
高齢者の方々の手に惹かれます。
若い私たちの手にはまだない、時の重なりや陰影を感じて、胸を掴まれるからです。
記憶や今の時間が虚ろになられた高齢者の方々は、思い出で人生をつくり、過去に喜びを見つけていくと言われています。
私たちが皆様に運ぶ、月一回のアートワークが、生涯を刻まれたその手から、喜びを引き出す時間になれたらと、どこか恐れながらも思います。

今回の素材は、わら縄です。昔は日本人の生活に密着した道具でありました。本日はただ、青い畳のような香りのわら縄に触れ、遊び、自由自在にアートしていく時間です。

高齢の女性たちと、大笑いで綱引きをした後、F様(男性)はわら縄をこんなふうに結びました。

「昔、男はこうして着物を結んだんだ」おへその位置を指しながら誇らしげに語る、F様の作品です。

「昔はこうやって、こーやって!酒樽を結んだんだよ」

M様(男性)の熱い講義を助けるために、セラピストたちが、椅子を支柱にしたり、紙を巻いて手渡したり。その時間がこの円柱型の作品となりました。

無邪気な笑顔で、膝の上で巻き巻き。M様(女性)の作品です。
皆様の手が生き生きと、わら縄を巻き、結ぶ。
傍らの私たちも、皆様が人生で広げた輪や結び目を伺い知る時間となりました。

シニアアートワークセラピスト 高橋 恵子
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