フェイクニュースというのなら無視したほうがいいのに、異常なほどの強い反応であった。
科学的に安全性が担保されているのなら、中国政府や韓国の市民グループに福島の処理水を直接、検査させればいい。それもどのタンクの処理水なのか抜き打ち的に選ばせたらなおよし。
特に、初期の13年３月のA系処理水（B系C系とあるが初期のA系にはトリチウム以外の放射線物質残留の疑いが指摘されている）を検査させて中国や韓国が「科学的に」納得すれば、すべて解決するし、日本国内の風評被害も発生しないだろう。
ところが東電と日本政府は、頑なに拒否している。IAEAだって東電の検査データを追認しただけだ。
福島原発のアルプス処理水を検査したい！という国にはすべて検査させようよ。なぜ、こんな簡単なことを拒否するのか。
他国に検査されたくない理由があれば、それを明らかにすればいいのだし、このままだと中国政府は未来永劫、処理水に対する疑念をぶつけて来るだろう。確かに中国は非民主のならず者国家だけど、処理水への疑念に関しては非民主は関係ない。
ALPSを製造したのは最初は原発ムラの東芝、ほどなく同じ原発ムラの日立に代わったが、なぜ東芝から日立になったのかの説明も未だない。そこを中国が突いている。なぜメーカーが代わったのか日本人だっていぶかるだろう。
処理水検査を国際的に認め、処理水の安全性が中国側にも理解されることは福島や宮城、茨城の人たちにとっても朗報となる。補償金を積み増す話よりはるかに大事なことだ。何しろ、処理水の放出は一連の廃炉作業が終わるまで最低50年は続くのだ。
それと、東電の隠蔽体質はすでに海外に知られることになった。福島原発の大津波予測の隠蔽、柏崎刈羽の放射線漏洩事故の隠蔽、原子炉入口の安全管理の杜撰さなど、とてもとても原発を任せられるような企業体質ではないのだ。まあ、他の電力会社も同じようなものだが。例えば、東北電力の女川原発でたびたび発生している放射線漏洩事故でも、検査するのは東北電力であり、「人体に影響ある数値の漏洩ではなかった」という検査結果を宮城県もメディアも黙って追認するだけだ。放射線漏洩検査は、東北電力も宮城県も除いた完全な第三者が担当しないと福島の二の舞になる。
さて処理水。
「中国と韓国のみなさん、どうぞ納得の行くまでアルプス処理水を調べてください」
それが官房長官の仕事だ。
そしたら、フェイクニュースもなくなるだろう。
外国の処理水検査要求を拒んではならない。
拒んだら勘ぐられるのはあたりまえである。
東電や政府は、疑念が指摘されているA系処理水から海に流したいだろうが、それはいけない。疑惑が増幅するだけだ。
いったい、日本の野党は何をしている。A系処理水にもし、セシウムやストロンチウムなどトリチウム以外の放射線物質が残存していたら、もう一度アルプスを通せばクリアーにでき、C系処理水並みの安全性が担保できるはずである。
