徒然草庵 (別館)

人、木石にあらねば時にとりて物に感ずる事無きに非ず。
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真田十勇士(2015年再演)名古屋楽&大阪楽レポート (ネタバレあり)

2015年02月10日 | 舞台



これがホントの【終演報告書】(笑)

名古屋は友人と母と連れ立っての「あらかじめ予定に組み込まれていた」観劇でしたが、大阪は(用事もあったので)急遽思い立って日帰り遠征を強行!それでも行った甲斐がある、と思えました。やっぱりこの作品にとって「大阪の地」は特別なんです!

終演後、カテコが終わって「完・全・に!」燃え尽きました!
思えば1/8(木)の初日からちょうど1ヶ月…幸村様がほぼ生活の中心でありました。
灰になって帰ります(ノ_T)。と、ウルウルしながら大阪駅への道を急いだのでした。


というわけで大阪楽レポを中心に、名古屋カテコレポなんかも併せて覚え書きにしておきます。


 ☆


真田十勇士(2015年再演)大阪公演千秋楽



2/8(日)
4時起床。5時出立。6時フライト。7時到着。
8時朝食。9時仕事のアポイント。11時移動。12時大阪城。
13時梅芸。17時新大阪駅。20時帰京。 

これが当日のスケジュールですw





一目だけでも見たかった!大阪城!(と石垣) 雨上がりの逆光でしたが、何とか行って来ました。大阪城!秀頼の「私はこの城を出ることはできぬ」や大野修理の「城は渡さぬ!」という叫びが脳裏に響く瞬間。舞台観た方なら、最上層の飾り板(金色の虎の絵が書いてある)に見覚えがありませんか?^^





「秀頼公の御武運いまだつきず」

こんなポスターみて今日の真田大阪楽観たら最初から泣いてしまうでしょうが!(T_T)
幸村様&十勇士たちの死闘を五感に焼きつけるため、いざ参戦!!!


梅芸のポスター


今日の観劇メモ



第一幕

≪大阪城本丸 大野修理・治房兄弟とのやり取りの後≫
東京からずっとあったオフマイクの会話なんですが、これまで書いていなかったので忘れないようにメモ。

幸村様「ははは…言うようになったわ(と、六郎を見て笑いかける)…お前も頼むぞ、大助!」←ここの「大助」って呼びかける所が少しウィスパリングっぽい響きですごくカッコいいのですv
大助「はい!」←めっちゃ嬉しそう!!!
六郎「殿…!若…!あっぱれ、あっぱれでござりまするぞ!!(と、扇子を開いて喜ぶが、すぐに「くぅ~」と嬉し泣きになってしまう)」
幸村様(あああ、もう!と言った困り顔で)「笑ったと思ったら、また泣いておる。湿っぽいやつじゃ。大助、ほら、慰めてやれ」
大助(そんな父を見て笑いながら)「はい、父上」→(六郎のところに行って)「ほら、泣くな」
六郎「若ぁ~~~っ!ううぅ~~(涙)」

幸村様が六郎の肩を叩いて励ましながら行き過ぎて、大助がむせび泣いている六郎を助け起こして退場するシーンは、何度観ても心がホッコリしますね。


≪めしやの出会い≫
ここは佐助がケガする前も初演とは大きく変更されていたのですが、回復したと思われる名古屋公演でも刀での立ち回りではなくなり、箸の飛び苦無=「新バージョン」でした。(※東京千秋楽メモ参照)

今日気づいたのは、佐助の飛ばした箸が才蔵の手には握られていなかったこと!目にもとまらぬ速さで叩き落としたとか、ね?(笑) ←再演の最初の殺陣バージョンでも、甚八や小介も軽くあしらう腕前を見せた佐助をあっという間に後ろ手に捻りあげてノシちゃったからw才蔵さんよーしゃないわーwとウケてたのを思い出します。

才蔵と佐助というと、東京後半での追加アドリブ@真田丸!!!

佐助「えっ、才蔵、もう行くのか?」
才蔵「ああ」(立ち去ろうとする)
佐助「なあなあ才蔵!!(才蔵、立ち止まる)…あのシュッて投げてボンッてなるやつ、俺にもくれよー(または「作り方教えてくれよ~」)

才蔵、何とも言えない表情で佐助を見るが、無言でスルーして退場するという。この時の才蔵の「一瞬固まった」反応がおかしくて爆笑!
この二人のキャラの対比がまた…直前のシーンで「クソ真面目」を絵に描いたような才蔵が拝めるだけに笑いも倍増!!たまらないですwww


≪本丸侵入≫
名古屋公演では佐助の「秀頼の寝所忍び込み」は屏風の裏から登場になってましたが、ロープアクション復活!!!直前のハケから「一気に舞台の天井まで移動するために走れるようになった」ってことで。良かった&やったね!!!

≪佐助へのお仕置き≫
佐助「アンタ、ほんとすげーなぁ!!」
幸村様「おいおいおい、誰のせいだと思うておる!」
扇子でぺしぺしぺし!しかし、扇子が滑りこの日は4発目がうまくヒットせず。

そこで!刀槍だけでなく小道具を持たせても天下一品の幸村様!すかさず「足らぬわッ!」と左手で即座に佐助の右手を捻りあげ、右背中(上腕?脇?下手からは見えず!)を力一杯ぱちーん!

幸村様「毛細血管の集まっているところだ!」
佐助「~~~~~~~~~!!!!!!」 ←言葉も出ないほど痛そうな顔!上川幸村様、ドS確定です。おめでとうございます。

それでも懲りない佐助「そうと決まったらさっさとこんなところ出て帰ろうぜ!」
幸村様「お前が言うな、お前が!!!」 ←追っかけて行く時にもう一押し追加w


≪冬の陣・通路勢揃い≫
劇場によって通路の使い方が違っていますが、2階席から幸村様の姿を見られるのはおそらく中日劇場と梅芸のみでしたね。ACTは2階最前列でも見えないんですよ…これは本当にもったいなかった…(泣)今日は中央通路が目の前でしたので、ラストに相応しく?幸村様が一陣の風のように走り抜けていく姿を文字通り間近30cmで見る幸せな瞬間がありました!!!風を感じて、思わず「時よ止まれ!」と祈りたくなる一瞬でした!!



ところで、名古屋/梅田ではそれぞれ中央通路の中ほど/最前で幸村様の檄が飛びます。十勇士はサイド通路に並ぶ格好に。佐助は舞台上手から仮装で登場、これも怪我が治ったあとにも再度の変更はありませんでした。「一致団結!」の十勇士たちの中でジョーカー的な意外性や茶目っ気を見せる佐助のキャラが引き立って、すごく良いと思います。(第二幕ラストのフォーメーション&唱和で初めて!11人が絵のように揃う、というのもそう考えるとドラマチックですよね?)



≪めしやアドリブ≫
梅芸にまさかの忠守藤次郎先生が降臨!!!ぱぱっとあざやかに手品を披露、観客もビックリ!!!一方、佐助は散々にいたぶられて涙目ですが、やってる幸村様のドSな笑顔の可愛らしさに観ているこちらは笑いが止まりませぬ…www

「今日は時間はたっぷりあるぞ」「何なら伊佐清海をここに呼んでもいいんだぞ」
「今日はお前に全部任せてみようか?」「涙目になっておるではないか!」「俺は素直に謝る子が好きだ!」
以上、幸村様の言葉責めでした。佐助の困り果てて目尻の下がった笑顔が可愛いったらww



第二幕


≪本丸侵入≫
名古屋から床穴バーンの登場復活。大阪でもこの演出になっていました。


≪佐助出生の秘密と秀頼の決意≫
今日はいきなりこの場面で相馬秀頼に何かが憑依?むしろ降臨!真相告白後最初の台詞の最初の声だけで胸が震えて涙が溢れました。表情もあの歌うような抑揚の声音も、何かが完全に違っていて・・・後ろで見守る淀の方/賀来千賀子さんが嗚咽しちゃって正面に顔が向けられないくらい涙していました。

それを見つめる佐助の澄んだ眼差し、気迫の幸村様。
凄いシーン。まさに大阪ミラクル!!

この『真田十勇士』もちろん東京も素晴らしかったけれど、大阪公演になると「何か」が降臨して凄まじく変化する瞬間があるような…初演の奇跡を思い出した。今日の大御所様と幸村様の立ち会う空気感は、400年前のリアルを舞台の神が梅芸に今蘇らせた、としか思えない。

※佐助役の柳下大くん、東京中日のアクシデント後から、動きが思うようにならない分、逆に佐助としての役柄や内面の表現が(周囲の助けもあって)一回り大きくなったと感じています。どうなることかと思いましたが、再演を再演たらしめたのは、実は彼なのかもしれませんね。


≪夏の陣≫
大御所様との立ち回り、ガチッ!と音を立ててかみ合う刀。殺陣上手のお二人の気迫が客席を音もなく覆い尽くして、凄い熱気!半蔵とともにただ見守ることしかできない観客。

そして。大阪大楽の幸村様最期。

今までとは違った…えっ!?と思ったくらい、小さいけれどものすごく大きな意味を持つ(はずの)変化。上川さんの幸村様のキャラ造形と観客としての受け取り方に根本から変化をもたらすものでした。博多で見届けられないのがホントに口惜しい!!!(時間がないので、後からまた追記します)


≪カーテンコール≫
カテコの幸村様は幸村様ではなく完全に中の人(=上川さん)でした。ボケたのにツッコミが来なくてキレ気味に「誰かツッコめよ!」ビシィッ!(さすが元キャラメルの突っ込み星人!)←ここで上手にいた治房(=俊藤さん)が直撃受けたらしく「ムチャ言わないで下さいよ!」みたいな表情でツボりまくってたのが面白かったですwww

上川さんから「初演大楽を迎えた思い入れの深い場所だから特別な終わり方を」と提案があり、全キャストと「気合い入れ」の再現で〆!

全観客数+全キャストスタッフで「我ら真田1970勇士、時の流れに逆らい、義を貫くものなり!」を唱和。

もちろん拳は突き上げて!最高!っていうかあの場に2000人近くいたことが凄い。
満席の梅芸には何度も行ってますが、ここまで数字のリアルなパワーを感じたことはないです。


≪おまけカテコのエピソード≫
この日は客電ついて追出アナウンス→前方席の「ありがとう!」コールから始まった拍手で異例の追加カテコ。大阪熱い!というかフリーダム!(笑)

幸村様「とんでもないことです」

忍者隊の皆様と若と爺やとハナちゃんと、鬘と衣装つけ直して淀の方様と半蔵どのが登場。感謝!

他のキャストが出てこれず、焦る幸村様「大阪出身でしょ!何か繋いで!」
六郎「母が大阪公演4回も見に来てくれまして。今日は何やら殿にお土産を持参したとか」
幸村様「それはそれはご丁寧にありがとうございます…って!俺への挨拶になってるよ!」

六郎(客席に向き直って)「えー…本日はお日柄もよろしくて」
幸村様「時候の挨拶じゃないんだから!」

二人に挟まれた立ち位置の大助くんがクスクス笑いながら父上と爺やの掛け合いを眺めてる姿が、ホントに九度山蟄居時代の真田一家の日常!って感じで可愛かったですw

キャスト待ちの上川さん「皆来て!その間秀が繋ぐから」
渡部くん「えっ!?」
上川さん「ほら何か言って」
渡部くん「えーっと…3階席の皆さん元気ですか〜?(歓声)2階席の皆さん元気ですか〜?(さらに歓声)では1階席の皆さん、元気ですか?(大歓声)………(照笑)」

客席の凄い盛り上がりにすっかり照れてしまい言葉が出ない渡部くんに上川さん「それだけ?それで終わりなの?!」(大爆笑)
さらに恥ずかしげな彼を見守る劇場の空気感があったかくて、ホッコリしました。
真田の若はまっすぐでホントに良いご気性なのね~(^-^)

馬木也さんは上川さんから名指しで呼び出され、カツラにつけたマイクも外していたのがあわてて手でコードを掴んでご挨拶してくれました。いい人だー!というか、上川さんが「出てこなかったら馬木也は悪いやつだってツイッターとかで書いていいから」御自ら拡散希望って・・・それイジメ?!www

そして「私、生まれは枚方なんです♪」と打ち明ける賀来千賀子さんにすかさず「ひらパー姉さん?」(爆笑)こんな呼ばわり方をできるのは天下広しと言えども上川隆也さんしかいない(笑)・・・でも、何故かすごく嬉しそうな賀来さんがキュートですwハケでも「きゃっ♪」という感じの笑顔で小ジャンプしてたし…淀の方様のキャラがこんなんだったら歴史変わってたな、とか思ったりしました(笑)


 ☆


まだまだ書きたいことはあるのですが、これからドイツに行ってくるので(笑)改めて!!!

(いったんおしまい)