2014年秋から2015年冬アニメの感想の続きです。
◎「ガンダム Gのレコンギスタ」(全26話)
総合評価3点(5点満点)。
ガンダム35周年記念作品の1つということで、富野由悠季監督、深夜枠ということもあって久しぶりにガンダムシリーズを視聴。
なお、夕方のガンダムシリーズはほとんど見ていないので、それらとの関係は分かりません。
「君の目で確かめろ!!」
相当に力が入っているようです。
「富野監督は(中略)「あなたたちファンが、今現在お育てになっているお子たちに見せていただきたい。お子たちに対して、それからお孫さんたちに対して、こういう物語があるよと伝えてほしい」と、まず子どもたちに伝えたい作品であることを強調。その背景には「『ガンダム』というフィールドの中からこういう形でつくることができるのではないか」という想いがあり、「この歳にしてよくやったと自惚れているところがあります。乞うご期待!」と自信を覗かせている。」(マイナビニュース、2014年3月20日)
とは言え、結果としては、まずは戦闘シーンが売りなのかな。
戦い中も含めて台詞が多く、キャラも多くて、ついていくのが大変。
戦いは派手なので、それだけでも結構楽しめます。
アニメジャパン2015のオークションのサイン入りポスター。

イロイロ。

◎ まずはイロイロと全般的なことを。
○ 宇宙戦争により滅亡しかけた反省から技術進歩にある程度の歯止めをかけていたのに、当然にそれを破る国があって、大陸間戦争、宇宙戦争に。
人間が一度持ってしまった技術というのは、それを完全に消し去ることは難しく、仮に完全に消し去れたとしても、人間が生み出した技術であればたいていは別の人間がいずれは生み出すことが出来ます。
まだ生み出されていない技術の開発を禁じても、人間の好奇心や、悪の気持ちや、他国や他人への恐怖心を抑えることは難しく、誰かが密かに技術開発をします。
核にせよ、兵器にせよ、あるいは、平和目的で開発した技術が兵器になったり悪用されたり。
結局、どんな技術も使う人間次第、それを監視、チェックする人間次第ということです。
それはさて置き、モビルスーツなどのデザインが少し古臭いのは、技術進歩が一度止まっているからということで、ワザとということで良いのかな。
○ 地球のアメリアやらゴウドワンやらキャピタル・テリトリィやら、月の裏のコロニーのトワサンガやら、金星方面のコロニーのビーナス・グロゥブやら、様々な国が入り乱れ、国の中でも様々に入り乱れ、昨日の敵は今日の友みたいな感じ。
一方、ユニバーサルスタンダード(世界標準といった意味。)だから、という台詞がよく出てきて、例えば現実世界ではコンセントのプラグの形は世界に何種類かありますが、これが1つになっているようなもの。
便利ですが、ユニバーサルスタンダードというのは、現実世界だと、戦時中の日本女性のモンペ、かつての中国の人民服のように全体主義のようでもあり。
また、世界中がスコード教の信者ばかりというのも全体主義のようでもあり(宗教というのは、特に批判を受け入れにくいものですから。)。
国内の混乱がひどい時は、右翼であろうと左翼であろうと軍事政権であろうと全体主義的/強権的にしないと混乱が長引くばかりなこともあるので、一時的な全体主義を受け入れた方が早く混乱が治まったり、犠牲も少なくなったりすることもあり、どちらが良いかは難しく、しかも短期的、中期的、長期的かによっても異なります。
結局、どんな制度も使う人間次第、それを監視、チェックする人間次第ということです。
○ ベルリが乗るモビルスーツのGセルフはやけに高性能で、本当の性能が分からないくらいですが、2011年3月に大事故を起こした東京電力の福島原子力発電所も念頭に置いているのでしょうかね。
完全にコントロールしていると思っていたらまるで出来ていなかった、完全にコントロールしているつもりだったけれどまるで出来ていなかった、国民の多くや周辺自治体も東京電力や国がきちんとやっていると思っていたらまるで出来ていなかった、しかも東京電力や国はきちんと出来ているつもりでいた。
結局、どんな技術も制度も使う人間次第、それを監視、チェックする人間次第ということです。
○ Gレコが全体主義を暗に肯定しているとまでは思いませんが、人間の敵味方や思惑が入り乱れている中では、明確に否定しているとも思えず、あるいは、ユニバーサルスタンダードが全体主義の端緒(あるいは、自分と異なる物事への寛容性が弱まりかねない。)にもなり得ることをどう考えているのかも分からず、この辺の理解には何度か見返す必要がありそうです。
◎ あとはオマケ。
○ 2話、モビルスーツの座席はトイレになっているのか!、というか、トイレに手を拭いた紙を流すシーンまで描くのか!、と。そこまでして現実感を出す必要があったのかなあ。
○ 戦闘シーンばかりなのは構わないですし楽しいのですが、主人公のベルリ・ゼナム(cv石井マーク)が少し気の抜けた話し方なこともあって、戦っている間も台詞がときどき少しコメディっぽくて湿っぽくならないところは、フィクションがただのフィクションとしか思えなくなり、それは制作者の意図したところとは異なるような気も。
シリアスになり過ぎると見てもらえなくなるから、普通に考えれば丁度良いコミカルさとも言えますが。
○ 14話。敵機を撃つ時にベルリが「死ぬなよ」と言うことが多すぎ。パイロットは脱出してよ、爆発させてないんだから、とかも。敵機のパイロットを殺さないで勝てるという自信、殺さないでも味方を守れるという自信、敵機とは力の差があることの自信。そういった自信があるということなのですが、1人だけ(及び1機だけ)スーパーマン(ニュータイプ)というのも、ある程度はガンダムのお約束とはいえ、なんだかねえ。
最終話でも、敵パイロットを殺さないようにしていましたし。
敵を殺さないと、次の戦いでは味方の他機のパイロットがやられるかも知れませんけどね。
1stガンダムでは、特別に優れた1機だけで戦争の勝敗が左右されるのではなく、総力戦であることも描かれていましたが、Gレコは1機でも何とかなるかのよう。
○ 15話。優秀なパイロットのアイーダ・スルガン(cv嶋村侑)とベルリは実の姉弟だったと。あーー、ややこしい。
○ 最終話。ベルリがとGセルフが強過ぎ。
まあ、アメリアの大統領が殺害されたような上手く逃げたようなでしたので一時的な気はしますが、一応は平和になったから、まあ、いいか。
○ アニメジャパン2015にて、オークションのガンダム全般の展示会のポスター(サイン入り)。

◎「ガンダムビルドファイターズトライ」(2期、全25話)
総合評価3点(5点満点)。
カミキ・セカイ(cv冨樫かずみ)、コウサカ・ユウマ(cv内田雄馬)、ホシノ・フミナ(cv牧野由依)など。
12話からキジマ・シア(cv藤田咲)登場ということで、そこから見ました。
○ ガンプラを改造してバトルフィールドで実際のモビルスーツのように戦い(3人1組)、1期(2クール)は1期で普通に楽しかったですし、ガンダムのパロディのキャラや台詞も楽しかったですが、とは言え、アニメが多い中で切るなら夕方アニメということで半分くらいしか見ませんでした(放送時間も絵も物語も子供(+ガンダム世代の親)向けでしたし。)。
2期も夕方アニメで基本的には同じ傾向の物語で、ちょうど半分見たということで。

○ バトルが何でもアリな感じで、激しかったり、バトルフィールド内でバトル中に自分のモビルスーツに装備した小さなロボットで修理したり、合体もあったり。モビルスーツのバトルだけなら通常のガンダムシリーズよりも派手で楽しいかもしれません。
少年向けっぽい熱い友情みたいなのもれば、ちょっとした恋のような三角関係(セカイと、フミナとシア。)のようなものもありましたが、今冬はほとんどがトーナメントによるガンプラバトル。
少し残念だったのが、1期はラルさん(cv宝亀克寿)(1stガンダムのランバ・ラルのパロディでしょう。)がセカイらのコーチで結構出番が多く、1stガンダムでのランバ・ラルは軍人としての生き様が格好良かったので、それも思い出しながら密かに応援していたのですが、2期後半もコーチでしたが出番が少なかったこと。
まあ、シアを目当てに見始めたので、全体としては結構楽しみましたが。
○ アニメジャパン2015にて、シアの機体のガンプラ。

秋葉原アニメイトにて。

いろんなシア。絵は所有者不明のところからいただきました。



【shin】