なみもよう

詩やら短歌やらをかきます

うたをくれ

2019-06-21 01:41:50 | 
きっとみんな悲しみが欲しいんだろうな
幸せを知らなきゃそれは分からないから

全く無意味なことにだって
意味があるって思いたくて
こうやって言葉を紡いでいる

こんなに傷ついて
でも自分を辞められない
それが生きるってことだなんて
くそくらえだ

全く無意味なことなんて
ないんだって思いたかった
そんな日々を送っている

こんなに傷ついて
でも自分を辞められない
それが生きるってことだったんだ
なんて虚ろだ

傷ついた私が私を救うためのうたを
傷ついた私が明日も生きるためのうたを
傷ついた私が今呼吸するためのうたを

悲しみも苦しみも痛みも虚しさも
包むようなうたをくれよ

人間やめたい

2019-06-21 01:39:33 | 
ああ、人間なんかに生まれたくなかったな
そしたらもっと
純粋でいられたろうな

ああ、君となんか出会わなきゃよかったな
ごめんね嘘だよ
怖気づいてるだけだ

テンプレートを追えば追うほど
あたしは自分が分からなくて

型にはまろうとするけれど
はまれる型なんかなくて

もういっそ一人にしてくれ
そんな強がりすら言えなくて

好きだよって痛む心だけが
あたしなんだよ
それだけなんだよ

ああ、こんな気持ち知りたくなかったな
ごめんね嘘だよ
怖気づいてるだけだ

好きだよ
それだけなんだよ

好きだよ

あなた

2019-03-30 01:54:58 | 
あなたはいつも
わたしの知らない
私を見つけて笑うの

あなたはいつも
わたしが言えない
ひとことを言うの

あなたはいつも
わたしの知らない
愛をくれるの

こんな世界なら滅んじゃえって
何度思ったか分からないけど

こんな世界の小さな喜びを
あなたはわたしだけにくれた

欲の在処

2018-12-27 02:46:54 | 
欲しいものが少なかったら、がっかりすることも少ないだろう。

ただその少ない欲のうち、一つ満たされなかったら
きっとそれは大きな穴だ。

贅沢言ってなくたって、満たされないのは一緒。
ぽっかり空いた穴を、埋める何かを探す。

寂しがりやは静かに震えて、夜明けを待っている。

にんげん

2018-12-11 10:21:01 | 
誰だって誰かに解ってもらいたい。

それは1人では生きられない私たちの初源的な欲求のはずなのに、それを自己顕示欲と混同したのが不完全だった。

何を言ったって伝わらないと絶望するのに容易なほど、言語は不完全で、
こんな私たちを卑下するのに適当な言葉は、腐る程ある。

死にたいと望むのに十分な苦しみは、きっと山ほどある。
でもその苦しみよりずっと、死にたがるなというメッセージが苦しい。

あなたにとっての天国は、誰かにとって地獄かもしれない。
押し付けじゃない善意などないから、私は誰にも期待しない。

傷つけたいわけじゃなくて、傷つきたくないって抵抗したいだけ。
あなたのサンドバッグはどこにもいないんだよ。

誰もみんな、かわいそうな見世物じゃないんだよ。

寂しくて何が悪い

2018-08-04 11:46:24 | 俳句・短歌
切れかけの歯磨き粉を絞り出す時みたいな孤独が連なっている

いつの日か君を嫌いになるまでにこんな気持ちは忘れていたい

敵とそれ以外に分けるのに疲れもうどうにでもしてくれ世界

気にしないふりだけ上手くなりました痛くないとは言えない傷も

もうみんな嫌いだと泣き喚いていたそうすればまだ人でいられた

自分に絶望したくない

2018-06-14 20:07:29 | 
死にたいんじゃない、居なくなりたい。
そんな人特別じゃない。
その事実の方が辛い。

死にたいんじゃない、上手く生きていきたい。
回遊魚は止まったら死んでしまう。
器用に泳げない彼らを哀れむ人はいるのかな。

死にたいんじゃない、ならなんなのさ?
自分が自分を殺そうとするんだよ。
自分の敵はいつでも自分なんだよ。

死にたいんじゃないんだよ。
死ぬしかないと思ってしまうんだよ。
そんな自分が、生きたい自分と殺し合っているんだよ。

死にたいんじゃないんだ。
だから、今日も中身がずたずたになっていくんだ。

今、私は宙に舞う

2018-05-27 20:00:44 | 
私の気持ちは私が分かっていればいい
そうは思えど、私自身も分からない、解らない

自分が全て分かったら、君の全ても分かるはずだ
肥大化した自己と戦う日々だ

深淵を覗くものは深淵からも覗かれる
逃げ道への誘導は擦り切れた文句だ
それでも戦い続けるのは、誰かの為に生きたいから

自分だけよければ全てがよくても、それで生きていける
その事実に呆然と立ち尽くす
なら、なら、なんの為に私は歯を食いしばり生きてきたのだ

私の気持ちは私だけがわかっていればいいのなら、
誰からも理解されなくても、それでも生きるに足り得るならば、
君に理解されない私にだって、価値がある
理解不能な私自身が、今日も宙に浮いた

平成ゾンビ

2018-04-12 07:41:49 | 
楽しみのひとかけらも残っていない街で、
愛しさのひとしずくも絞り尽くす。

昨日までの最新モデルは、今日には型落ちになって、
流行モデルは時代遅れになって、
ついて行けなくなった人をダサいと笑うシステムが社会で、

そんな社会の人々を、きっと愛していたはずで、そんなシステムに祝福され、僕ら生まれてきたはずで、

生きているだけでこんなにも、辛いのは、苦しいのは、迎合できないからだけじゃない、そう思わないとやっていけない。

そうして、絶対的な悪者を探して、絶対的な善人を探して、足を引きずって今日も歩いた。

願いと呪い

2018-04-11 07:38:44 | 俳句・短歌
私だけ世界から祝われぬような寂しさ隅で膝を抱える

愛なんてなくなったみたいな街で満たされようと二人藻掻いて

幸せの平衡感覚を失い一人都会を歩く僕らは

幸せの塊みたいなCMの歌を歌った願いと呪い