熱帯性ガール

イントロからゾクゾクワクワクするような野生ビート弾けるアフリカンリズムで祭曲が始まる。
インパクトが大きいホーンセクション。ノらないわけがない。
多重音奏のようなコーラスたっぷりな点もUPテンポに拍車をかける。

歌唱メロディは歌謡曲なのだが、メジャー系のビートにEギターの支援で明るい歌謡ロック調なのが楽しい。
Ｂメロでサビに続くコーラスとの掛け合いが絶妙。

歌唱はいたって、しなやかに力を抜いた艶やかな声色が多く、アンニュイな印象。
エキゾチックに挑発する魅惑的な女性の恋模様の世界観。

♪プールサイド、波、灼けた肌、稲妻など
いたるところに「夏」のキーワードとなる歌詞の羅列。
やはり作詞家は森　雪之丞。
後期の石川秀美作品にはたくさんの歌詞を提供してくれた。
18thシングル：春霞恋絵巻の夏バージョンのよう。

作曲、編曲は難波　弘之。←ココニコノキョクヲテイキョウシタアカシガアルヨ・クリックシテ・ミテミテ！　
通常版シングル：LOVE COMES QUICKLY～霧の都の異邦人～のSide_B：CLOUDY SUNDAYにさよならをでも彼の作品が起用されている。
また、アルバムでは前年の１９８５年の12thアルバム：iより、
♪愛の素描、♪Miss Lonelyの舞踏会の曲を作詞の森　雪之丞とのタッグで石川秀美に提供している。

ちなみに♪愛の素描のレヴューを書いたのが2005.04.17によるものなので、再度読んでみて思った事がある。
やはり現在と同じ想いがあるのは、「石川秀美：森雪之丞／難波弘之／難波弘之」歌：詞：曲：編というバランスが非常に良くとれていて、とても良い作品を創り上げたベストチームである事。もっと他にもたくさん曲を創っても良かったのに、と断言できるのである。

さて、MUSICメーカーの難波弘之氏のサイトにも載っていた●石川秀美「熱帯性ガール」
なにより、この曲のアレンジがとても素晴らしい。
ジャングル・リズムなのもそうだが、キャッチーで派手なUPテンポ曲という点が石川秀美の持つ明るい性格と融合している。
そして、石川秀美は夏の女神。この曲でターザンならぬ、ジャングルの姫といったところか。
まさに熱帯性ガールである。

間奏のEギターもエフェクト効果をかけていて、ギラギラ感が増発！
Bridgeにてのジャングル効果音とコーラス。すごい！これはすごい良い。

石川秀美の夏歌特集で一枚組んだとしたら、必ずこの曲は収録するであろう。

地味すぎてパッとしなかった20thシングル：LOVE COMES QUICKLY～霧の都の異邦人～より、
この曲をシングルのSide_Aにしてた方が良かったのではないだろうか？！

と言いつつも２０歳を迎えて歌手生活５周年の石川秀美にとって、等身大の大人の女性像でのイメージ戦略によるものに傾倒していったため、
ある意味、この曲はお遊び感ありな、特別企画の１２inchシングルに収録されたところと想像する。

この付近にリリースされたアルバムに収録したとしても、ちょっと浮いてしまう。
セールス、ランキングとも残念な結果になってしまったので埋もれた名曲であるのが無念。（オリコンデータ最高位：#74/1,450sales）
超もったいない。こんなイイ曲を。

さらにレコードのみに収録され、今後発売されるベストＣＤには収録されずで、個人的にも悔しい想いだったのだが、
２００４年５月２６日。
遂に！発売となったベストボックス：石川秀美BOX～Complete　Single　Collectionにようやく初ＣＤ化となったのはとても嬉しい事であった。

ＣＤの音層でクリアーに聴こえるとよりアガル。
１８年間の希望が報われたので、より一層愛着が沸くこの曲。

さぁ！８月です。熱帯性な季節にドンドン！この曲のように楽しい夏を過ごしましょう！