徒然草庵 (別館)

人、木石にあらねば時にとりて物に感ずる事無きに非ず。
旅・舞台・ドラマ・映画・コンサート等の記録と感想がメインです。

鍵泥棒のメソッド 【黒&白版】マチソワ (ネタバレあり)

2014年05月18日 | 舞台


この1週間のうち、12時間近くをサンシャイン劇場で過ごしてしまった庵主です。 
金曜日は天王洲の銀河劇場で『酒と涙とジキルとハイド』を観ていたので、まさしく観劇weekでした。



そこでちょっと思いついて、オセロ的に並べてみました。 ↓

『鍵泥棒のメソッド』参戦記録
5月11日(日)昼 ●
5月12日(火)夜 ○
5月14日(木)夜 ○

土曜は夜公演【白版】を、先週日曜に鉢合わせた友人ともともと観に行く約束でした。が!オセロ的表で見ると、黒・白白白!これってどうなの?!という疑問w 何より木曜に【白版】観てから「うわあああああ!【黒】だ!今の私は【黒版】が観たくてたまらない!【黒】カモーン!!」という禁断症状?に陥ってしまっていたので、迷わず土曜の昼から池袋へと出かけたのでした。

5月16日(土)昼 ●
5月16日(土)夜 ○

↑ そもそも今日がマイ初日だったはずなのに、既に4回目ってどういうことだ… orz

当日券は1階席(後方最下手)もほんの少しだけありましたが、2階席のセンター通路脇という観やすさ重視のセレクトをして、さっそく階段シアターを楽しみつつ席へ。






(え?何の観やすさかって?それを聞くのは無粋というものです。←棒読み)



冗談はさておき、【白版】を立て続けに2回観劇、しかもあの火曜夜、初日の叩き付けるようなエネルギー(破壊力)に満ちた舞台で、すっかり「異次元」に放り込まれてしまったので、今【黒版】を観たらどんなシーンがヒットするだろう?きっと演出も動きも微妙に変わっているはず。また、【白版】を演じた【黒版】メインキャスト3人が大いに奮起したことも想像に難くありません。

【黒】と【白】、それぞれ初見の印象を比べると、私はストーリーとしては【黒】の持つお芝居の繊細な空気感とテンポがすごく好きです。しかし、【白】を観ると、問答無用!のスピードやパワー、大人の色気に快く打ちのめされちゃう自分がいます。どっちがどう、優劣ではなくて、ただ「ひとつ観たら、別のもうひとつを観たくなる!」――シンプルにただそれだけのことなのです。

これは、もしや中毒症状?!
限りなく危険な匂いが致します…w


☆★   ☆★


≪17日(土)13時~ Black Version≫
土曜の2階席は結構な入りで、初見のお客さんが多かったのかな?冒頭の銭湯シーンではこれまで以上の大爆笑が。地面に激突する、あの一瞬…桜井がコンドウの鍵をすり替えるまで、「シーン」と静まり返った劇場中が息を飲んでいるのを感じる楽しさ。そして堰を切ったような爆笑!何度見ても、本気で笑ってしまうのはやはり演じる側の本気度が伝わってくるからでしょうか?

そして!待ってました!会いたかったよ、激愛の【黒版】キャストーーーーーー!ヽ(´∀`*)ノ
桜井を演じる畑中さん、コンドウ役の阿部さん、やはりこのお二人の醸す出す役の空気感がすごく好きだな~!と再確認。ここに妹のように可愛い香苗@渡邊安理さんが加わると、まさしく私的には最高!のお芝居のトライアングル。

【黒版】の桜井はとにかく、可愛いんですよね。どうしようもなくダメでむちゃくちゃで計画性ゼロの無鉄砲、というキャラ造形は同じはずなのに、子犬のような何とも言えない愛嬌が仕草や台詞に匂い立つ…出来の悪い弟のようで、何故か放っておけないっ!w
香苗は、辣腕編集長としての顔とは別に、プライベートで見せる顔に「いい意味での」背伸び感が出ていて、これまた最強の妹キャラ。黒目がちの大きな瞳でキッ!と睨みつけるところなんか、女から見てもとにかく「可愛い!」しっかりしてるくせに「守ってあげたい感」満載です。

そして記憶を失ったコンドウの好青年ぶりと落ち着きが際立つなあ…と初見で思っていて、それを「いい空気感」としかあの時は表現できなかったのですが、その理由はひょっとしたらあの「声」と、髪かたち、ピシッとアイロンのかかったシャツ(色合いも緑基調の爽やかでハッキリしたもの)に象徴されるような、何とも品の良い立ち居振る舞い…のせいかな、と記憶をたどっていました。特に「声」がね、本当に良いなあ…と。いわゆる「イケボ」です。その声で紡がれる台詞は、内容以上に説得力があって、どこか「頼れる兄のような」安心感を聞く者に与えています。コンドウとしての記憶が戻った後も、無鉄砲な弟と妹にハチャメチャに振り回されながら、何とか危機を打開しようとする怜悧な横顔がまたグッとくる!香苗との交流や、徐々に惹かれていく心の機微なども、ちょっとした眼差しの揺らぎや身体の動きで本当に繊細かつ上品に演じている…そんな気がしました。そのせいか、ラブストーリーとしての側面がより強く出ていて、終盤に一旦別れを告げて、香苗が車を降りていくシーンや、その後の展開なんかはもう「胸キュン警報!」全開!最後ほんとに良かった~、二人がまた未来に向かって「一緒に努力して」生きていけそうでよかった~!となる、そんな具合です。【黒版】コンドウと香苗の胸キュン感は本当にハンパない!!!

こちらも初見から少しずつ小さな演出変更はあったものの、より「馴染んできた」感じが心地よくて、お芝居の世界にどっぷり浸りました。見どころの《白黒キャスト入れ替えシーン》監督(岡田さん)の楽しそうな遊びっぷり、本気で多田さん(=助監督)の頭ハタいてません?!w しかし…出てきただけで劇場中が「待ってました!」とばかりにザワッと動く&空気の色合いまで変わるのは流石というべきかw


☆★   ☆★


そして「上から見るダンスシーン」!!!見やすさというのはこれですよw 事実、フォーメーションや出入りなどは上からのほうがすごくよく見えます。とにかく美しい!カッコいい!せっかくなので、ちょっと今日は図解を入れてみましょう。

BGMはScudelia Electro - Moonbase (Tribal Groove Remix)!未収録の新規リミックス録音なので、配信しないかな、サントラ出ないかな、と思っていたら、何と!現在制作中とのこと!(歓喜!)ひょっとしたら東京公演の最終週にサントラ発売間に合うかもしれない、とは本日のニコ生でさるやんごとなき筋がバラしておられました。神戸は大丈夫そうです。でも、東京に間に合ってくれるといいですね♪

さてこのシーン。倒れたコンドウを運んでいく、居合わせた銭湯の客(大内さん&石原さん)、番台のおかみさん(大森さん)が服を持って後を追う、その間に必死で着替えはじめる桜井(畑中さん)…この前奏部分~サビ前のあたりって、90秒もないような気がするんですが、この時間で全部やっちゃうのが何度見ても「凄い!凄い!」と思っています。本当にカッコ良すぎて、気が済むまでこの場面だけをリピートしていたいくらいです。…というかここのダンス、初見より「人が増えた」ような気がするんですけど…気のせい…ですよね…?!(←動体視力そんなに良くない)


≪第1隊形≫

後列4人      ○ ○ ○ ○ 
中列4人   ○ ○      ○ ○ 
最前列          ◎畑中さん(着替え中) 
ロッカー       □□□□□□

 ↓

ロッカーが左右にハケる。

    □□□←←      →→□□□

※西川さんと大森さんが舞台奥上下手からクロスして中列あたりに入ってくる。
※大内さんと石原さんが服を着て(笑)最前列に加わり、畑中さんセンターに。

 ↓

≪第2隊形≫ (ところで人の数、合ってる?w)

後列4人    ○ ○ ○ ○ 
中後列2人     ○  ○      
中列3人    ○ ○ ○ ○             
前列3人     ○ ◎ ○      

(多分こんな感じ:敬称略)
後列    笹川 関根 毛塚 前田
中後列    大森      西川
中列  ☆多田(★畑中) 渡邊  岡内  小多田
前列    大内 ★畑中(☆多田) 石原  

でんでんででんででんでんでんででんでw、と肩を揺らして小刻みに前後のステップ、“光となれ Fly out!” の後、3回目の “Fly out!” のところで一斉に上体視線正面固定のまま、左足を引いて半円を描く!ここはキャストの「獲物を狙うような」肉食系の色気がバーンと迸るシーン! 必見です。とにかく目力が尋常じゃないです。運悪く?センターブロックで彼ら&彼女らの視線を真正面から受け止めてしまった人は、多分ヤられます! ←むしろ喰われる覚悟でガン見必須w 





センターの畑中さんが後ろを少し振り返り、上手から服を着て出てきた阿部さんの姿を見つけて後方にフェイドアウト。大内さんにセンター交代。阿部さん、そのまま下手へ消える。

 ↓

≪第3隊形≫

後列2人      ○ ○ 
中後列3人    ○ ○ ○ 
中列3人     ○ ○ ○ 
前列3人     ○ ○ ○   

密集隊形になって大きく動きが変わり、これがまたカッコイイ…! (//∀//)ポゥ 
残念ながらこの( ↑ )シーンは本当に10秒少々の間じゃないかと思うんですが、オープニング&ダンスだけのためにお金を払う価値はあります☆ ←え?

ハケていくキャストがまた最後の一瞬まで目が離せないほど素敵なので、ここは是非まばたき我慢でお願いしますw 個人的にはやはり、センターで踊る大内さんの滑らかな動き、ブラック&ホワイトのロングジャケットがまるでシャチのように攻撃的かつエレガントな存在感(グーッと視線ごと引っ張られる!)そして役柄から連想する「危険な美しさ」で、ウットリ見惚れておりました。← このシーンにかなり力入れてますよね?w

(私の脳内イメージ)





(・・・アザラシ、リアルに喰われてますw)

※当然ながら【白版】ではセンターが多田さん、後ろを横切るのは岡田さんになります。


☆★   ☆★


5日ぶりの【黒版】を観終わって「あ~!やっぱり【黒版】愛してるわーっv」とテンションかなり高めで大満足!そして夜公演の【白版】へイソイソ…。


≪17日(土)18時~ White Version≫

私、この日は友人にチケットとってもらってまして。
本当に公演直前まで(劇場に入るまで)知らなかったんですが。

なんと!
なんと!!


最前列(ちょびっと下手側)…でした。


・・・。

・・・・・・。

・・・・・・・・・。



もう何も語る必要はございません!芝居の筋は完・全・放・置!(爆)
( ↑これ以上全世界に恥を晒してどうする自分!)


「見るべき程の事をば見つ!!!」by 平知盛)


というわけで。壇ノ浦にドボン・・・もとい。
【白版】のさらに磨きのかかった破壊力&オトナの魅力に完全にノックアウト。試合終了…orz


いや最前列はどんな芝居でもダメなんですよ、観劇的には。(全体観れないし、キャストに気が行っちゃって頭半分以上ハートマークでいっぱいだったりするし)今回みたいに何度か見てからなら「ご褒美」的にアリですが、初見とか初日で最前列だともう、正直「泣き笑い」ですもんね…。


帰り道、リアルに頭がクラクラ…ついには頭痛まで。これぞまさに「芝居によるオーバードーズ」w 
土曜でよかった、と本気で思いました。← 翌日寝込む勢いw


えー、硬軟取り混ぜて(まだ最初の1週間とは)信じられないくらいの観劇密度ですが、まだまだお芝居は変わる予感がします。千秋楽まで、機会を見つけて&友人を誘いながら、存分に楽しませていただこうと思います♪