「星の王子様」の言葉───「おとなは、だれも、はじめは子どもだった。(しかし、そのことを忘れずにいる大人は、いくらもいない。)」
子どものための詩の本を読むからといって、それを教科書のように読むのじゃない。子どもへの詩への考え方を通して、詩を書くときのヒントになるものを得るために批評的に読んでいきたいのです。
「基礎理論編」の――
(一 読者としての「子ども」)の章は、子供の発達段階に応じて、言葉がどのように深化していくか、が書いてあります。
P9 ケン・ウィルバーの自我の発生
P11 ジャン・ピアジュの精神発達の4つの主要な段階
よくいわれているように、3歳までに、幼児は自我の基礎的な部分を獲得するようです。
ここで、ますだきみとし君という幼児の詩が紹介されています。
あかとんぼがねえ
おじいちゃんのうちの
はなのところで
――(略)――
「三歳になると子どもたちが、これだけの言葉を用い、(いつ)どこで、誰が、何をして、それについてこう思った、という論理的な思考ができるということだけをいっておきます」
文章の基本的な5H1Wができあがってくる時期ということです。
(子どもの認識過程)
1 外界を知る
2 心的イメージ、シンボルを用いることができるようになる
3 対象物がどのように見えるかなど――他人の立場からも理解できるようになる
4 形式的操作期は青年期に始まり、身体的独自性やシンボルに基づく精神的行動ができるようになる
という、外界への認識が発達すると、それによって自己が打ち立てられるのです。
それで、ぼくたちが詩を書くときにヒントになるものを、ここでの説明から探すと――P15にかかれているように、
1 自分の中の「幼児性」に気づく
2 子ども時代を「追体験」する
3 子どもの心的世界を「再現」する
4 「遺伝子レベルの記憶」を引っぱり出す(無意識・前意識)
……………………………………………………………………………………………………
4項に書かれている「『子どもの コトバで』とはどういうことか?」のところで――
多くの童謡を書いた北原白秋の弟子の、与田準一の、「子どもの詩の理解」の要約が、よくわかります。
1 子どもの言葉は抽象的でない。具体的だ。
2 語彙が少ない。それで、おもしろい結合、が生まれる。
3 自他未分。汎神論的。
4 嘘と空想が区別しにくい。
5 空想家、ロマンチストだが、現実的でもある。
……………………………………………………………………………………………………
5項にある「『子どもの リズムで』とはどういうことか?
P22に書かれている白秋の言葉。
「童謡の表現には歌うべきものとしての調律を要し、童謡の表現には寧ろ極めて幽かな感情の流動を心に響かせ、サウして、さながら、自由律をも認容する」
「詩とは感情と生理だ」といったのは萩原朔太郎ということです。
子どもたちに見いだされる言葉たち。
リズム。驚きと発見。
世界――
まだ自我が確立する前だからこそ、常識的なものを打ち破り、言葉が活き活きとしていると思われます。時々、子どもたちの詩を読んで、固まった大人の脳を吹き飛ばすのも、いいかもしれません。
子どものための詩の本を読むからといって、それを教科書のように読むのじゃない。子どもへの詩への考え方を通して、詩を書くときのヒントになるものを得るために批評的に読んでいきたいのです。
「基礎理論編」の――
(一 読者としての「子ども」)の章は、子供の発達段階に応じて、言葉がどのように深化していくか、が書いてあります。
P9 ケン・ウィルバーの自我の発生
P11 ジャン・ピアジュの精神発達の4つの主要な段階
よくいわれているように、3歳までに、幼児は自我の基礎的な部分を獲得するようです。
ここで、ますだきみとし君という幼児の詩が紹介されています。
あかとんぼがねえ
おじいちゃんのうちの
はなのところで
――(略)――
「三歳になると子どもたちが、これだけの言葉を用い、(いつ)どこで、誰が、何をして、それについてこう思った、という論理的な思考ができるということだけをいっておきます」
文章の基本的な5H1Wができあがってくる時期ということです。
(子どもの認識過程)
1 外界を知る
2 心的イメージ、シンボルを用いることができるようになる
3 対象物がどのように見えるかなど――他人の立場からも理解できるようになる
4 形式的操作期は青年期に始まり、身体的独自性やシンボルに基づく精神的行動ができるようになる
という、外界への認識が発達すると、それによって自己が打ち立てられるのです。
それで、ぼくたちが詩を書くときにヒントになるものを、ここでの説明から探すと――P15にかかれているように、
1 自分の中の「幼児性」に気づく
2 子ども時代を「追体験」する
3 子どもの心的世界を「再現」する
4 「遺伝子レベルの記憶」を引っぱり出す(無意識・前意識)
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4項に書かれている「『子どもの コトバで』とはどういうことか?」のところで――
多くの童謡を書いた北原白秋の弟子の、与田準一の、「子どもの詩の理解」の要約が、よくわかります。
1 子どもの言葉は抽象的でない。具体的だ。
2 語彙が少ない。それで、おもしろい結合、が生まれる。
3 自他未分。汎神論的。
4 嘘と空想が区別しにくい。
5 空想家、ロマンチストだが、現実的でもある。
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5項にある「『子どもの リズムで』とはどういうことか?
P22に書かれている白秋の言葉。
「童謡の表現には歌うべきものとしての調律を要し、童謡の表現には寧ろ極めて幽かな感情の流動を心に響かせ、サウして、さながら、自由律をも認容する」
「詩とは感情と生理だ」といったのは萩原朔太郎ということです。
子どもたちに見いだされる言葉たち。
リズム。驚きと発見。
世界――
まだ自我が確立する前だからこそ、常識的なものを打ち破り、言葉が活き活きとしていると思われます。時々、子どもたちの詩を読んで、固まった大人の脳を吹き飛ばすのも、いいかもしれません。