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荒木妄想日記

荒木の妄想をしたためる為だけに開設しました。

~その後。加奈・土方ルート

2011-01-02 13:58:56 | SS~L荒木の妄想Ver
自宅の玄関先で、土方先生は腕を組んで立っていた。眉間に皺を寄せている。
すると廊下の奥からバタバタと加奈が走って来た。
加奈「お待たせー。」
土方「おそい。出かけるって言ってから何分経ったと思ってるんだ。」
加奈「うるさいなぁ…今出れますから……あ、待って!!」
また加奈がバタバタと奥に走っていく。
土方「はぁー……。」
土方先生は呆れた様にため息をついた。
その時、インターホンのベルが鳴った。土方先生がドアを開けると、斎藤が立っていた。
新年会を解散した後、三人で初詣に行くことになった。加奈が少し家の用事をしたいと言うので、再び待ち合わせをしていたのだ。
斎藤「どうも。先程はお疲れ様でした。」
律儀に一礼する。
土方「おぅ……すまねぇな。もちっと待ってくれるか。」
斎藤「了解です。お……これは……。」
斎藤が何かに気付いたように玄関に並んだ置物を手に取る。
斎藤「俺が一年の夏休みに家族で行った鳥取砂丘で買った星の砂……こちらは、二年の冬休みに平助と荒木と行った有馬温泉で買った干支の置物…隣のは、御陵高校に行った時に買った京都タワーの置物……。」
土方「あぁ、どこかへ行く度に律儀に土産を買って来られちゃ、飾らねぇ訳にはいかねぇだろ。」
下駄箱の上には、斎藤から送られたお土産の置物が所狭しと並べられていた。
土方「おーい、まだかぁ?!一体何分かかってやがる!!斎藤が待ちきれずに迎えに来てるぞ!!」
土方先生は痺れを切らしたようだ。
加奈「はーいはい、お待たせしました。」
加奈は、両手にマフラーと手袋を持って出てきた。
加奈「今日は随分と冷えるから、はい。土方先生、それと斎藤君も。」
土方「お、気が利くじゃねーか。」
斎藤「俺にも……か?」
斎藤は渡されたマフラーと手袋を眺めながら、少し驚いた表情を見せた。
加奈「うん。先生のだけど……ちゃんと洗ってあるから大丈夫だよ。斎藤君いっつも薄着だし。新年早々風邪ひいたら洒落にならないし、ね。」
加奈は座ってブーツを履きながら答えた。
斎藤「す、すまない。」
斎藤はマフラーを首に巻き付けた。
土方「気が利くのはいいが、もちっと早く用意出来ればもっといいんだが、っと。」
苦笑いしながら、ブーツを履き終わった加奈の手を取って立ち上がらせる。
土方「んじゃ、行くとするか。」
斎藤「はい。」
斎藤がドアを開け一歩外に出ると、土方先生が口を開く。
土方「待て。お前ももう一枚ぐらい羽織ってきたらどうだ?そのくらいなら待ってやる。」
斎藤は一人、そっとドアを閉める。
そして首に巻いたマフラーを見つめ呟いた。
斎藤「まるでどこかの世話焼き女房と亭主関白な旦那…といったところか。」

~その後。知弘・千鶴ルート。

2011-01-02 11:40:44 | SS~L荒木の妄想Ver
千鶴「本当に良かったのかな?」
新年会が終わり、千鶴は智弘と学校を後にした。
智弘「くじ引きで決まった結果なので仕方ないですね。少し悪い気もするけど…僕らの事を気遣ってくれたんだと思います。」
後片付けはくじ引きで荒木と平助に決まったのだ。千鶴と智弘は手伝うと言ったのだが、ニヤニヤする二人に追い出されるように部室を後にしたのだった。
千鶴「皆、本当に優しいね。剣道部に入部できて良かった。」
智弘「確かに!こうやって、雪村さんにも出会えましたし。」
白い息を吐きながら微笑む千鶴を微笑ましく眺めながら、智弘は言った。
千鶴は智弘の言葉に少し頬を赤くして立ち止まった。
智弘「……どうしたんですか?」
そんな千鶴の顔を覗き込む智弘。
千鶴「あの……ね。私が溝口君に告白してから、半年経つんだけど……。」
智弘「……そう、ですね。早いものですね。」
千鶴は下を向いてもごもごと続けた。
千鶴「それでね……あの……あの時、溝口くん、ありがとうって言ってくれて、それからいつも一緒にいてくれるんだけど……私たち……付き合ってるんだよね?」
千鶴は言い終わると、顔を上げて智弘の目を見つめた。智弘は千鶴が急に顔を上げたのに少し驚いたが、すぐに優しい顔になった。そして、千鶴の両手を取った。
智弘「僕の中では、僕はすっかり雪村さんの彼氏になったと思っていました。きちんと説明していなかったようで、すいません。」
智弘の言葉を聞き、千鶴の顔がぱぁと明るくなった。千鶴「良かったぁ。」

智弘はたまらなくなり、千鶴を抱き寄せた。
千鶴「み、溝口君、こんな、道端で、その……。」
智弘「大丈夫です。誰が見ていても、きちんと説明します。雪村さんは僕の彼女だと。」
智弘の手に先程よりも強い力が込められた。
智弘「言葉足らずで長らく不安にさせてしまって申し訳ありません。僕は雪村さんのことが好きです。」
それだけ言って智弘の手はほどかれた。千鶴は顔が赤くなり、耳まで真っ赤になっている。そしてさっきよりも下を向いて、またもごもごと話しだした。
千鶴「あの……確認ついでに、お願いが一つ。いいかな?」
智弘「どうぞ。彼女の我が儘を聞くのが彼氏の役目でもありますから。」
千鶴「溝口君、ずっと同級生にも敬語を使ってるけど……彼女の私には、敬語使わなくても、いいんじゃ……。」
智弘は少し難しい顔をした。
智弘「でも、これは癖のようなもので……ですが、雪村さんが望むなら敬語をやめるのもいいですね。すぐには難しいかも知れませんが……。」
そして一つ咳払いをして、千鶴に右手を差し出した。
智弘「じゃあ……行こうか……ちづ、ちっ…ちづち…千鶴。」
千鶴は目をまん丸にして、これ以上いくと首から上がはち切れるのではと言うくらい顔を赤らめ、智弘の手を取った。
千鶴「う、うん!と、知弘くん!!」

二人は手を繋ぎ、初詣の為、神社へと向かった。

20110101

2011-01-01 08:57:36 | SS~L荒木の妄想Ver
加奈「みんなー、お箸とお皿まわってますか?」
山崎「はい、全員持っているようです。」
新八「じゃ、さっそく始めようぜ!」
薫「僕のジュースがまだなんだけど…。」
荒木「あ、荒木とってきてあげるわ…って、あー!!」
千鶴「大丈夫ですか!?誰か、拭くものを!!」
智弘「ここにティッシュがあります!」
平助「新年早々ジュース倒すとか、ドジすぎ。」
斎藤「そう言うな、今日ぐらいいいではないか。」
原田「あっ、おい荒木!俺のズボンにかかっちまったじゃねーか!」
真美「原田先生、ティッシュどうぞ!」
島田「あ、私のところにコップが二つあります。南雲君、これを……。」
山南「いや、それは私の分ですよ島田君。」
沖田「山南先生、眼の奥が笑ってませんよ。」
ガラガラガラ
風間「何だ。騒々しいと思ったら新年会でもしているのか?剣道部の犬どもが。」
不知火「ヘイヘイ、旨そうなお節じゃねーか!」
天霧「できれば、私たちも同席させていただいてよろしいですか?」
土方「これだけいたら三人増えたところで同じだ。座れ!」
井上「じゃ彼らの分も用意しないといけせんね。」

新八「一体いつになったら酒が飲めるんだー!!」

近藤「落ち着きたまえ永倉くん!それじゃ、みんなのところに飲み物はまわったかな?では……。」

『あけまして、おめでとうございまーす!!』







大鳥「僕は呼ばれてないのかな?」

2010-12-30 11:15:11

2010-12-30 11:15:11 | SS~L荒木の妄想Ver
そっちを心配するあまり、気付いた時には一人の生徒が荒木に迫っていた。
平助「っ!あぶねえ!」
荒木が何かできる訳でもなく…殴られる……!

ボコッ

荒木「あっ……れ?」
荒木が正面に目を向けた時、迫ってきていた生徒は気絶していた。飛んできたバットが後頭部に命中したのだ。
荒木は平ちゃんに視線を投げる。
……彼は笑っていた。
自らのバットを投げ放った姿勢のまま。
……平ちゃんは大馬鹿やん。自分の武器を荒木のために手放してまうとか。
天霧「見上げた度胸です。」
無手になった平ちゃんへと、天霧が拳を握る動きが悔しいぐらいゆっくりに見えた。
天霧「だが愚かだ。」
バットを手放した平ちゃんに、その一撃を避ける術はなく……
平助「……あ……がは……っ!」
荒木「えぇぇぇぇぇ!!!!」
荒木の悲鳴だけが、この場に響き渡った。
原田「平助!おい、平助っ!!」
原田先生と新八っつぁんが平ちゃんにかけよる。
御陵高校の生徒は全員、倒れている。
不知火「なんだ…もう皆やられちまったのか。面白くねえ。」
不知火が下らなさ気に帰っていく。その後を天霧が付いていく。

そして新八っつぁんが平ちゃんを抱き抱える。新八っつぁんの手の中で、平ちゃんは口元を赤く染めている。
平助「……はは、ドジっちまった……。」
原田先生が持っていたタオルで平ちゃんの口元を拭う。
原田「馬鹿、喋んな!やばい、傷が深すぎる……!」
新八「くそ!おい、平助!こんなとこで死ぬんじゃねぇよ!」
ーーしぬ?
荒木「いや、いややし、平ちゃん!!」
かたかた震えて、袖口で頬の血を拭う荒木に、平ちゃんは申し訳なさそうな瞳を見せた。
平助「……お前のこと、もっと守ってやりたかったのにな……、へへ、格好……わりぃ……。」
……なんで、なんでやねん。荒木なんて一発くらい殴られても平気やったのに…!
平助「…大…丈夫、心配……すんな……よ……。」

原田「おい、真美、救急車読んでくれ!!」
原田先生が、振り向いて真美たすに指示を出す。
原田「って、おい。真美のやつ、どこにいきやがった?」

2010-12-30 11:08:59

2010-12-30 11:08:59 | SS~L荒木の妄想Ver
荒木と平ちゃんがそちらに目を向けると、十人…いや、三十人もの御陵高校の生徒達が集まっていた。
新八「おいおい……なんでこんなに人数が増えやがった!?」
???「よう先生。遊びにきてやったぜ?」
新八っつぁんの問いに答える二つの影。
原田「不知火に天霧……!?なんでお前らがここにいる!」
不知火「なんでってなァ……仕事だよ仕事。面白ぇことやるってんで見物しにきたってことさ。」
相変わらず軽い口調のまま、不知火は合図をするようにひらひらと片手を上げた。すると御陵高校の生徒達が一斉に先生達の飛び掛かった。原田先生と新八っつぁんは次々に生徒を倒していく。その様子を見ながら、面白そうに不知火さんが言う。
不知火「生憎、うちの親父と伊東のバカは顔見知りらしくてなぁ。」
そういえば、不知火はヤクザの息子らしい。伊東の手助けをするように言われて来たのだろうか。
そこに天霧が口を開いた。
天霧「この戦略差、戦うのはお勧めしませんね。……一つ提案があるのですが。」
原田「……あん?」
天霧「そこにいるマネージャーの二人を、こちらに預けるつもりはありませんか?そうしていただければ先生方を見逃しましょう。」原田「何頭のおかしい事言ってやがる……お前らが狙ってるのは加奈だろうが!」原田先生は長い鉄パイプを槍の様に振り回しながら天霧を睨む。
不知火「そいつらを囮にすりゃ、加奈ちゃんも大人しく風間のところに来るんじゃねぇか?」
釘バットを振り回していた新八っつぁんが一時構えを取る。
新八「だとよ左之。どうする?」
原田「聞くまでもないだろ。奴らの戯言なんて、信用できるか。……平助の冗談のほうが可愛げがあるぜ。」
互いに笑いあった二人が、一瞬だけ、平ちゃんに笑顔を送った。
平助「………!」
そして再び、戦いが始まった。
誰が敵なのか、誰に見方すればいいのか、平ちゃんの視線には迷いがうかがえた。ぽつんと孤立した平ちゃんの姿が、まるで彼の心を表しているみたいで悲しくて、荒木は必死に平ちゃんに話しかけた。
荒木「平ちゃん、やっぱ戻ってきて!!荒木も、また一緒におりたいって思うから……!」
平助「オレは……今更、今更戻れないって……伊東さんにつくのが将来のためになる…そう思って、こっちの道を選んで……ここまできちまったんだ。」
荒木「今も……今も平ちゃんはそう思ってんの?」
平助「……わかんねぇ。ただ、今回の伊東さんの考えはひでえって思った。」
そして平ちゃんは笑う。その笑顔は八割が自嘲でできていて、すごく悲しい笑顔だった。平ちゃんを苦しめているのが荒木の言葉だと思うと、胸がぐっと苦しくなる…けど…。
平助「……やっぱ、自分の道って、人についてくだけじゃ駄目だったのかもな……最近はさ、いつも薄桜高校にいた時の事ばっか考えてたよ。」
荒木「荒木も……平ちゃんのこと、ずっと考えとった。薄桜高校のみんなもそうやと思う。」
平助「……そっか……。」
そして平ちゃんは透明な笑みを浮かべる。
平助「戻りてぇな…。でも、もし戻ったって、今のオレは、なにを頑張ればいいのかわからねぇけどさ。」
荒木「……なにを……?」
そのとき、御陵高校の生徒の一人が平ちゃんに声を上げる。
生徒三「なにしてんだ藤堂!早く参戦しろ!」
そして……。
平助「っ!」
平ちゃんは生徒の頭に持っていたバットを叩きこんだ。平ちゃんは、自分のしたことが信じられない、みたいな顔で、自分の手を見つめてる。
そして、自分の足元に倒れこんだ生徒へ呟く。
平助「……ごめんな。オレ、なんとなくで、ずっとあの人についてきたけど……」
それに気付いた他の生徒達が平ちゃんに寄ってくる。平ちゃんは、彼らから荒木をかばいながら前に出た。
平助「だけど、今この時はどうでもいい。バンドも、剣道も関係ない。」
その声はゆっくりと、自分の中の迷いをひとつずつ振り捨てていくように響く。
そして、向かってくる生徒を殴りながら、一瞬だけ振り向く。
まだ少しぎこちないけど、その晴れやかな笑顔は、紛れもなく、いつもの平ちゃんだった。
平助「オレが守ってやるよ。お前を狙う全ての敵から、オレがお前を守ってやる。」
その言葉と同時に、平ちゃんは迫り来る生徒に向き直りーー戦いが始まった。
……もともと強いとは知ってるけど、今日の三人の戦いぶりは嵐みたいだった。
だがそんな中、揺る義もしない天霧の声が、響き渡った。
天霧「単身私に挑んでくるとは…勇気だけは褒めておきましょう。」
平助「あいにくこっちは人手不足でね。嫌でもオレに付き合ってもらうぜ!」
バットさえ跳ねのける天霧の拳に、どちらかというと小柄な平ちゃんが押し戻された。そこを狙って他の生徒達が平ちゃんの背後を狙う。
荒木「平ちゃん後ろ!!」