一言で強運になる「かも」の法則: 人生は「あなたの言葉通り」になる! (知的生きかた文庫)/西田 文郎
カウンセラー氏から薦められた一冊。珍しく、借りるのではなく購入した(笑)。
副題に『人生は「あなたの言葉通り」になる』とあるが、えてして人間は悪いことばかりを想像し、そして結局その悪い想像が実現してしまう羽目に陥る。私自身を振り返ってみても、大学入試しかり、就職しかり、左遷人事しかり、すべて悪いほうに考えていた通りの結果となった。
「物事を悪いほうに考える」というのは決して悪いことばかりではない。最悪の事態を想定して行動し、被害を最小限に食い止めたことだって何度もある。この「最悪の事態を想定する」というのは、人間の防衛本能に基づく行動であり、自らの身にふりかかる危険を回避する意味で必要なものであるという事情を踏まえた上で、著者の西田氏が提唱するのは「~かも」と仮定すること。もちろん悪いほうにではなくいい方に思考上の舵を取るのだ。
「行けない」ではなく「行けるかも」、「かなわない」ではなく「かなうかも」、「できない」ではなく「できるかも」。脳は同時に二つのことは想定できないそうだ。ただ、先にも述べたように、危険回避の本能がどうしても「悪い状態」の方を優先して出現させる。そして悪いほうの予感というのはどんどん肥大していく。終いには悪い予感に脳が支配されてしまい、結果的に悪いコトを招いてしまうのだ、という説明は単純明快でストンと腑に落ちた。
悪いほうへの想像が勝手に暴走を始める前に、「できるかも」に方向を転換する。「~すればできる」などという現実的な条件をつけることもやめる。下手なことを考えれば考えるほど、悪いほうへと引っ張られる速度も強度も増していくからだ。「できるかも」「できるかも」と考えることで、脳に幸福な錯覚を起こさせることが成功への第一歩だというのが主旨。「できるかも」をつみかさねることで最終的に「できる」にもっていこうということだ。
「下手の考え休むに似たり」ともいう。下手な想像を張り巡らして余計なエネルギーを浪費するのならそのエネルギーを夢をかなえる努力のほうに振り向けるほうがよほど「合理的」でもある。悩んで足踏みしてもその場から動くことはできないが、行動すれば少なくともその場から動くことができる。動くことができれば、違う角度から物事を見ることもできるし、自分を客観的に見ることもできる。
今の私には一番必要な考え方だ。書いてある内容は非常にわかりやすかったが、継続することはなかなか難しい。とりあえず私は文筆業で身を立てられるかも、と思い続けることで夢に近づいて行きたい、と改めて思った。
(江良与一)
【ガイド:All About News Dig編集部】
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