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「みんなのアムステルダム国立美術館へ」

2015-04-01 | 過去に観た映画
12年を費やして少年の成長を追ったドラマも大したものだが、
今作も負けてはいない!?10年間に及ぶ国立美術館全面改修
にまつわる奇想天外、且つ壮大な人間の記録だ!(誉めてます)
そもそも観る前にタイトル「みんなの」とは何ぞや?と思って
いた。そしたら2008年に一作目「ようこそ、」というのがある。
一体どういう作品なのかと思えば、何と2004年~2014年まで
世界的所蔵品を抱える国立美術館が閉館されていたのだった。
いや、分かりますよ。建物を見れば。あーもう改修しないと
ヤバいよね?というレベルの古さ。しかし何を10年もかけて
工事しているんだ?と普通誰もが思う筈、さてその内情とは。
あー愉快愉快。面白い面白い。失礼ながら、この争い総てが
非常にエモーショナル^^;で且つ民主主義に満ちている。もう
こんなバカ騒ぎなど信じられないほど、収蔵品そっちのけで
自転車道と歩行通路のことでモメる館側と市民。この美術館、
すごく面白い作りをしていて、美術館の建物内を自転車道が
通り抜けできるよう配置されているのだ。当初コンペで建築
デザインを勝ち取ったスペイン建築家の構想はサラリと却下、
デザインが重視か?自転車道が重視か?みたいな水掛け論が
治まらず、内部のデザインと合わせて工事は何度も頓挫する。
どんどん延びるオープン予定に頭を抱える館長は途中で交代、
新館長の座を狙っていた学芸員や、目玉の新作を落札できない
失敗談などドラマ性にも事欠かない配合力。と思うと内部の
スタッフ達は名画の修復や海外からの美術品収集に余念がなく、
特に日本から「金剛力士像」を取り寄せたオタク(爆)部長!には
満面の笑みと誇らしさが漲って彼の場面だけが常にバラ色だ。
何なんだこの、破格の面白さは!声をあげて笑うことが数回、
こういったすったもんだの戦いは、傍で見ているから面白い。
美術館と銘打っているのに、名画は置き去りかよー?いえいえ、
しっかりと名画たちも魅せてくれます。モメにモメた壁色でね。
こりゃもう行くしかない!みんなのアムステルダム国立美術館へ。

(真剣に笑う97分。しかし恐るべきはサイクリスト協会!強ぇ~)

★★★★☆

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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
へぇ~ (ヤスフミ)
2015-04-16 21:29:28
これってそんな映画だったんですね。
私はまた、アムステルダム美術館所蔵の絵画や
美術品を紹介する映画だとばかり思ってました。
実は私、今から20年ほど前にこの美術館には行ったことがあるんです。
あまり絵画等に興味がない私ですが、そんな私でさえ、
この美術館所蔵のレンブラントやフェルメールだけはよく覚えています。
絵画の紹介だけならパスしようと思ってましたが
なんだかおもしろそうなんで、ぜひ観たいです。
ちょうど今週の土曜日から、いつもの名画座で上映されるんです。
seanさんの感想を読んでよかったぁ。
返信する
ところで (ヤスフミ)
2015-04-16 21:43:13
「ようこそ、~」は観ていないんですが、
だいじょうぶなんでしょうか?
返信する
ヤスフミさん♪ (sean)
2015-04-16 23:14:54
まぁ!なんとタイムリーな!
ぜひご観賞して楽しんできて下さい(爆)
もちろん絵画も出てきますよ^^;
てんやわんやのその中にも…あちこちに…

ようこそ、は観ていなくて全然大丈夫です。
私も観てませんから^^;

じゃあヤスフミさんは自転車道も見てるんですね?その時に。
私は一番そのあたりで笑えました。
あと日本文化もいいですv金剛力士像v
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