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のほほん書斎(日高茂和)

「知られぬ日本の面影」 読後感

ラフカディオハーンの「知られぬ日本の面影」を読んだ。
明治二十年代のはじめに日本の地を踏んだ小泉八雲の、日本の文化と日本人の「陰影礼賛」であると感じた。
維新以後廃れゆく古き風俗や習俗、習慣、伝統を惜しみ

「国民性はもう悪化しかけてきた・・・しかし古い日本は、物質的には十九世紀の日本よりも劣っていたが、道徳的には余程進んでいたことを忘れてはならない・・・」

と記述した八雲の思いを忘れないようにしたい。

また、お盆の行事について、おそらく島根県の城下での風習であろうが、お盆の夜にお墓に参り、灯篭を掲げていたというのだ。
私たち五島福江人は、いまだに、その風習をもつ。
亡き人々への優しい風習を今も守っていることに誇りを感じ、八雲に褒められたような嬉しさを感じて、本を閉じた。
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