都道府県と政令指定市

　橋下徹さん、府知事から大阪市長に当選し、府知事と市長が、橋本さん率いる大阪維新の会になりました。

　マスコミによる世論調査通りの大勝利でした。

　橋本さんの個人的人気を背景に、大阪市や大阪府の職員への給料や仕事ぶりへの不満、良くならない経済状況を何となく変えてくれそう、そのためには大阪都構想が良さそう、というのが主な勝因ではないかと思います。


　橋本さんや維新の会の政策にはおかしい、良くないと思うものは多いものの、また、大阪都構想に具体性がないものの、大阪都構想の方向性のみは、現時点では期待しています。

　なお、当然、橋本さんらには都構想の具体的なことを速やかに説明する義務があり、かつ、理解を得る努力が不可欠です。


　都道府県の中の市に都道府県とほぼ同じ権限を与えるのが、大阪市などの政令指定市の制度です。

　都道府県より住民に近い市に予算を始めとする権限をより多く持たせることにより、住民サービスの向上が図られることが期待できます。

　都道府県と政令指定市は、都道府県の方が格は上であるものの、ほぼ同じ扱いです。
　基本的に、都道府県は、政令指定市以外の市町村の面倒を見れば良いのです。

　また、政令指定市は、都道府県の重要な地域を占めるのが普通です。


　これでは、都道府県として都道府県全体を考えた施策を行いにくいです。


　日本は狭いので、権限をあまり分散させず、せめて都道府県の範囲内は都道府県がまとめて面倒を見れば良いのです。

　その方が公平な住民サービスが行えますし、二重行政も減って人的にも予算的にも効率的です。


　更に、権限があまりに分散するということは権限のある者が増えるということであり、それだけ、住民やマスコミの目が届かなくなります。

　特にマスコミの目が届かなくなると、強引で独裁的な政治になりやすくなります。

　情実人事や利益誘導も増えます。

　意見を言うと村八分にされたり、何かと不利益を被りやすくなります。

　マスコミ等の目が届かなくなると、独裁的になりやすくなります。


　監視が機能しない独裁が腐敗することは、残念ながら、歴史の必然です。

　聖人君子の為政者は、歴史上、存在したこともなければ、今後、存在することも想定すらできません。