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アニメ聖地巡礼、コンテンツツーリズムに関することアレコレ。「アニメ地域おこしフェア」渋谷ヒカリエ8F 10/1 - 2

アニメ聖地巡礼における「溜まり場」を考え直す

2022-10-26 10:13:23 | 日記

アニメ聖地巡礼における「溜まり場」

 

・ファンが集う「溜まり場」

 

休憩所であり、交流の場となります。

場所としては観光案内所の一角、地元の飲食店、旅館あたり。アニメ作品に謂われがあると溜まり場になりやすい。「作品に登場した」をはじめとして、作品のロケ時にスタッフが頻繁に利用し、サイン色紙が貼ってある、とか。店主が作品のファンで、店内にポスターやフィギュアなどわかりやすい目印がある、というところも溜まり場になりやすい。

なんにしても、店主、責任者がファンが集うことに理解があることが第一です。

アニメ聖地が辺鄙な場所だった場合、飲食店や休憩スペースが少ないことがあります。そうしたときにこうした「溜まり場」があるとファンとしては安心です。

 

「溜まり場」におけるファン行動として、「ファン自身の所有物を置いていく」というアクションが発生します。フィギュアやガイドブック、ポスター、タペストリーなど、アニメグッズを「溜まり場」に置いていくんですね。

置く人の気持ちを考えると、稲荷神社にキツネの置物を置いて願掛けをする風習がありますが、あれに近いのではないかと思っています。

 

一方で、たとえば喫茶店の場合、店主の趣味やセンスで営業をしているわけです。そこにフィギュアを置くことは「侵食」であるともいえる。アニメファン自身の色に店内を染め上げようとする行為です。お店側としては痛し痒しでしょう。お客さんが増えるのはありがたいし、喜んでもらえるのは嬉しい。しかし、自分の店なのに、自分の思い通りにできないもどかしさ。

とある商工会ではファンに向けて「寄贈されたフィギュアやポスターなどは店主の裁量に任していることを了解した上で、寄贈するように」と伝えています。

 

・古参勢と新参者

 

アニメ聖地巡礼は10年越えの地域が増えてきました。コンテンツと地域が長く関係を築いていくことは喜ばしいことです。

ただ、10年となると、そこかしこに軋みが生まれるようです。それがこの古参勢と新参者問題。

アニメ聖地巡礼はなかなかハードな趣味です。交通費、宿泊費、食費やお土産。地域におけるボランティア活動も加わります。お金と時間をかけた楽しみです。10年越えの地域にはそれを10年も続けている人がいるわけです。

愛着が湧いて当然です。ただ、愛着は、執着にもなります。10年もあれば、仲の良かったアニメファン同士でも「あいつは気に食わない」と仲違いすることもあるし、マナーの悪い新参者を跳ね除けてしまうこともあるでしょう。ただ、マナーが悪いといっても、地域のルールを知らないだけで、10年前はみんなそうだった、ということも多い。

そして、愛憎の激しい人ほど、ボランティア活動に熱心だったりして、地域への貢献度が高いこともよくあるわけです。

コミュニティあるある、ともいえます。

 

・「ゲーセン」溜まり場の先達

 

そんな「コミュニティあるある」を良い感じに丸く収めるにはどうしたらいいのでしょうか。考えたのが、ゲーセンです。僕は格ゲー好きとして、90年代はゲーセンに足繁く通っていました。バーチャファイター、鉄拳など3D格闘ゲームをやりこんでいまして、ゲーセン内のコミュニティとも親しくなりました。

ふと思うのは、古参勢と新参者の諍いは、ゲーセンコミュニティではさほど目立たなかったな、ということです。ないとはいわないけど、認識するほどではなかった。

理由のひとつに、コンテンツの入れ替わりがあるのではないか。

バーチャ勢を取ってみても、12ではコミュニティメンバーが若干入れ替わるし、23でも入れ替わった。僕は12はラウを使っていました。ただ強すぎたので、3になって鷹嵐にしました。鷹嵐は弱すぎて、毎回、ヒリヒリする試合ができるので楽しいキャラクターです。それが、45で消えたんですよね。そこでバーチャから身を引きました。

これは同シリーズの話ですが、格闘ゲームそのものの流行もコミュニティに変化を与えます。3D格闘ゲームが好き、と書きました。一方で2D格闘ゲームも当時は隆盛を極めていました。ゲーセン内に2D格闘ゲーム側が盛り上がってくれば、3Dのこちらは身を引かざるを得ない。

ゲーム内容の変更、ゲームコンテンツの隆盛でゲーセン内のメンバーが変化するのがゲーセンコミュニティの特徴です。

 

かたまりがちな地域のアニメファンコミュニティへ流動化を促すためには、コンテンツの入れ替えが必要なのかもしれません。入れ替えといっても、もちろん元の作品が消えるわけではありません。積み重ねるイメージでしょうか。

固執しがちな人には「これは自分に関係が薄いな」とちょっとクールダウンする時間にしてもらう。そして、敷居が下がり、新参者が入りやすくなる。

 

当時のゲーセンの盛り上がりは、新しい格闘ゲームファンが次々と現れることが大きかったと思うのです。良い雰囲気のゲーセンには、誰が新参でも、誰が古参でもどうでもいい、皆で楽しめれば良いじゃないか、という空気があった。

聖地巡礼コミュニティが参考にできそうなところが当時のゲーセンにはあると思うのです。