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第一回 放射線について(1)

2023-09-10 21:54:12 | 時事

こんばんは、鯖野です。

ようやく涼しくなってきましたね。秋の気配がする今日この頃です。

さて、今日からは最近よく動画などで見かける福島の処理水海洋放出とそれに伴うフェイクニュースについて掘り下げていきましょう。

 

そもそも、放射線は私たちの身近に存在していて、常に被ばくしているのですが、目に見えないということもあり、たくさんの誤った認識があるというのが現実です。放射線のいろはについてこれから見ていきましょう。

放射線といっても、2種類ありますね。粒子が高速で飛んでいるものと、電磁波と呼ばれるものです。前者にはアルファ線、ベータ線、中性子線など、後者にはX線、ガンマ線などがあります。私たちにとって身近なのは、病院で検査するときなどに使うエックス線ですね。これらの仕組みについて、詳しく見ていきましょう。

まず、原子の仕組みから。原子とは、「ものを構成する最小の粒子」のことです。

原子核という言葉を聞いたことがあるでしょう。どの原子でも、原子核というものを持ち、その周りを電子というものがスゴイスピードで回転しています。さらに原子核は「陽子」「中性子」を持ちます。そして、電子はマイナス、陽子はプラスの電気を持っています。普通、原子は陽子と電子を同じ数ずつ持っていて、全体的に見れば電気を持っていないということになります。つまり、「電気的に中性」です。中性子も電気を持っていません。ちなみに、水素は1番、ヘリウムは2番など原子番号がついていますが、これは陽子の数を示しています。

同じ原子番号の原子でも、中性子の数が違うことで科学的な性質はほぼ同じですが区別されます。中性子の数が違うことで原子の重さが変わる。陽子の数と中性子の数を合わせた数を質量数といいますが、中性子が増えるにつれこれも増えます。水素の例を見てみましょう。私たちが普段飲む水の分子は、1つの酸素原子と2つの水素原子からなっていますね。この水素原子は中性子をもたず、陽子1個のみを持つので、質量数は1です。ただし、中性子を1つ持つ水素原子から構成される水分子が多い水というのもあり、重水と呼ばれます。その水素原子は重水素(デューテリウム)と呼ばれます。このように、原子番号は同じでももつ中性子の数が違う原子を持つ場合があり、それを同位体(アイソトープ)と呼びます。水素原子には、もう一つ同位体があります。中性子を2つもつ、三重水素(トリチウム)というものです。これは、放射線を出します。つまり、放射能をもつので、同位体の中でも放射性同位体(ラジオアイソトープ)といいます。これは、後ほど取り上げます。

本日は、いろいろな種類の放射線を見て締めましょう。

放射線の性質は、電離作用を持つということが共通点としてあります。電離とは、電子が原子核の陽子をふりきって離れ、イオンになることです。

まず、アルファ線。これは、ヘリウム(原子番号2、質量数4)の原子核が高速で移動しているものです。

続いて、ベータ線。これは、電子が高速で移動しているもの。

中性子線は中性子が高速で移動します。これに関してはそのままですね。

X線、ガンマ線は、電磁波であり、とくにX線はレントゲン写真やCTなどで使う放射線です。ガンマ線はがん治療、器具の滅菌等に利用されています。

次回は、シーベルトなどの単位、人体への影響などについて書きます。この話題は複数の回に分けて行きますので、ご愛読宜しくお願い致します。

 

 



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