sean's cinema

seanの映画の部屋へようこそ。

「蝉しぐれ」

2005-10-20 | 過去に観た映画
大好き♪な藤沢周平原作の映画化。今までは山田洋次が監督でしたが、
今回は黒土三男がメガホンをとったそうです。
大好評だったドラマの方の脚本もこの人が書いたものだそうです。
あぁーでも不覚だ(汗)だってこのNHKドラマの方を観てないんだもの。
内外で大評判となり「モンテカルロ国際テレビ祭」でグランプリを受賞。
文四郎を演じた内野聖陽と、おふくの水野真紀がとても合っていて良かった
と、誰もが仰いますねー。そうなんだー。観とけば良かったな。ガックシ。
そういや我が家の母親も(もうかぶりつきで♪)観ておりましたね…確か^^;

「たそがれ清兵衛」の清兵衛キャラに惹かれる私にとって(爆)
文四郎キャラはもっと!もっと!でしたね。藤沢作品は、剣の腕は一流で
いつまでも地元民であり続ける下級武士の姿を描くのが得意ですが、
なんかこれって彼の生き様を反映しているかのような感じがしました。
例えば今回の作品も、どんなに映画化を持ちかけられても、まるで応じず、
大変だったらしい。なかなか江戸へお出ましにならない(汗)小藩の侍みたい。
だけどそんな人が描く世界だからこそ、あの情景が出せるんだろうな…
清兵衛にしても、きっと男の人からみれば、情けない?もっと出世しろい!
と言いたくなる生き方ではありますが^^;私は好きなんですよねー(爆)

今回は相思相愛の幼なじみの二人が、藩の派閥抗争に巻き込まれ
20年に渡り数奇な運命を辿るお話です。小川のシーン、坂道の大八車のシーン、
欅御殿を訪れるシーン、おふくとの再会シーン…。20年かけて育まれた想いが
決して叶うことはなかった運命の皮肉を感じさせながらも、誰かを想い続ける
気持ちが、こんなにも人を強く成長させられるんだな…と実感しました。
とにかく画面から伝わるのは、おふくの文四郎への想い。好きで好きで
たまらないのに、一緒になれない。江戸に入り側室になり、子供を宿しても
ずっとその想いは変わらなかったのでしょう。時代が時代ですから(汗)
好きな人と添い遂げられないことは普通にあったでしょうが、傍にいた人が
もう手の届かないところへ行ってしまうのは哀しく、やりきれないことです。
あの時逢えていれば…あの一言が言えていれば…と、後悔先にたたず(汗)
だけど、おふくの立場になったとして、自分の好きだった人が命をかけて
自分と子供を救ってくれたとしたら、もうそれで十分だと納得するしかない。
口八丁、手八丁の人には絶対に為し得ない、まっすぐな想いがそこにあります。

えー。このまま…もう二人は…?(T_T)と思うラストへの導入部分で、
それまで自分の想いを行動でしか示さなかった文四郎が、彼女に向かって
呼びかけた時、ほろほろと涙が出ました。実に淡々と(不器用だから~)した
文四郎の口から出るその呼び名は、これまでずっとおふくが待ち望んでいた
台詞だったのかもしれません。あのシーンの染さま(爆)良かったですねぇ…。

私が山田洋次を好きだからなのかもしれませんが、前二作と比べると
人物描写と剣の鍛錬のシーンがあまり深く描かれていない感じがしました。
2時間強にすべてを凝縮させるのは難しいと思うのですが、全体的に綺麗に
まとめられていて、あまり心に引っかかる(汗)部分がありませんでした…^^;
切ない情感を出す演出が深かったら、もっと感動できたかなー。

だけどひとつだけ心に決めました(汗)
今まで清兵衛さま一筋…な自分でしたけど、文四郎さまに乗り換えます!
立場をわきまえない妄想ですので(爆)どうぞ勘弁してくださいましm(__)m

この作品は…☆4.3(文四郎さま~!私もヘビに噛まれましたーっ!!(^O^))
公式サイトはこちら




コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「セブンソード」 | トップ | 「理想の恋人.com」 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

過去に観た映画」カテゴリの最新記事