新井 香里

新井 香里

高橋和夫『ロング・ロード・ホームム』米史上最悪の救出作戦

2017-11-30 14:49:03 | 日記
2017年11月28日(火)夜9時より、ドキュメンタリー専門チャンネル「ナショナル ジオグラフィック」で放送開始のドラマ『ロング・ロード・ホーム DVD』。日本での放送開始に先駆けて、イラク戦争の知られざる裏側や同ドラマについて、有識者が語るインタビューシリーズ。

 

──本作「ロング・ロード・ホーム」で描かれるのは、イラク戦争開戦から約1年が過ぎた頃に起きたブラックサンデー事件。そもそもアメリカがイラク侵攻を開始した当時、国際政治の専門家たちは、イラク戦争から現在に至る中東の混迷ぶりを予想していたのだろうか?

 

当時のアメリカのイラク侵攻に関して、国際政治という大きな枠組みでアメリカの政治を見ていた人は、わりと楽観的な感情を持っていたように思います。それに対し、私のように中東を見ていた人間からすると、戦争に勝ってもその後が大変だろうという大きな不安がありました。

 

そもそもイラクという国は、イギリスが自分たちの都合で勝手につくりあげたもの。人口構成比を見ると、北部のクルド人が2割、中部のスンニ派のアラブ人が2割、南部のシーア派のアラブ人が6割となっていて、そのようなまとまりのないところを1980年代からサダム・フセインが力で抑えてきたわけです。ジャスティス・リーグ DVD

 

サダム・フセインは非道な独裁者でしたし、拷問をされたり刑務所に入れられたり、ひどい目にあった人はたくさんいた。とはいえ、独裁政権の恐怖という重しがあったため、イラクの秩序が保たれていたのも事実です。