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言葉の贈り物

2017年05月13日 | 日記
3月末の春休み中に学校主催の2つのトリップが行われました。
一つは、タンザニアへのボランティア・トリップ
もう一つは、青年海外協力隊を経験したKLAS 教員の引率による、
セルビアの JICA (日本国際協力機構)で働く方々を訪問する学習旅行です。

双方のトリップ中の模様が、全校集会で動画によって報告され、
引率職員に参加生徒から感謝の気持ちを寄せ書きしたポスターが贈呈されました。
引率したL先生の大好物のピザを模したポスター、イカしていますね。

さて、本校では、折に触れて、この「言葉のプレゼント」が行われます。

本校が所在するレザンは山中の小さな村ですので、
コンビニやデパート、大規模なショッピング施設はありません。
無論、生活に困るほど不便な訳ではありませんが、
しかし、例えば誕生日のプレゼントに少し凝ったものを贈ろうとすると、
山を下って街に赴かねばなりません。

生徒たちがこのような環境で編み出した贈答の知恵は、
色画用紙を切り貼りして作ったポスターに、
関係者のメッセージを寄せ書きしたものを贈る、
「言葉の贈り物」なのです。
日本でも色紙(しきし)に寄せ書きをして贈答とする習慣はありますが、
この贈り物、どんな高価なものよりも値打ちのあるものだと、
私は感じています。
平安貴族たちの自己披瀝の道具として存在し続けた三十一文字も思い合わされますが、
この贈り物、もらってみると、本当に嬉しいのです。
「この人がこの言葉を書いている時には、自分のことを懸命に考えてくれたんだ」
そのような感慨に浸る時間は、至福の時なのです。

言葉の贈り物。
本校の素敵な文化だと思っています。



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