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のほほん書斎(日高茂和)

サンテナ物語

長崎県(波佐見・三川内)と佐賀県(有田・吉田・伊万里など)の焼き物問屋と焼き物メーカーの間では、焼き物を「サンテナ」と呼ぶ樹脂製のコンテナに入れてやりとりをします。

この「サンテナ」は、一種の「お金」みたいな性質があって、相互に交換しあって使用し、そのものに所有権はなく、サンテナの製造メーカーから企業が購入した数や、業者同士でやりとりして発生した所有数が所有の権利(根拠)となります。

したがって、「どのサンテナがどこのものだ」という、個別のサンテナについての所有権はありません。

まさに「お金」に似ています。

このサンテナは、今から約40年ほど前に、長崎県波佐見の西海陶器株式会社創業会長である児玉薫が考案し、考えに共鳴した数社の同業の卸商と窯元にてスタートし、それまでの積み重ねられず、長持ちのしない竹製のザル篭や木製トロ箱にかわり、運搬と収納の効率を飛躍的に改善する成果が認められ、じょじょに普及していき「お金」のように流通するといった今日の普及ぶりをみるに至っています。

《余談》
「サンテナ」の名前の由来についてはっきりしたことはわからないが、私の推測では、製造メーカーの三甲株式会社がつくる「コンテナ」ということで、サンテナと名付けられたのではないかと考えている。

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