすればいいのですし。


○ 題名からして花火のシーンがもっと多いのかと思っていましたが、それほどではなく、ちょっとガッカリ。実写版よりも花火は多かったですが、実写版はここぞというときに花火が出てきますので、少ないということ自体はマイナスではありません。

映像として花火は綺麗ですし、花火のはかなさは若さや青春らしいですし、夏の映画ですし、花火が実写版よりも大きく取り上げられているのはかまわないのですが。恋愛とタイムリープ(?)がメインになっていました。

因みに、平べったい花火は綺麗ではないですね。

岩井俊二さん監督・脚本の実写映画(1995年(1993年にTVドラマ版)、50分弱。かなり前に見ましたが、内容はほとんど覚えていないので、2017年8月にスカパー!で放送していたものを視聴。)は小6ですが、物語上の大きな違いはありません。なずなの親の再婚が、実写版では離婚になっているので、なずなの大人っぽさやさめたところは、アニメのほうが分かりやすい気はします。


○ 三浦先生と光石先生は密かに付き合っていますが、夏祭り、浴衣でしたが大きな胸は抑え込んだのか、これが本当のサイズなのか、光石先生も聞いていましたが、この謎は解明されるのか?(笑)


○ ラスト、夏休み明けの新学期初日と思いますが、出欠を取っていました。
なずなは呼ばれていない様子、典道は名前を呼ばれるも欠席。

なずなは登校日に三浦先生に伝えた通り転校したのか、なずなは元からおらず、典道の幻影だったのか、あるいは、典道はなずなと一緒に、もしも玉が作った幻想の世界に行ったきりなのか(世界線が分かれる物語ではなく、時間が戻る物語だと思うので、であれば、幻想の世界にいるというのは別の世界があるということになって変なので、この場合は世界線が分かれるという設定になる。)。

なずなは転校し、一時的か継続的にかはともかく、典道は追いかけて行ってなずなの近くにいる、あるいは、2人で駆け落ち中のどちらかだと考えるのが妥当でしょうけれど、いろいろと解釈できる曖昧さはいいですね。



【shin】
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