のほほん書斎(日高茂和)

何かに見守られて

平家物語で人気がある名場面の「忠度の都落ち」のなかで、忠度が歌の師である俊成卿に、勅撰集に自分の歌を採用してくれたならば、まもなく死ぬであろう自分は草葉の陰から師を見守り、大事があれば助ける旨のことを語るところがある。
近ごろ、物語に描かれる忠度のその気持ちが、以前よりも身近に感じられるようになった。
守護霊などを持ち出せば宗教じみてしまうが、我が身に起こったいくつかの僥倖とも言える幸運について、何かが守ってくれているという感覚はぬぐいがたいものがある。
子供の頃、道路に飛び出して車にはねられ、飛ばされて側溝のなかに落ちたのにケガひとつしなかった時には、両親も祖母も盛んに「ご加護だご加護だ」と有り難がっていて、折に触れ口にしていたことが記憶に残る。
いずれにせよ、目に見えない何かに感謝の気持ちを持てるというのは、人生上けっして悪いことではない。また幸福なことである。
重要な人生の転機に、何かの見守りがある。その見守りに応えなければならないと思う。

感謝の気持ちを込めて、このところの思いをしたためます。
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