KEY WORDS : Electronic Entertainment Expo : Worldwide Developers Conference : iPhone : iPod touch : Android G1 : 小 型ゲーム機 : apps Store : 購入動機 : 利用状況
▲Electronic Entertainment Expoを告知する公式サイトの1部
▼携帯電話用の「アプリケーション革命」
よいよ今週からスタートする《Electronic Entertainment Expo》や 《Worldwide Developers Conference》は、米一般紙全国版レベルでももちきりの話題になっている。下のNYT紙面の写真でもわかるように、中心はApple Appsのダントツ状態といってよさそう。日本時間6月7日の同紙記事は「the Mobile Apps Revolution」の見出しで、携帯電話用アプリケーションに「革命」が起きたとさえ伝えている。今回は閑話休題としてその内容に触れておこう。
▼iPhoneとAndroid G1のユーザー調査
NYTの記事は、シカゴのコンサル「Gravity Tank」社がこの4~5月に行った 調査をもとにAP通信の記者が書いたものである。調査の対象はiPhoneとAndroid G1のユーザー、つまりSmartphoneの中でも独自のOSを搭載し た人気の新機種ということになる。それもそれぞれがApps Storeを持ち、新たなユーザーを引き付けている機種だ。調査結果はそれほど驚 く内容ではないが、iPhoneやiPodtouchの画期的なApps状況を見渡すにはいい機会だから、速報をかねてここにまとめておく。
▲エクスポやコンファレンスを報じるNYTの紙面一部
▼最新SmartphoneのAppsはいよいよ本物に
人気の尺度としては、まずどれくらいの人がどのように利用しているのか。調査によると、Appsをダウンロードした平均点数は23.6、毎日利 用する点数は平均6.8という。しかもユーザーの約半数48%が、Appsを1週間に1回以上購入し、毎日30分以上の時間を費やしている。調査が言うように、Appsはいよいよ本物“Apps Get Real”である。しかも Android G1はまだ新参モノだから、こうした驚きはほとんどAppleにつ いてと考えていい。
▼iPhoneとAndroid G1の購入動機と利用状況
しかも調査が語るように、「Appsは携帯電話の利用の仕方、時間の費やし方、日々の生活の過ごし方」を変えつつあるという。利用するAppsの用途でいえば、32%がゲーム、31%が新聞、28%がGPSやMP3、 24%がTV番組を観る。だがそれだけではない。購入動機の74%がメー ルやスケジュールのチェック、同じ比率で1台の携帯が多様な機能を搭載するからという。おやおや、それではどこかの国で見た光景ではないか。67%が新しいゲームが使えるからと答えてはいるが・・・。
▲Android G1からも遅ればせながらAppsが
▼単なるスイス・アーミーナイフだろうか?
調査会社が語るように、まるで多用途一体のスイス・アーミーナイフ 状態である。しかしこの調査と記事が語るのは、かなり表面的な現象に過ぎない。日本の携帯電話が世界のスマートフォンに遅れをとっているとはいえ、機能だけはゲーム、新聞、GPS、TV番組、メールなどを搭載し、利用されている。問題は国内にしか通用しない稚拙な技術表現で終わっていることである。インターフェースの技術、ユーザーにも新しい経験をもたらす驚きがない。
▼「アプリケーション革命」の裏を読み取れ
それにひきかえiPhoneやAndroid G1は、ひとつの機能に多様なインタ ーフェースを持ち、ユーザーに驚きと新規の経験を与えるAppsが山積みである。機能は同じでも、「時間の費やし方、生活の過ごし方」の感覚はまるでスッポンと月といってよい。こうした新たな経験を生み出す遊びの要素こそ、もっと集約的に問わなければ、「アプリケーショ ン革命」などとはいえないはずである。次回を最後にAppsの具体的なジャンルや用途や分類で遊びの正体を見極めておきたい。一体、何が目新しいのか。