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ペーパースマハー

カブ先生ハンパねー(*_*)

カブト虫を先生と呼びたくなっちゃったの巻。長いよ。

ウチの間借り人、カブト虫は夜になると鬼のようにガサガサやり出す、と前に言った。
楽しそうに遊んでいるのかと思いきや、そんなワケなど全く無く、見るからに、必死に外へ出る機会を探っている感、有りありなのじゃ。

この前やけに音が近くに聞こえるなと、チラッとケースに目をやって唖然とした。
何故かケースのフタの裏に、カブト虫がガッツリしがみついていたのじゃ。
あり得へんじゃろ?!

何故なら。
カブト虫を飼う際、ケースの中に入れる腐葉土や木などに、小バエや変な虫が付かない様にする為、フタの内側に保護シートを挟んでおく。
保護シートとは、透明なビニール製で小さな空気穴が一杯空いた薄い代物じゃ。

そうしてやっておく事で、カブト虫の住環境もあっしも快適になれる、ウィンウィンな演出を施せるアイテムなのじゃ。

なのに、
ヤツは登り木を伝って難なくフタまで近寄り、保護シートの穴に爪をかけ、今にも落ちそうな、プルっプルの危なっかしい逆さまの体勢ながら、〝チョロいぜ〟と言わんばかりにあっしを睨めつけて居やがった

チョロかったかあ。
と感心している場合じゃねえよ。君。

ヤツはその保護シートまで破って、出来た破れ目からフタへ到達した、という予想だにせぬ展開。なのじゃ。

どうやら登り木の突端に後ろ足で立ち、前足で保護シートを引き寄せ、頭でシートをゴリゴリ押す感じで破ったようなんじゃ。

御主やるなあ。
て感心しているバヤイじゃねえよ。君。

出てきたはいいが、お前さん元の場所に戻れないだろってえの。
フタにへばり付いていたところで、寝床にゃ行けない、御まんまだって食いぱぐれるってえ事よ。でしょ。

心優しいあっしは、ご苦労さんとヤツを中に戻して保護シートも新しいのに換えた。やれやれ。

んが、
懲りずに次の日も、ヤツはシートを破りフタの間の格子目のすき間から、ヨロシクあっしを窺って居やがった。
恐るべし。カブト虫と言えども侮れんモンじゃ。

あんな見るからに脳ミソも無さそうなカブト虫に、学習能力が備わっていたなんぞ誰が考えるか?

仕方なしじゃ。
あっしはヤツが足場に使った登り木を寝せ、もう保護シートに手が届かないようにした。カブト虫一貫の終わりという寸法じゃな。

平穏な日の訪れじゃ。
脱走犯も術無くして、さぞや消沈の体ですか?とケースを見れば、何やら登り木の下に体を入れて上へ下へと動いている。

はあ??
もしかして登り木を起こして立てようと?
ですかい?
自分の体より十倍は重そうな木を、ですかい?
木を立てれば足掛かりになると学習したんですかい?

ビックリじゃ。
カブト虫ってそういうモン何ですかい?

それから木を起こそうという行動は止まらない。
夜、寝床から這い上がり思い出したように木の下に潜る。
無理じゃあと思ってか、ケースの中を何周かし又ぞろ木の下へ行く。
全くもって健気じゃ。

いつか木を起こし、勝ち誇ったような眼差しを、あっしに向けるだろうアイツを見てみたい。
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