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派の瑠璃の体力はす

2013-10-16 15:44:32 | 日記
Δ祟]を掻く。
「ねえってば! みんなも一緒だよ!」
「え?」
 その言葉に振り返ると、そこには数名の子供がいた。海軍に入る前まではよく一緒に遊んだこの近くの子供達だ。
「翔輝お兄ちゃん! 一緒に遊ぼ!」
「お兄ちゃん! 遊ぼ!」
「遊ぼうよ! 翔輝お兄ちゃん!」
 あっという間に翔輝も子供達に囲まれてしまった。体中にくっ付いて来る子供に翔輝は慌てる。
「ちょ、ちょっとみんなッ! 抱き付かないでよ!」
 ふらふらと転びそうになるが、すぐに立て直す。
「ねぇ翔輝お兄ちゃん! 早く一緒に遊ぼッ!」
 加奈子はぐいぐいと翔輝を引っ張る。
「ちょッ! ちょっと待って!」
「お待ちください!」
 そこへようやく人々の波から解放された瑠璃が戻って来た。瑠璃の服はちょっと乱れているが、彼女は気にしていないらしい。
「翔輝様は私と一緒にいたんですのよ! 勝手に連れて行かないでほしいですわ!」
 結構本気で怒っているようだ。自分の年より半分くらいしかなさそうな子供に本気で怒るのはどうかと思うが。
「さぁッ! 翔輝様を返してください!」
「なら瑠璃お姉ちゃんも遊ぼッ!」
「え?」
 加奈子の言葉に他の子供達も「そうだよ!」「一緒に遊ぼうよ!」と賛同。驚くのは瑠璃の方だ。
「え? 私は、その???」
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「ほらッ! 早く行こうよ!」
 子供達に手を引かれて、瑠璃は「お、お待ちくださいませ! まだ心の準備が――」と言いながら連れて行かれた。そんな瑠璃を見て、翔輝は苦笑いしていた。
「ほら、翔輝お兄ちゃんも!」
「はいはい」
 加奈子に手を引かれ、翔輝は瑠璃の後を追った。

「つ、疲れましたわぁ???」
「ははは、お疲れ」
 お昼には皆も昼食を取る為に家に帰っていまい、ようやく二人は解放されて霞家に戻る事ができた。
 軍人なので体力には自信のある翔輝とは違い、インドア派の瑠璃の体力はすぐになくなってしまい、後半はほとんど傍観者になっていた。
 そして今もくたくたになった身体を畳の上に投げ出して横になっている。本当は貴族として床にそのまま横になるというのはあまりいい事ではないのだが、どうやら今回はそれすらもできないほど疲れているらしい。
「も、もう一歩も動けませんわ???」
「少しは運動したらどうだ?」
 翔輝が笑いながら言うと、瑠璃は首を横に振った。
「貴族である私は運動なんてしなくても良いのです。私が何もしなくてもまわりが全てやってくれますし。それに――」
 瑠璃は少しふてくされた顔で翔輝を見詰める。
「動いたら負けかなって思ってますし」
「うわぁ、ニートの発言だ」
「ち、違いますわッ! あんな社会のゴミクズ達と一緒にしないでほしいですわッ!」
「おいッ! 日本中から集中砲火をされそうな発言はやめろッ!」
「事実ですわ。あんな方々がいるから日本は先進国なのに欧米に負けるんですわ。天下りとか消えた年金とかドラックラグとか」
「それは完全に役人の問題だよねッ!? ニートとか関係ないし!」
「そんなの主観の相違ですわ。ニートのせいで日本はおかしくなるのですわ」
「だぁからッ! ツッコミづらい発言はやめろってッ!」
「『僕らが不幸なのは社会のせいだ』なんて妄言を言う人間なんて、生きている価値なんてありませんわ」
「だぁからッ! やめろってばッ! あの人達だって、仕事がしたくても仕事がないって人達だっているんだ!」
「確かに、そういった方々もいますわ。ですが、自ら働く事を諦めた人間のクズみたいな方々もいるのも事実。ほんと、日本も落ちる所まで落ちてしまったんですわね」
 わざとらしく大きなため息をする瑠璃。翔輝もため息して頭を抱える。
「つーか、完全にこの時代から脱

嵐と新たな絆

2013-10-14 14:57:21 | 日記
発の計五〇四発。両艦合わせて計九六六発にも及んだ。

 攻撃を終えた艦隊は早々に撤退した。
 途中安全海域に待機していた『飛鷹』『隼鷹』と合流し、再び上空直援を受けながら艦隊はトラック島に帰還した。

 だが、事は全てうまくいった訳ではなかった。
 輸送部隊は無事にガダルカナル島に到着。物資の揚陸を開始した。しかしヘンダーソン基地の残存敵機がこれを空爆。輸送部隊に打撃を与え、揚陸物資はそのほとんどが焼失した。
 結局、最も重要な兵力?物資補給は、失敗に終わった。
どうも、いつも読んでくださりありがとうございます。
えっと、今まで春休みだったので一日一話とか二話投稿できましたが、明日からは学校があるので遅れると思います。
すみませんが、そこのところはご了承ください。
これからもがんばって修正するので、最後までどうか見捨てないでください。《五十鈴(いすず)》
 長良型軽巡洋艦二番艦――軽巡洋艦『五十鈴』
 出身 浦賀造船所(神奈川県)
 身長 157cm
 髪型 三つ編みhttp://www.vc04.com
チャンルー ネックレス
チャンルー キムタ
 実年齢(1942年10月現在)9歳
 外見年齢 15、6歳
 誕生日 8月15日
 好きなもの 本?夕焼け?平和
 嫌いなもの 朝起きる事?コンタクトレンズ?戦争
 家族構成 姉?長良 妹?名取?由良?鬼怒?阿武隈
山本五十六や山口多聞といった有名な指揮官が艦長を務めた軽巡洋艦『五十鈴』の艦魂。完成当初こそは高速巡洋艦として水雷戦隊旗艦として采配を振るっていたが、太平洋戦争時にはもうすでに旧式化していた。しかし後に主砲などを外して高角砲を装備した《防空巡洋艦》となるが、速力重視の軽巡洋艦なので艦体が細く、期待したような性能は出なかった。対潜能力が比較的高く、第三一戦隊(対潜水艦部隊)旗艦となるが、対潜掃討という任務を実行に移す前に敵潜水艦の攻撃で撃沈される。そんな『五十鈴』の艦魂は三つ編みにメガネという外見をしていて、おとなしい女の子。外見通り本が好きという文学系の少女。オリジナル作品では登場しなかったが、外伝の《初月絶対防衛戦》でほんの少し登場したキャラ。艦魂年代史シリーズでは戦艦や空母のキャラはたくさんいるが、駆逐艦は基本は雪風などしかなく、後は外伝キャラだけだが、巡洋艦のキャラはそれすらいなかったので追加した。今のところ重巡洋艦代表は高雄姉妹が担当し、今回は軽巡洋艦の代表として出しました。これから先もちょくちょく出てくる予定。
 日本軍は敵基地艦砲射撃作戦が成功と判断。ガダルカナル島奪還の為に同島に待機していた陸軍が総攻撃を掛ける事になり、その支援の為に日本海軍は第二、第三艦隊を派遣した。
 第二艦隊は戦艦『金剛』『榛名』、改装空母『隼鷹』他、重巡洋艦『愛宕』『高雄』『摩耶』他一隻、軽巡洋艦『五十鈴』、駆逐艦九隻が参加。前衛部隊を任された。
 第三艦隊は空母『翔鶴』『瑞鶴』、軽空母『瑞鳳』、戦艦『比叡』『霧島』他、重巡洋艦四隻、軽巡洋艦一隻、駆逐艦には『雪風』他十四隻が参加。今作戦の主力を務める事になった機動部隊である。
 そんな日本艦隊の中、第三艦隊旗艦?空母『翔鶴』の会議室では艦魂達による会議が開かれていた。
「今作戦は機動部隊による航空攻撃でガダルカナル島の敵航空基地を空爆。これに止めを刺して陸軍第十七軍の総攻撃を掩護するものだ」
 金剛が淡々と説明し終えて席に座る。金剛は乾いた喉を潤す為に比叡が淹れてくれた紅茶を上品に飲む。常の彼女と真逆である。
 一方、作戦の要である空母艦魂の翔鶴、瑞鶴、瑞鳳、隼鷹は作戦書を見て空爆に関して話し合って

割れた面頬

2013-10-08 13:20:27 | 日記
れに腹も減っておる」
「これではじゃ」
 どうかとだ。彼等はふらぶらになりながら述べたのである。
「倒されるぞ」
「その通りじゃ。これではじゃ」
「褒美を貰う前にこちらがやられる」
「そうなるぞ」
 こうは言ってもだった。
 彼等は疲れと空腹で力が入らない。しかも判断力も鈍っていた。
 それは面頬の男も同じでだ。主の間でこう言うのだった。
「抜かったわ」
「ここはどうされますか」
「守られますか」
「守るしかない」
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「ここはじゃ」
「左様ですか。それでは」
「守られますか」
「槍じゃ」
 男はこれを使うと言った。
「槍を使え。それで迎え撃て」
「槍!?」
「槍ですか」
 だが、だった。槍と聞いた他の者達は怪訝な顔になって男に問い返したのだった。
「弓や鉄砲ではなく槍ですか」
「それを使われるのですか」
「?何かあるか」
 男は問われてもだ。まだ気付いていなかった。そのうえでの返答だった。
「槍で不都合が」
「いえ、だからです」
「敵はまだ城中に入っておりません」
「石垣や堀に来ております」
「ですからここは」
「そうじゃったな。弓矢じゃ」
 ようやくだ。男も気付いた。そのことに。
 それでその命を出した。だが、だ。
 この僅かの間の判断の誤りが戦局に影響した。戦というものは一瞬の過ちが全体に影響する。それはまさに今の三好の軍勢だったのである。
 一瞬だが三好の兵達は槍を持とうとした。だがすぐにだ。
「何っ、弓矢か」
「弓矢なのか?」
「槍ではないのか」
「そうじゃ。弓矢や」
 伝令役の足軽達が敵と対しようとする足軽達に伝えていた。朝もやの中で激しい戦になろうとしていた。
「弓矢で敵を迎え撃てとのことじゃ」
「わかった。ではじゃ」
「弓矢を出すぞ」
「そうするぞ」
「そして石じゃな」
 石垣や城壁をよじ登ってくる敵に向かって投げるものである。第八十八話 割れた面頬その一

                 第八十八話   織田軍の城攻めは続いていた。その中でだ。
 滝川は今度もだ。鉄砲を撃つことを命じた。
「撃て!」
「撃て!」
 命が繰り返されそうしてだ。鉄砲が撃たれた。それによってだ。
 三好の兵達の中に倒れる者が出て音に怯む者が出ていた。そこまで見てだった。
 滝川は今度はだ。こう命じたのだった。
「では忍の者達を向かわせよ」
「甲賀ですか」
「あの者達を」
「うむ、向かわせよ」
 忍の出である彼等をだというのだ。
「よいな。それではじゃ」
「はい、それでは」
「今度は」
「鉄砲での攻撃は続ける」
 これは止めなかった。敵を撃ちその音で怯ませる為だ。
 だがそれだけではなかった。滝川は忍を使うことも命じたのだ。その命を受けてだった。
 忍達が敵の隙を狙ってだ。門に近付きそのうえでだ。
 影の如き動きで門をよじ登りそこにいる兵達を蹴散らした。それからだった。
 門を占拠しそのうえでだ。門を開けてしまったのである。それを見てだった。
 信長は会心の声でだ。こう叫んだ。
「あの門から入るのじゃ!」
「はい!」
「それでは!」
 信長のその言葉を受けてだ。即座に青い具足の足軽達が津波の如く動いた。そのうえで。
 一つの門に殺到しその門から城中に雪崩れ込む。それを櫓の上から見てだ。
 面頬の男は怒号でだ。こう叫んだ。
「あの者達を押し返せ!」
「か、畏まりました!」
「では!」
「急ぐのじゃ!」
 男の言葉には明らかな焦りがあった。
「よいな、そしてじゃ」
「はい、織田の者達を押し返しましょう」
「何としても」
「他の場所からも兵を回せ」
 とにかくだ。男は城の中に入った

爆笑の渦に巻

2013-10-04 16:25:33 | 日記
邸?漳浮撼喑恰弧杭淤R』『翔鶴』『瑞鶴』だった。
 合奏隊が軍艦行進曲を演奏し、もうすでに目の前まで来ている機動部隊を歓迎する。
 たった一度の攻撃で世界最強の艦隊になった機動部隊は、今や日本海軍の中核となっている。そんな機動部隊を、皆輝いた目で見詰める。中には睨む者もいた。きっと彼らは航空機反対主義者や戦艦優勢主義の前時代的な考えの者達なのだろう。
 そして、ついに機動部隊の各艦が柱島軍港に接舷した。
 機動部隊の兵達を、柱島駐留艦隊の兵達が歓迎する。
 そして、『大和』の上の艦魂達の目の前がまばゆく光り、次の瞬間、多くの女性達が現れた。皆、大和達と同じく黒い軍服を着ている。それは士官服や下士官服、水兵服など様々だ。
「敬礼ッ!」
 真ん中にいた少し右側にずれた所で纏めたポニーテールをした少女が敬礼し、それに合わせて機動部隊の艦魂達が敬礼する。
 長門を中心とした駐留艦隊の艦魂達も答礼した。
「直れッ!」
 長門達が答礼をやめると、向こうも敬礼をやめた。
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 ポニーテールをした少女は長門の前に出ると、カッと踵(かかと)を揃え、再び敬礼する。
「第一航空艦隊旗艦赤城以下、真珠湾攻撃の任務を遂行し、只今帰還しました!」
 少女――機動部隊旗艦?空母『赤城』の艦魂が長門に報告をする。
 緊張感たっぷりの赤城に対し、長門は柔和な笑みを浮かべる。
「ご苦労様ー。ゆっくりと休んでねー」
 長門も笑いかけながら言う。そしてふと大和を来い来いと呼ぶ。
 大和は不思議そうに首を傾げると翔輝を見る。だが翔輝も首を傾げた。その間にも長門は大和を呼ぶので、大和は慌てて長門に駆け寄る。
 大和が来ると長門は機動部隊艦魂達に満面の笑みを向けた。
「紹介するわね。我が日本連合艦隊の希望の星。戦艦『大和』の艦魂よ。みんな仲良くしてあげてね」
 長門は大和をぐいと前に出す。
 前に押し出された大和は緊張しながらも自己紹介をする。
「は、始めまして! 戦艦『大和』の艦魂です! まだまだ経験知らずの新米艦魂ですが、皆さんの期待に応えられるよう前向きに努力します! 右も左も分からないふつつかものですが、よろしくお願いします!」
 ちょっと早口で大和は自己紹介を終える。
 すると、どこからともなく多数のくすくす笑いが聞こえてきた。
「え、え? えぇっ!?」
 大和は辺りを見回す、笑われている事に焦っているのだ。
 翔輝はやれやれという具合に大和の頭に手を載せる。
「あのな大和。嫁に来たんじゃないんだからさ???」
 翔輝の見事なツッコミは、艦魂達を大爆笑の渦に巻き込んだ。大和は恥ずかしさのあまり、顔を真っ赤にする。
「あ???う、少尉の、少尉のバカ!」
「あぐッ!」
 大和は翔輝の脇腹に肘を打ち込んだ。あまりの痛さに翔輝は身体を折ってしまう。
「こ、このッ!」
 翔輝は大和を捕まえようと手を伸ばすが、大和はするりと回避して距離を取る。
「痛いなぁ???ッ、お前、不意打ちは卑怯だぞ???ッ」
「不意打ちではありません。奇襲攻撃です」
 大和はきっぱりと答える。その返答に翔輝は呆れたようにため息を吐く。
「あのな、言い方を良くしても同じだろ」
「違います。不意打ちとは相手の思いもよらない攻撃をし、先手を取る事です。奇襲攻撃とは緻密に練られた奇策で敵を襲撃する事です」
「僕には同じに聞こえるけど」
 うんうんと他の艦魂達もうなずく。その反応に大和は「むぐ???」と言葉を詰まらせる。どうやら追い詰められたのは、大和の方らしい。
「そ、そんな事はないです! 不意打ちと奇襲攻撃は全く別のものです!」
「それは間違っているよ」
 突然機動部隊の艦魂群から声がし、二人は振り返る。そこには辞書

権左殿には加賀衆の詳し

2013-09-27 14:20:53 | 日記
「権左殿には加賀衆の詳しいところをお話し願おうか」
 十兵衛が言う。権左衛門は物々しさに辟易したかのように頬を引きつらせながら笑みを浮かべた。

 翌日、北部方面軍は坂井郡を立ち、稲葉一鉄隊と合流すると、加賀へと乱れ入った。
 一向宗の散発的な抵抗を受けながらも、五日間で能美郡、江沼郡を平定していく。これを伝え知った上総介は後続に柴田隊を派遣すると、権六郎に檜屋城、大聖寺城の修復を命じた。
 越前との国境付近にあるこの二城は、かつては加賀一向一揆衆の拠点であったが、朝倉氏との攻防の末に落城、焼き払われている。
 権六郎が大聖寺城のある綿城山に入ったという報告を受けたとき、太郎は藤吉郎たちとともに、より北部の能美郡に陣所を置いていたのだが、早馬が飛んできて、柴田権六郎より綿城山に引き返してくるよう通達があった。
「筑前殿はいずこに」http://www.bagsimpose.com
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 太郎は羽柴隊本陣の寺社に姿を現し、柴田権六からの指令により、一時部隊を引き返す旨、報告に上がった。
「本堂におります」
 使い番の教えられたとおりに行くと、薄暗い本堂では藤吉郎が一人、釈迦如来像の前で胡坐を組み、首を垂らしていた。
 派手な陣羽織の色彩もくすんで見えて、背中はいつもよりも小さく感じられた。何事かをぶつぶつと呟いているが、経を唱えている様子でもなかった。
 太郎は声をかけるのをためらった。
 すると、藤吉郎が気配に感づいたらしく、先にのそりと振り返ってきた。
「なんだ、おみゃあか」
 彼の瞳は、どこか恨めしそうで、陰に沈んでいた。太郎は目礼して中へと踏み入ると、甲冑を鳴らしながら藤吉郎の背後に腰を下ろし、柴田権六郎から通達があったことを述べた。
 藤吉郎は口を閉ざし、太郎をじいっと見つめてくる。
「檜屋城と大聖寺城の修復にかかっているようです」
「んなこと、知っているだぎゃ」
 と、藤吉郎は太郎から顔を背け、釈迦如来像を見上げた。
「おみゃあが大聖寺城の守将になることも」
「えっ」
 太郎は知らない。驚いて声を跳ね上げたあとは、当惑して視線を伏せた。
 釈迦如来の澄んだ目が藤吉郎と太郎の二人を眺め下ろしている。
「柴田殿が城の修復に入ったということは、これはひとまず終わりだぎゃ。おりゃあと明智殿は自領に戻るだぎゃあろ」
 藤吉郎が再び太郎に目を向けてきている。その眼差しはお調子者のサルとは考えられない、織田家臣羽柴筑前守の厳しい睨みであった。
「おみゃあは嫌かもしれにゃあけど、牛殿を呼ぶんだぎゃ。おみゃあはきっと加賀の平定を託されるだぎゃあけど、一筋縄ではいかにゃあ」
「しかし、父上はおやかた様の命を受けて西国の調略に奔走しています。呼び寄せたとしたら、父上はおやかた様の命に背くことになってしまいます」
「それでもいいだぎゃ。どうせ牛殿がおやかた様に折檻されて終わりだぎゃ。そんなのに構わず呼ぶんだぎゃ」
「なにゆえです」
 太郎は少しむきになった。
「父上がいなくとも、拙者はやれます」
「そういう意味じゃにゃあっ」
「ならば、どういう意味です」
 すると、藤吉郎は押し黙ってしまった。顔を虚ろげに伏せ、首を左右にかすかに振った。何かを言いたそうにしているが、言えない理由でもある様子であった。
 太郎は、その藤吉郎の様子を、わからず屋の若者を説き伏せられなくて嘆いている中年の姿だと見た。
「父上はすでに隠居の身となられたのです」
 と、腰を上げた。
「隠居した者に頼るような真似はしたくありませぬ」
 失礼、と、言って頭を下げると、太郎は藤吉郎に背を向け、本堂をあとにしようとしたが、
「太