KEITH【46】
「まあ、そうだな。俺を否定しなくなったら教えよう」
「否定...って何だそれはっ!今のか?!俺に
大人しく...されるままになれと言うのか!」
「ははっそうじゃない。じゃなくて俺は何もしないけど?」
「だ...もう、いい。埒が明かない。手を放せ」
「俺を殴らない?」
「くっ...お前、、、俺から殴られるようなことを、したよな?」
「してない。返答しただけだ」
「 ...そう言うか。よくもそんなことを平気で」
「ふふん。俺は何をするのもされるのも平気だ。何かに執着した
最後の砦 なんてそんな馬鹿馬鹿しいものも持っていないしい
お前たちの常識としている英雄宗教信者の思考回路、モノサシ
〔牛になる〕なんか持ち合わせていないからな」
「英雄宗教...前にも言ったそれは?〔牛になる〕とは何?!」
「あ...それを教えるのはまだ早い。知りたいならまずはヘリ」
「ヘリ?」
「そう、ヘリの操縦が出来たら、そういうことの何もかもが...
解り易いって、女たちみたいな尻取り会話してていいのか?」
「え」
「話内容が気が殺がれてずれて行くってこと。それは彼女たち
の男を喜ばせる明るさの原点だ。しかしそれでは的を得ない」
「あ...すまん。しかし、訊きたいことばかりで」
「だから、ひとつずつだ。...それで、俺を殴る?」
そっちかよっ!
「 ...放せよ、何もしない」
「俺の背後から殴ってみろ、芋の中に行くからな?」
このバカ...まだそんなことを...。
ユリウスは今俺を封じ込めていたことなどなかったかのように天井から吊られたグレネードランチャーの使い方を俺に教えた。
「 ・・・これ、無反動砲だろうが、反動は?」
「ゼロだよ、バックブラストもゼロ。古いこと言ってんな」
反動が完全ゼロなんて有り得ない。
セキュリティにしてもシールドにしても、それにあのエレベータ...そうか、船の中と同じか。
「 ...そんな兵器」
「実砲は装弾じゃない。ここに散弾銃置いていないし弾もない」
「一発で仕留めろか」
そこは結局、人の腕なのか。
「当たり前だ。野鳥狩やイノシシ狩じゃあるまいし。弾丸はニトロ
のマグナム、アーマーピアシング。ホローポイント でも使えば
実態物体もその場で宙に消えてくれるが」
「フルメタルでいい。飛び散った肉片なんか狼を呼ぶだけだ」
「はは、このランチャーなんか、滅多に使うか。ランチャーはお前
ライフルを持って歩け、それで充分だ。それで、もし仕留られず
負傷だけで逃がしたらSPの♯押し続けろ。船で探知し追撃する」
「ああ...そんなことがあのマニュアルに書いてあったな」
「害虫が現れたら派手にやってくれれば、敵もびびる」
「そうだな...そう言えば、ユリウスは風呂は?」
「船からは見張ってないから、え...風呂?俺?クリア機
で充分だ。それに、俺は、今夜は戻る、明日また来る」
「 ...気を悪くしたのか?」
「何が?」
「あ、いや...夕べのこと、さっきも、」
「? ...何かしたか?」
「 ...またかよ、いいよ。しかし、なら誰と寝るんだ」
「その辺にいるヤツを捕まえる、けど、俺がひとりで寝れない
のは3日に一度だ。捕まらなきゃ、その心配は明後日でいい」
はああ?!
「何だソレ?...ひとりで寝られないと言うのは、」
「俺の生きてる限りの呪縛だ」
「 ...呪縛?!...ひとりで寝るとどうなるんだ?」
「朝になったら失血、全身血塗れで目覚めて丸1日瀕死」
「 ...どうしてそれを先に言わない?」
いや 信じてないが...。
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