書楼弔堂 破曉 読んだ
高遠様になりたい
眠い 寝ても寝ても まだ眠い
夜勤中 眠ることができない おじいさんがいらっしゃる
昼間は 椅子に座って居眠りを
夜間は いったん 部屋に休むも 何度も
起きて 部屋から出てこられる
それは ご本人の自由だが 転倒することが しばしば ある
もう転倒の無いようにと 上のひとから 言われる
おじいさんがベッドから立ち上がると センサーが反応して ベッドから離れたことをお知らせしてくれるという イヤな仕組みになっている
センサーが反応したら 職員はおじいさんの居室に確認に行かなければならない
転んでいるか 転んでいないか
センサーが反応してから おじいさんのところに 駆けつけたところで
あとの おまつりなんだけれど
まあ ベッド付近に立っていることが殆どなので
どこにいかれるのですか 休んでくださいねと 一晩中 押し問答するはめとなる
他の利用者の対応中 おじいさんの対応は かなり つらい
イジワルばあさんに私はなってしまう
私の対応の様子を 録音 撮影したら かなりおもしろいと思う
ゆうちゅうばあになれるとおもう
ぎりぎり あうとかな せえふかな 私的には ぶぶう
何度か 私の勤務中に 転倒して頂いたことがあり たんこぶが
その程度で 済んだので まあ…
センサーでさ みはるってさ 拘束ではないのかなあ
上のひとたちの理論でいけば いいんだろうなあ
ふにおちないなあ
別にさ 転んでもさ 仕方ないと思うんだけどねえ
転んだら 職務怠慢という風潮だし
転倒したら ほぼ骨折して 寝たきりになってしまう
自分の責任かと自責の念にかられる
ご本人様にも申し訳ない 代理人様も 人によってはこちらを責め立ててくる方もいる
だけど 認知症で体の元気な方は 対応が難しい 介護度は軽いが実質は10だ そんな介護度あったっけ
夜中に何度も センサーが鳴ると いろのおぜになる
精神衛生上よろしくない
そういう状況を クリアしていくことが
しごとだといわれたら そうなんだけど
夜中におじいさんに転ばれたくない 一心で右往左往している自分を
客観的にみたらおかしい かなしい 情けない
先日は 何度もセンサーでお知らせして頂くもんだから
車椅子に座って頂き おじいさんと一緒の夜勤を行った
おじいさんを車椅子にのせて 排泄交換 離床を行う
おもいよ おじいさん 無理だよ もう かんべん
老老介護だよん
右手で車椅子を押して 左手で車椅子を引っ張る
利用者様に失礼だから やめてください おひとりおひとり 移動してくださいと
上のひとがおっしゃる うふふ
ま とにかく おもかったよ おじいいさん
左側頭部が いたあい ずきんすきん
あー ずきんずきんは片頭痛か
かかりつけの病院で 以前
ばはりんで治ると申しあげたら
ばはりんでおさまるんだったら いいんじゃない？と
あーまーそうなんですけどお
耳まで痛いんだよお みみまで
痛いなあ
かかりつけの先生さま
私が 不調を訴えても
まだ若いんだからとか …はて？
まあみんなだからとか …そうかあ？
大丈夫なんでもないよとか …そうですかあ？
そうだね薬を持っていると安心するってことだねとか …まあそうですけどお
おもしろいことばかりおっしゃる
実際その程度の事ですが
まあ 私のダンナのことだ
孫に おもちゃを 買うわ買うわ これでもかってくらい買う
アンパンマン三輪車 滑り台 おうち キッチン でんわ でんわ
アスレチック くるま ブロック 太鼓 マラカスもう…
シルバニアふあみりいの うち うち くるま くるま おみせ おみせ なんだ かんだ
めるちゃん ５～６人？ めるちゃんのうち といれ 掃除機 冷蔵庫
べびいかあ あーもう なんだかわかんないおもちゃが やま
ばがで ねえの そっだにかって いい加減にしろや
もう ヒトとして間違っている マジ勘弁 認知症か？
いくらねえ 孫がかわいいからといって…
まごが私らに似て おばかになっちまう
おもちゃ買い放題 認知症確定の
じいさんは 順調にいくとたぶん
先に あの世へ行っちまうから 関係ないだろう
残される予定の 私や 孫の母ちゃんである 娘
迷惑するのは こっちなんだよ
将来
おばかに なる予定の 孫を ばばあと 娘で どうしろってのさ
我慢できない あほこになる あっちのおもちゃ そっちのおもちゃ
目移りして もうどれで遊んでいいのか 分からないようにも見える
将来が心配
遅きに失したな もう 取り返しがつかないな
どこかにこっそり売りに行こうかな
アンパン める うさぎ あー 頭痛い
おもちゃがなくなったら 孫に速ばれちまうし
処分フカノウか
え？孫のお父さんは？
どこかへ…
車で5分の職場ですら 遠い
行きたくないところだから尚更遠い
職場は どうしても行かなければならないところなので
遠いとかんじても 行きたくなくても我慢して行く
休日は
引きこもっていてはだめと覚悟を決めて
じゃすこ こめだ しまぱと ようやっとの思いで行く
なんとか 出かける
だけど 出先から帰宅すると 家にいる時間が少なくなってしまったことを後悔
どうして 後悔なのかはよくわからない お出かけしてよかったとはならない
家にいる時間 減った しょぼんとなる
家にいる時間が減るとどうして 悲しみなのかわからない
家で何をするわけでもない
掃除 料理 ほぼしない 本をよんでいるか ぼーとしているか
ずんずん あちらこちら出かける人は 凄いなあと感心する
その行動力 分けて欲しいような いらないような
羨ましいような そうでないような
おでかけですか れれれのれれれ
気力が ナイ
引きこもって 友人もいなくて 趣味もなくて なにもしたくなくて
あとは ボケるだけ
少しさびしいかな
さびしいのが スキなのかな
出かけないのが すき 何もしないのがすき
なにも なあんにもないのが
つかれた