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ペーパースマハー

福を畳まない日々

休みの日、映画が安いのでチケットを予約する。
以外何にもする事がなくて大袈裟に言えば途方に暮れている。
友達はいないし。
強いてほしい物もない。
観たい映画がなけりゃ映画すらも出かけない。
読まなきゃならん本はどっちゃりあれど、目が疲れてすぐ降参してしまう。
部屋でも少しは片付けてみようかと思うが、誰も来ないのにとか勝手な理由をつけて春秋する。
寝てると余計に怠くなって又寝てしまう。
腹が減って買出しに出なきゃとも思うが、他の住人に会ったりするのも嫌なので部屋を出ない。結局膝を抱えて丸まっている。
友達がいないから電話もない。
携帯に届くメッセージはつまらない物ばかり。
トイレに起きて、ついでに紙パックのお茶をガブ飲みする。
いつ買ったかも忘れた干菓子を無意識にボリボリ貪る。
今日もそんなこんなでもう何時間で暦が変わる。

高校の時、二歳上の姉貴がノンノを愛読していた。
そのノンノの中に映画を紹介するコーナーがあった。
家にある雑誌はとりあえず目を通していた僕は、当然ノンノを読んでいた。
ノンノの性質上、そこでは女性関連のテーマの映画がよく取り上げられていた。
「華麗なる女銀行家」を知ったのはその時であったような気がする。
帽子屋で店員をしていた女のもとへ金持ちの初老の婦人が近づく。二人はそのまま店の奥にある家へと入っていく。それからその家へ踏み込むと、部屋のドアの向こうでは先ほどの女と婦人がベッドで絡みあっていた。
「華麗なる女銀行家」は一人の女の立身出世の物語だ。
しかしそこで語られる一生は並で大抵のものではない。
男を愛し女を愛し、出世を愛し権力を愛した。
そんな女の最後に面食らう。

ロミー・シュナイダーが死去して40年目の今年、渋谷で特集上映があり彼女が主演した「華麗なる女銀行家」を観た。

出かける時には何を着ようか前の日に考える。
(とは言っても実際はTシャツ1択なのだが)
しかし、お気に入りの一張羅があろう事かシワくちゃで、とてもそんなのを着て表に出るわけもいかず…
そう、いつも行動が停止してしまうのは、シワのある無しを選りどりしているからなのだ。
がんばってシワを手で伸ばしてみる、叩いてもみる、寝押しならぬ尻の下に敷いて尻押しなんかもいいかもと名案を閃かせてみる。
(実際はやらんけど)
いろいろがんばって、そうこうしているうちに何だかシワがなくなって来た気がする。

そうでも思わないと、時間も無い中無駄な試みに精を出している僕は虚しいでござる。
洗濯物が乾いたら干しっぱなしなどせずに時間があるんだから少しは畳んでおきゃあいいのにと思う。
(拙者の辞書に取り込むという言葉はなぜか在らず)



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