ルパン三世

　メインキャストの何人かが変わった、アニメ化40周年記念のテレビスペシャル番組「ルパン三世　血の刻印～永遠のマーメイド～」が2日に放送されました。

　石川五ェ門が浪川大輔に、峰不二子が沢城みゆきに代わりました。この２人は若手から中堅になるのかな。いずれにせよ人気声優。

　銭形警部が山寺宏一に代わりました。ベテラン人気声優。
　少し前のTVで、40歳以下の声優が選ぶ凄いベテラン声優で、ダントツで１位でした。

　どの声優も、前の声優の面影を残しつつ、少し違う声で、ほとんど違和感はないです。


　あらすじは、不老不死(？)の人魚が残したと言われる伝説の財宝を巡っての活劇。

　14歳の麻紀(cv渋谷はるか)が今回のヒロイン。姉のように慕っている美沙(cv清水理沙)が、悪役の氷室(cv石田彰)に捕まったので、助けるためにルパンに弟子入り志願。
　のようで、実は理沙がヒロインと思うんだけどもなあ。


　財宝の鍵となる宝石を盗んだが、それだけでは足りず、宝石2個と人魚の子孫らしき美沙がいないといけないとか、不二子に騙されたりとか、相変わらず。

　今回は、ルパン一世が、過去にその財宝を盗みに行って、その場所までたどり着いたが、何故か何も盗まなかった謎解きにルパンが興味を示したりとか。


　ストーリーは、良くも悪くもワンパターンですが、安心して、それなりに楽しめる。



　しかし、普段はアニメの絵はあまり気にしないですが、それでも絵がいただけない。単純なライン、きちんと作り込んでいない、個性のない顔。

　メインキャラクターはまだ我慢できるレベルですが、麻紀や美沙も含め、それ以外は、まるで練られておらず、やっつけ仕事。

　なお、アニメ制作はテレコム・アニメーションフィルム、製作・著作はトムス・エンタテインメント。

　五ェ門の、またつまらぬものを切ってしまった、も無かったかな。


　良かった点は、血しぶきが数回描かれていた点。
　元は殺し屋のルパン達なのだから、少なくとも身を守るためには、平気で人殺しをできないと。



　ルパン三世は子供も見られるアニメになっていますが、本来、大人向けアニメだったんですよ。

　宮崎駿が大きく関わった、ルパン三世の2ndのTVシリーズ、いわゆる赤ジャケットの頃から、ギャグのようなコメディのような要素が強くなり、また、ルパン達も人殺しをほとんどしなくなり、子供も見られるものになりました。
　まるで、ルパン達が善人になったようです。

　いわゆる青ジャケットの、1stのTVシリーズは、コメディタッチではあったものの、ハードボイルドでした。
　殺し屋で泥棒なのだから、善人のわけがありません。娯楽作品だから、それ程悪人ではないように描かれていますが。


　しかし、1stシリーズの視聴率低迷を受けて、2ndシリーズで路線変更があったからこそ、今でもルパン三世シリーズの人気が高いのも確かでしょう。

　宮崎駿、功罪、相半ばです。