NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ

NHK受信料支払い義務化反対・公共放送での視聴者の権利拡大・政治権力からの自立を求めています。

NHKの「編集権」なるもの:世耕参議院議員の質問をめぐって

2009-01-24 10:18:19 | NHK番組WATCH・批評・感想

会の共同代表の醍醐聰です。
先日、youtubeが2008年3月31日に開かれた参議院総務委員会で世耕
弘成議員が行った質問をアップしているのを知人から知らされ、視聴し
ました。質問の一部を収録したものですが、まずはお聴きください。
http://jp.youtube.com/watch?v=epeyB8HvjAo

参議院議員 世耕弘成 
http://www.newseko.gr.jp/pressroom/shitsugi/s_20080331.html

私たちは昨年5月20日に開催された同総務委員会において自民党の磯
崎陽輔議員が、NHKスペシャル「セーフティネット・クライシス~日本の
社会保障が危ない~」を指して政治的に偏向している、取材先も偏って
いると攻撃したことには抗議の声を上げましたが、世耕議員のこの質問
は看過していました。

しかし、改めて委員会議録で質疑の全容を確かめますと、重大な問題が
山積した質問(に名を借りた番組制作への牽制、圧力)であったと感じます。

そこで、議事録の該当部分の全文を抄録としてWord文書に編集したもの
を添付(こちら)いたします。下線は、私が注視すべきと考えた部分を示すために
追加したものです。

世耕氏の質問事項は次の3点です。

①NHKの編集権は誰に属するのか?
②NHKスペシャルの番組内容がワーキング・プアや貧困の問題に偏って
  いるのではないか? 
天皇を戦争犯罪人と扱った、とんでもない番組が制作されたこともある。
③経営委員会の了解なしに2名の経営委員が記者会見を行ったことについ
 て。
  そのうちの1人(注:保委員のこと)は小さなタウン誌の編集者であるが、
  なぜこのような知名度が低い人物が経営委員に選ばれたのか?

②は個別の放送内容に介入した、放送法に抵触する重大な発言であり、
③の前段は経営委員の自律的活動に関する不当な干渉、後段は保委員
に対する侮辱です。
これらに対する関係者の答弁は要旨、次のとおりです。

①について(福地会長)
  法人としてのNHKの会長にある。個々の番組については放送総
  局長が分掌している。いずれにしても放送現場には編集権はない。

②について(福地会長)
  指摘されたようなテーマだけでなく、日本経済が直面している問題
  を多角的に取り上げている。ご指摘の点は十分心得ていく。

③について(総務省小笠原氏)
  放送法第16条第1項の規定をなぞった答弁

【私のコメント】

最近、小林英明経営委員(安倍晋三元首相が関わった裁判で安倍氏
の代理人を務めた弁護士)や上記の世耕参議院議員の質問に見られる
ように、NHKの「編集権」は会長にあると見立てて、そうした編集権を
会長に行使させることによって、政府・与党にとって煙たい番組を企画
の段階で封じ込める、あるいは番組制作に干渉しようとする「新手の」
政治介入が顕著になっています。
そこでは、NHKの自主自律を守る砦となるべき経営委員会が、政
治介入のお先棒を担ぐという逆立ちした現実も見受けられます。

制作現場のスタッフの共同討論を土台にし、取材協力者の意見・提案を
傾聴しながら、多様な意見を反映する工夫を凝らして練り上げるべき番
組制作について、特定の個人に帰属する「編集権」なるものが存在するか
のように誘導する議論は極めて有害であり危険であると私は考えてい
ます。

この問題はメディアの専門家だけでなく、多くの視聴者が参加する場で
活発に議論されるべき重要なテーマであると思います。

この点で、先ほどのメールでご案内した、福地会長も出席する、「経営委員
と語る会in 東京」は、意見交換の貴重な機会だと思います。


「ジュリーが歌った!!」 WATCH・OPINION 原稿募集中 

2009-01-06 12:24:21 | NHK番組WATCH・批評・感想
  新年明けましておめでとうございます。
  今年もよろしくお願い申しあげます。



 昨年末に始めた「NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ」のブログ。今年はさらなる充実を図っていきますので、よろしくお願い致します。

 さて間もなく誌面を刷新した「ニューズレター第9号」を発行致しますが、記念すべき10号では、さらなる充実と視聴者参加型の誌面としたく、皆様方からの原稿を募集しています。原稿は  shichoshacom@mail.goo.ne.jp までお送り下さい。

 こんな軽い感想でも構いません。

     「ジュリーが歌った!」

 「人間六〇年ジュリー祭り」ライブが12月27日再放映されました。
 45分間に編集されているのでカットされるのでは、と心配した『我が窮状』も
無事放送されました。NHKもやるジャン、とちょっぴり嬉しくなりました。で
きれば紅白で歌ってほしかったが・・・。

 『我が窮状』作詞沢田研二 作曲 大野克夫

 麗しの国 日本に生まれ 誇りも感じているが 
 忌まわしい時代に 遡るのは 賢明じゃない
 英霊の涙に変えて 授かった宝だ
 この窮状 救うために 声なき声よ集え
 我が窮状 守りきれたら 残す未来輝くよ
 
 麗しの国 日本の核が 歯車を狂わせたんだ
 老いたるは無力を気骨に変えて 礎石となろうぜ
 諦めは取り返せない 過ちを招くだけ
 この窮状 救いたいよ 声に集め歌おう
 我が窮状 守れないなら 真の平和ありえない

 この窮状 救えるのは静かに通る言葉
 我が窮状 守りきりたい 許し合い 信じよう
 
 還暦とは思えない澄んだ,深みのある綺麗な声で歌ってくれました。

 彼は私と同い歳で、同郷。京都の府立高校出身です。ご存知の通り、「ザ・タ
イガース」のボーカルでした。長髪をなびかせ、激しく歌う姿は時の若者達の心
をつかみました。私は当時、ブルーコメッツの方が好きでしたが、我が妹たちは
大ファンでした。その彼にこんな思いがあるとは全く知りませんでした。齢を重
ね、この「窮状」に絶えかねたのでしょうか。それだけに詞に、その思いの深さ
が伝わってきます。
 「九条」改悪を目論む与野党の政治家達が黙っているとは思えません。しっか
りと監視していかなければならないのではないでしょうか。    (編集子)