The Diary of Ka2104-2

散文詩「生きる」 ー 石川勝敏・著

 

 

     散文詩「生きる」       石川勝敏

 

子供はただ時間の流れに沿って何食わぬ顔で生きている

暑いも寒いも本当にはよく知らず

大人はすぐ逃げる

何が危険でどこが安全かよく知ってるから

すずめに至っては

戦争が起こったことも知らない

 

不動産屋さんにからんで

昨日はよく眠っていない

ただ休憩で横になってたらずいぶん深い時間になっていて

疲れ切った頭は眠ることをよく知らず

そのままになった自身がいる

小出しに

物件のこと契約のこと

否定的なところを出してくるもんだから

公園にやって来てかわいいすずめたちが近づいてきても

私の視点はあっち行ったりこっち来たりとめどない

すずめにフォーカスかけにくいのに似ていて

 

地上をはうアリは死にかけの虫をよく知っていて

甘い物には目がない生まれだ

私はどうか?

慰労金でなく支援金だったら受け取るのに

こもれ日の中で頭が思考を停止した

心地いいのは前線に吹き込む風も寄与していて

きまぐれでなくすべて未来はそれでいいと断じた

 

子供は男が欲しかったり女が欲しかったりするだろうか?

いいえ

その時々に応じてお父さんが欲しかったりお母さんが欲しかったりする

私は大人なので

欲しいものがあって努力せども得られないなら

すぐ逃げる

すぐ他のものにすがる

もう随分歳が過ぎたな


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