加地鳴海の聖域247<戦国小姓の令和見聞録>

世の中のすべての聖域を可視化した戦国小姓の過激な諫言ブログです。

「アナザーメジャーリーグヒストリ-:another major league history」 (邦題:疑惑の一夜)

2024-05-27 | 日記

 

<道満丸景虎と小姓の戯言0233>episode233,season3

(天正戦国小姓の令和見聞録) 

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春日山城、鳴海幕府(開府1587年)

お屋形様:上杉道満丸景虎

見聞録及び戯言検め:小姓 仁科源太

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◆天正四百五十二年 五月二十七日

「アナザーメジャーリーグヒストリ-:another major league history」

(邦題:疑惑の一夜)

 二千二十四年の弥生月の二十日あたりで勃発した、水原・大谷チームのスポーツ賭博騒動の波紋は未だに収まらぬ。司法取引だか権益取引かは知る由もござらぬが、日が経つにつれ真実についての嫌疑への想いはアンチ大谷側にとっては止む気配はござらぬ。どうしてそうなるのかは定かではないが、水原殿のスポーツ記者へのロングインタビューの内容が翌日には百八十度変節し、話の内容は全て虚偽だったと言い、彼が全ての窃盗の罪を認めるというストーリーが一人歩きしてしまったからでござろう。

大谷殿の助太刀が亜米利加の地では通用しない異文化的な状況では、形を変えて臨むしかなかろう。MLBのファンが全て大谷殿とは限らぬからじゃ。水原殿が一方的な汚れ役を演じていることは大谷側では百も承知故、徹底したストーリーを貫かなければならぬようでござる。無論大谷殿にはスポーツ賭博には無関係ではござろうにも、MLBの規約に抵触するとなれば球団側も野球機構側にも大きな痛手となる。知れた事よ。亜米利加の司法はよく分からぬ。無罪と主張したり有罪に切り替えるとしたり。水原殿と弁護士は意思の疎通はあまりないようでもあるし、弁護料を支払う余裕もまだまだありそうなのにも合点がいかぬ。お屋形様は根っからの大谷ファンではござるが、小姓仲間の中では何人かはアンチ大谷派が構えてござる。拙者は単に陸上競技の一ファンでMLBにはさして関心はござらぬが、今永殿とダルビッシュ殿には少々熱を入れておる。大谷殿には未だによく分からぬ。今は値踏みの状況じゃ。

 ハリウッドではこの騒動をドラマ・映画化すると申しておる。脚本の流れは状況の真実化を探り、賭博とMLBの在り方を問うという形になるというのが拙者の見立てでござるが、想像の域をこえられるかは保証出来ぬ。フィクションの企画で脚本ができあがると予測して、勝手に提起したいが、もし不快感を得たのならご容赦願いたい。

○映画のタイトル

「アナザーメジャーリーグヒストリ-:another major league history」

(邦題:疑惑の一夜)

○あらすじ

鳴海一平は幼少の頃両親の渡米に伴い十代の終わりまでロスアンゼルスの市街で育った。父親はレストランを経営し当初は生活が安定しておりカリフォルニアの大学まで進んだ。あるとき日本から渡米してMLBでは華々しく活躍している小谷正平選手の通訳をしてくれとMLBから知らせが来ていた。表向きには小谷は英語が苦手で通訳がいないと何も出来ないという代理人からの助言もあり一平は承諾した。ただ、レストランを経営している父親には不治の病で医療センターに入院している母がいた。一平は経営が行き詰まっている父の代わりに母の治療費を工面していた。ガンの治療薬は治験を終えたばかりで治療費の支払いが滞る事が多くなっていた。小谷正平選手に出会ったのはちょうどその頃であった。球団との契約の給与と正平選手のお手当で毎月は何とか乗り切れてはいたが、経済的な余裕は全く無くなっていた。まともな契約では通訳の仕事は出来ないが、小谷からのポケットマネーからも同程度の金額が支払われると言う条件は渡りに舟だった。小谷は野球のことしか知らないうえ身の回りの事は世間を知らないこともあり、一平は小谷正平の日常生活とトレーニング、マネージャーワークの一切、取材やメンタルケア、試合中での通訳などを取り仕切り、眠る暇などはなかった。球団に入団して数年が経ち、小谷正平は怪我もあったが見事乗り切り、二度のMVPなる栄誉に輝いていた。あきらかに一平は正平と一心同体だった。英語を知らないうちにマスターしていた正平は通訳なしでもオンとオフでは流暢な英語で話していたが、一平には通訳以外での雑務が多くて、そばに居て貰わなければならないとか考えていたのか、恩を感じていたのか、とにかく気をつかっていた。些細な悩み事でも経済的な援助もする間柄となっていた。

思い返せば一平は正平選手を庇っていたのかも知れない。人助けが正しいと信じて一平殿には何一つ文句も言わず口座から治療費の名目で、限度額一杯の額を九回も送金してくれていた。送金相手の事情を正平選手は何も知らないが、一平殿の賭け事での負債であることは認識をしていた。そのことがスポーツメディアの目に留まり、MLBや球団関係者で表沙汰になってしまった。一平殿と正平殿との相互互助の一環で賭博の胴元とのトラブルが明るみにでて各メディアでは混乱を極めていた。MLB機構側はスポーツ賭博業者とスポンサー契約を結んではいるものの、五十州全部が合法とは見なしていない。州ごとに異なる合法と違法の取扱は複雑となっている。MLBは北米の四大スポーツの立ち位置にいるが、このところ、NFLやNBAなどに人気面では遅れを獲っていてファン離れに拍車がかかっているのを防ぐため否応なく賭博業者に参入させた経緯がある。MLBのルール規定などでファン層の回帰を望んでいるが、正平殿のMLB人気がいつまで続くかは不透明であり、怪我の再発も一平殿には心配のタネだった。一平殿自ら自作自演した窃盗詐欺事件の司法の手続きは思惑通りに進んでいる。正平殿は借りを作ってしまったからか、母への治療費は毎月送金してくれている。正平はお金に無頓着どころか人情に厚い。周りから好かれるはずだ。一平は日頃からそう思っていた。スターになる者はそういう素地があったと認めざるを得なかった。司法取引では有罪をいち早く自ら認めたので、陪審員制度を経ずに事が運ベそうだと弁護士から言われている。これで良かったのだろうかと一平は思った。あの夜の急転直下の出来事が未だに一平殿の脳裏にかすんでいる。MLBや代理人、球団関係者の介入で前言を全て撤回せざるを得なかった時のことだ。

「ヘロー、イッペイ。アーユーファイン?」

「アイムファイン。バイザウエイ、フーアユー?」

「アイム、ESPNデレクター、マイネームズ キャサリン。デンワデノ インタビューデゴメンナサイ、ロシクネ。ボスノメイレイナノ、ワタシハ ジャパニーズ、スコシハ ダイジョブヨ」

「ソレデ、キャサリン、ヨウケンハ?」

「アラ モウ ワスレチャッタノ、レイノ コタニショウヘイノ スポーツトバクギョウシャヘノ ノソウキンニツイテノ コトヨ」

「ソウカ、ワスレテイタ。ソウダッタネ」

「サッソク、ホンダイ ニ イクネ」

「ホンダイ?ソコマデ ジャパニーズ イケルンダ。オッケーヨ」

「レンポウノ ソウサトウキョクガネ コタニショヘイメイギデ イホウトバクギョウシャノ ドウモトノ コウザニ キュウカイニ ワタッテ コウガクナ ソウキンガ カクニンサレタノヨ」

「キャサリン、コレニハ フカイワケガ アルンダヨ・・・」

「ドーユーコト?」

「プライベートナ コトハ アマリ イイタクハナイケド・・・」

「ダイジョブヨ。ガイブニハ モラサナイカラ。ボスモ ヤクソクシテイルワ」

「ソウカ。ソーユーコトナラ・・・」

「ワルイヨーニハ シナイカラ・・・」

「ツマリダナ。オレノ マザーガ フジノヤマイデ リョウヨウチュナンダガ コガクナ チリョヒガ ハラエナクナッタンダ・・・」

「ソレデドーシタノ?」

「マガサシテ スポーツトバクニ ハマッテシマタンダ。イッカクセンキン をユメミテネ・・・」

「ソンデ、モカッタノ?マケタノ?」

「カッタ & マケタデ ナンジュウオクエンモ ソンヲシタンダヨ・・・」

「ソンデ ドシタノ?」

「ソンデモッテ コタニショウヘイニ ソウダンシタ・・・」

「オコラレタデショ?」

「コタニハ キチョウメンデ マジメナ オトコダ。そりゃオコラレタサ・・・」

「ソンデ ショヘイハ ドウシテクレタノ?」

「ジブンノ パソコン ヲ ヒライテ セキュリテー ヲ カイジョシテ フリオミサキニ ソウキンシテクレタ・・・」

「アナタニハ カッテニ ソーキン デキナイモノネ。アメリカデハ カッテニ

タニンノ コウザカラハ ソーキンナンカ デキルワケナイモンネ」

「ソーキン ゲンドガクノマックスデ キュウカイモ シテクレタンダ。リチギダロウ?ニホンノ サムライノ カガミダネ・・・。デモ、オコラレタヨ。カケゴトナンテ モウ シナイデヨ。カタガワリハ コウガクダケド キミノ オカーサンニ メンジテ コンカイダケダヨ、ッテ イッテクレタ・・・」

「イッペイ、ソレハ ウツクシスギル ハナシヨネー。カンドシタ・・・」

「ソーナンダヨ」

「ツマリ、ショヘイガ アナタノ シャッキンヲ カタガワリ シテクレタトイウコトヨネ。ソレニ マチガイナイ?

「マチガイナイ。ショヘイヲ ホコリニ オモウヨ・・・」

一夜明けて

「キャサリン、アノハナシハ ナカッタコトニシテクレ。ソーキンモ カタガワリモ ゼンブ・・・」

「ヘイ、イッペイ、イマサラ ドーユーコト?」

「ツマリ、ゼンブ ウソダッタ トイウコトサ・・・」

「ナ、ナットク デキナイワ。MLBトカキュウダン ヤ ダイリニン カラノ アツリョクガ アッタンジャナイ?」

「ノーコメントダ・・・」

「ソレハ ノーグッドヨ」

「ゼンブ ボクガ ワルインダ。ショヘイノ コーザンカラ カネヲ ヌスンダ・・・」

「ナニヲイッテルノ?アンタ、ショヘイヲ マモルタメ、ヨゴレヤクヲ カッタワケネ。タシカニ、スケダチ(カタガワリ)ハMLBノキヤクイハン ニ テイショクスルシ、ショヘイハ アナタノ カケゴトノシャッキン ヘンサイデ ホージョニアタルノデ、MLBカラハ スウカゲツカ イチネンノ シュツジョウテイシモ アリウルカラ?」

「ノーコメントダ」

「ショヘイハ ナンテイッテルノ?」

「ナニモ イッテナイ。ボクガ スベテ ワルインダト イウコトニナッテシマッテイル」

「ソーイウコトネ・・。アタシハ モーシラナイカラ・・・」

数日後、小谷正平は記者会見を開き、申し合わせ通りのことを述べて、シーズンに突入した。もう一平殿は有罪を主張し刑に服するしかない。思い残すことはないという思いだった。

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