赤飯は餅米に小豆やささげを混ぜて炊いた、おめでたい時にいただくおこわ。一方黒飯は黒豆を入れて炊いたもので、お葬式などの弔事にいただくおこわです。
北海道出身の友人たちと会ったときローカルフードの話題になったのですが、この黒飯が北海道ならではのものだと知りました。そしてみんな一様に「おいしい」記憶を持っていたことが「私だけじゃなかった!」という安心感をもたらしてくれました。
だって、弔事にいただくおこわが「おいしい」だなんて、なんだか不謹慎な気がして。
おいしいけど望んで食べられるものじゃない。お母さんに「作って!」なんておねだりもできない。めったに食べられない希少性がよけいにおいしい記憶を美化させているのかもしれません。
作ろうと思えばいつでも作れるのになかなか作れなかった黒飯ですが、今年その機会が訪れました。我が家の弔事である父の命日です。「黒飯が食べられる大チャンス!」だなんて思ってしまってすまぬ、父。でも、食べることが大好きだった父ならきっと喜んでくれているはず。
まずは黒豆。ネットでドライパックの黒豆を使ったレシピを見つけデパ地下で購入したのですが、我慢できずに味見したらこれが美味しくって(笑)あっという間に無くなってしまったので、せっかくだから豆から煮ることにしました。
ドライパック黒豆と同じメーカー、兵庫の小田垣商店さんの“近江黒豆”を見つけました。去年大阪から日本海方面へ向かう時に通った、あの丹波篠山の黒豆。どこまでも広がる自然の風景を思い出し、あそこで作ってるなら間違いないだろうと妙な自信が。
豆を煮るのに躊躇してしまうのが、水にひたす→時間をかけて煮るの長丁場なのですが、ナントうれしいことに炊飯器で豆を煮るレシピを発見。横着者なのでもちろん飛びつきました(笑)。
炊飯器にお任せ☆大豆の水煮♪黒豆でも by maynyan☆
2/3カップの豆に2カップの水を入れて炊飯器で普通に炊くだけ。一晩つけておかなくて大丈夫なの?と不安でしたが「一晩浸けなくてもふっくら」という言葉を信じてそのままスイッチオン。
途中ぶくぶくと紫の煮汁が吹き上がってきて「うわ、大丈夫?」と思ってしまったけれど、赤子が泣いてもフタは取るな!と言い聞かせて、炊きあがりを待ちます。
炊飯完了のブザーが鳴ったのでおそるおそる開けてみると…おおお!ちゃんと出来てる!! 錆びた釘なんて入れなくても真っ黒でつやつやに仕上がりました。
味見したら、これがまたおいしくて止まらない♪ 塩も砂糖も入れてないのに、豆のうまみだけで十分おいしいのです。やばい、味見じゃ済まなくなってきてる…。これじゃドライパックを食べ尽くした二の舞いになる
にしてもすごいなー炊飯器!こんなに簡単に豆が炊けるなら、大好きなひたし豆をはじめ、あれやこれや試してみたくなりました。「豆炊きモード」なんて付けたら絶対売れると思うのは私だけ?
豆好きとしては、これはいい発見だったな~。
翌朝、餅米に黒豆と塩小さじ1杯を加え、おこわモードで炊飯しました。そうして出来上がったのがこちら。
煮汁を少し入れたのでやや紫色がかった黒飯になりました。おこわはふっくらもちもちで、豆の炊き加減もちょうど良く、とてもおいしい!こんなに簡単に作れるなら、これからもちょくちょく作りたいなと思いました。
小田垣商店プロデュース!近江黒豆L玉 価格:900円(税込、送料別) | 近江黒豆は古くから丹波地方で作られていた黒大豆の種類の中から優良系統の種子選別を繰り返し伝承してきた小田垣商店の黒大豆で、大粒で美味なことが特徴です。近江地方は、その気候風土と生産者気質が手間のかかる黒大豆栽培に適しており、選別種子を使用し、滋賀の生産者によって育て上げられた大粒黒豆を「近江黒豆」と名づけています。丹波種と別種になり、粒先はL玉約10mm。煮あがりは黒々と煮あがり、煮やすい豆です。 |