◎「ソードアート・オンラインII」(全24話)
1期はツッコミどころが多くてどうかと思いつつも、それはそれで別の意味で楽しんだのですが、2期は普通にまずまず楽しみました。
アニメジャパン2014にて。

秋葉原にて。

◎ ファントム・バレット編(1話から14話)。
少しばかり冗長な感じでしたが、詩乃の気持ちの動きをきちんと描いたということですから、それはそれで有りでしょう。


○ 1期では、本当に死にそうな目にあったのに、死ぬ可能性がなくなったとは言えラストでは皆で楽しそうに再び同じゲームをしに行くという、懲りないキリト/桐ヶ谷和人(cv松岡禎丞)達でした。そもそも、1期全体として、それほど死を恐れている感じではありませんでした。
1年後のこの2期では、キリトは明らかに死を恐れています。1期を踏まえると、過剰とも思えるくらいに。
ゲーム内という仮想世界にいるときにステルベン/新川昌一(cv保志総一朗)の銃であるデス・ガン(死銃)で撃たれて殺されると現実世界の人間が死ぬから、それを現実世界で知ったキリトは死を現実的なものとして感じているということでしょう。
1期では、ゲーム世界に入った状態のときに、ゲーム内で死ぬと現実世界でも死ぬと分かったので、現実世界で本当に死ぬという現実感が少し薄かったのでしょう。
恐怖という感情を覚え、少し大人になったキリトでもあります。
○ 今回は銃で戦うゲームなのにキリトは慣れた剣で戦いましたが、ルパン三世の石川五ェ門並みの剣さばきで銃弾を切ったり、よけたり。都合が良過ぎてちょっと苦笑でしたが、それはそういう設定ということで良しとしましょう。
バトルが少なめな印象を受けましたが、キリトとシノン/朝田詩乃(cv沢城みゆき)のやりとりや、敵との心理戦を中心にまずまず楽しめました。むしろ、迷ったり悩んだり怯えたりするキリトやシノンが、1期よりは物語として自然なところは、1期より良かったです(基本的に、コメディというほどのアニメではなく、軽いコメディ+シリアス+ハーレムですから、それに合った物語展開。)。
幼少時に正当防衛で郵便局強盗を銃殺したシノンの銃へのトラウマが少し取って付けた感じなのは少し引っかかりましたが、そう感じたから全体として少し冗長に感じたのでしょう。それ以上に、トラウマ解消の取ってつけた感は、、、フィクションですけどね・・・
原作もアニメも人気みたいですけどね。。。
○ 詩乃を好きなシュピーゲル/新川恭二(cv花江夏樹)(か昌一)がゲーム世界でのデス・ガン(兄の昌一がしたり、恭二がしたり。)の銃撃に合わせて現実世界で人を殺していたと。詩乃を殺そうとする恭二の歪んだ愛情と狂った言動の、花江さんの演技が良かったです。
◎ キャリバー編(15話から17話)。
キリトが剣のエクスキャリバーを手に入れるために皆と一緒に戦う物語。
クライン(cv平田広明)が惚れやすく、かつ失敗ばかりで、全体として少しコミカル。少し息抜きということでしょうが、その意図は良い感じ。

17話。クラインに一目惚れされた巨人族なのに人間サイズのスクルド(cv藤田咲)が勇ましい感じの低めの声で、藤田さんはあまりしない声でしたが(「進撃の巨人」のユミルはそんな感じの声ですが。)、去り際に振り返って微笑んだことからして、また出番がありそうだと思ったのに、無し。ちょっと残念。
◎ マザーズ・ロザリオ編(18話から最終24話)。
○ 悠木碧さんがユウキ/紺野木綿季の役。ゲーム世界で結城明日奈であるアスナ(cv戸松遥)を「お姉ちゃん」と呼んだり、訳ありな様子。実の妹や弟(隠し子)だとか、明日奈が世話している施設とかの子供(そういう設定があるのかは不明。)だとかだとしても、余命が短いというのは無しな方向で、と思って見たのですが・・・
木綿季は輸血による感染のエイズ(AIDZ)で余命わずかだと・・・
きちんと投薬すれば寿命をまっとうできる場合も多いので、エイズというのはどうかと思ったのですが、薬が効きにくいタイプだということでした。

○ 死期が近いorいつ死ぬともしれない木綿季/ユウキ達にアスナが協力してゲーム内で敵を倒し、ゲームに名を刻むという思い出作りの物語というそんなこんなでしたが、22話、悠木さんの抑えた泣きの演技が良かったから良しとします(悠木さんは泣きの演技だけではないですが、泣きの演技は特に良いです(なお、ここでは、涙を流す演技だけでなく、涙をこらえたり、声を絞り出したり、抑えた演技とか、そういうものを含みます。)。
悠木さんの抑えた泣きの演技は最高です。
○ 最終24話。ユウキの葬式のあとに、茅場晶彦(cv山寺宏一)の名、そしてED曲。
1期のことを思うと茅場で終わるのは気持ち悪いなと思っていたらED曲後、皆でのお花見と桐ヶ谷和人と明日奈の語らいのシーン。
ホッとしました。
○ そういうのとは別に気になったのは、アニメ内の現実世界ではなくアニメ内のゲーム世界で語らうシーン(23話)。
明日奈の母の結城京子(cv林原めぐみ)と転校するしないで険悪になった時に、ユウキの言葉も踏まえて母にぶつかることにした明日奈がゲーム世界の景色を見てもらいたくて誘うのは良いとして、その景色や明日奈の言葉に感動した京子が涙したのも良いとして(ゲーム世界では涙は隠せないという設定は謎ですが。)、現実世界に戻って京子が明日奈に成績が良ければ転校しないで良い旨を言うとかも良いとして、明日奈はゲーム世界でないと母に本音が言えていない点。あらためて現実世界できちんと言ったのならいいのですが、そうではない様子ですし。(なお、詩乃は銃へのトラウマがあってモデルガンを見るだけでも現実世界では吐き気がしますが、ゲーム世界では優秀なスナイパーです。これは、ゲーム世界でのリハビリとも解せるので問題ないのですが。更に、寝たきりのユウキのような場合もメリットがあります。)
ゲーム世界(人間の形のアバターで戦ったり、語ったり、遊んだりする。)と現実世界の境界を特に曖昧にするのがこのアニメ内でのゲームですけれど、(本当の現実世界ではツイッターとかでバカな画像を流して避難されたりという、現実と仮想の区別が付いていなさそうな事例も見受けられますし、)友達関係や会話を表情や仕草で誤魔化しやすいゲーム内中心でやっていったら、現実世界はもっと複雑なコミュニケーションが必要なのですから、良くないと思います(なお、ゲーム世界では涙は隠せないという設定がゲーム世界では本音を隠せないということと同義だとしたら、本音をある程度隠せる現実世界での対応に一苦労するので、やはり、良くないと思います。)。
その必要がなくなるくらいにゲームがリアルに発展するには、1話からしてまだ時間が必要なようですし(24話からして意外と早いのかも知れませんが。)。
仮にそこまで発展したとしても、ゲーム世界から現実世界に逃げられるし、現実に死にも怪我もしないゲーム世界という仮想世界では現実の体験にはなりません。
【shin】